2025年9月19日

「プランク毎日5分」は効果ナシ!きちんと効かせる「シン・30日間メニュー」とは (1/2)

体幹トレーニング「プランク」を20秒からはじめて、30日間で5分まで延ばしていくというチャレンジプログラム「プランクチャレンジ」。コロナ禍で非常に流行したトレーニング方法ですが、思ったより効果が低いのが現実です。

その理由と、きちんと効かせる「新・30日間メニュー」を、スポーツドクター・樋口 直彦先生監修の記事より一部抜粋してお届けします。

プランクチャレンジプランクチャレンジは効果なし?5分やるリスクと効果的な新・30日間メニューを専門家が解説

なぜプランクチャレンジは思ったより効かないのか?

樋口先生は「30日間プランクチャレンジはおすすめできない」と指摘しています。

理由のひとつは、長さを目的にしがちでフォームが崩れ、効果が得にくくなること。実際には10秒×5回ほどの短時間で十分に体幹強化が確認されています。

樋口先生:既存のプランクチャレンジはシンプルで始めやすい反面、最終的に「何分続けられるか」という長さが目的になりやすい傾向があります。

本来プランクは「体幹」を鍛えるためのトレーニングですが、秒数だけを追いかけるとフォームが崩れたり、効果を得にくくなるリスクがあります。

プランクはわずか10秒を5回、合計でも1分に満たない時間ですでに効果が確認されています。研究内容は次の通りです。

体幹筋力を高める方法を検証した研究(*)では、被験者に「10秒のプランクを含むアイソメトリック運動」を最大5セットまで行わせました。別のグループは従来のシットアップやツイストを実施しました。

6週間のトレーニング後、シットアップやツイストを行ったグループよりも、アイソメトリック運動を行ったグループの方が体幹筋力の向上が大きいという結果が得られました。

つまり、無理に長時間プランクを続ける必要はないと言えます。

*Effect of Long-term Isometric Training on Core/Torso Stiffness

また、長時間続けても刺激が単調になり、新しい効果は得にくい点も問題です。効率的に鍛えるなら、短時間で正しいフォームやバリエーションを取り入れることが重要です。

樋口先生:プランクは身体を一直線に静止することで鍛える「アイソメトリック(等尺性収縮)運動」になります。筋肉を収縮させないトレーニングの性質上、長時間保持が効果を高めるわけではありません

また、同じ姿勢を長く保つと刺激が単調になり、1分以上続けても新しい効果は得にくくなります。秒数を延ばすよりも、サイドプランクやツイストプランクなどのバリエーションを取り入れる方が、筋肉に別の刺激が入り効率的です。

さらに2分以上になると体幹以外に負荷が分散し、本来の目的が薄れてしまうのもデメリットです。

樋口先生:プランクを2分以上続けると、体幹だけでなく腕や太ももに強い負荷がかかります。結果として、体幹への刺激が薄れやすくなります。

副次的に腕や脚も鍛えられますが、それらを強化したいならスクワットやダンベル種目の方が効率的です。プランクは体幹を鍛えることに集中するのが望ましいでしょう。

30日やれば身体に変化を感じる「新・プランクチャレンジメニュー」

とはいえ、30日間続けることで習慣化が身につく点は大きなメリットです。プランクの特長を活かしたメニューに調整すれば、1か月で身体に変化を感じることは可能だと樋口先生は語ります。

というわけで、きちんと効くプランクチャレンジメニューを、樋口先生監修のもと作りました。

期間 内容  ポイント
1週目
(1〜7日目)
プランク30秒×2セット 正しい姿勢を身につける。呼吸を止めないこと。
2週目
(8〜14日目)
プランク40秒×2セット
+サイドプランク20秒×左右各1セット
体幹の横側も刺激。無理があれば秒数は短縮OK。
3週目
(15〜21日目)
プランク50秒×3セット
+サイドプランク30秒×左右各1セット
セット数を増やして負荷を段階的にアップ。
4週目
(22〜30日目)
プランク60秒×3セット
+サイドプランク40秒×左右各1セット
+ワンレッグプランク30秒×左右各1セット
変化を感じやすい時期。バリエーションで見た目の引き締めを加速。

基本的には「週5日程度」がおすすめで、2〜3日に1回休むペースがちょうど良い目安になります。

くわしいやり方を画像と動画でお届けします。

次:1週目スタート!

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