
「毎日腹筋30回」に効果はあるのか。早く効果を出すコツと正しいやり方 (1/3)
「お腹を引き締めたい」「くびれを作りたい」と思って、腹筋を毎日30回しているけど変化がないような…続ける効果はあるのか。
自身も高い美意識を持ち身体を鍛えている、医学博士・美容外科専門医、SOグレイスクリニック院長・近藤 惣一郎先生に聞きました。
腹筋を毎日30回続ける効果は?
「腹筋運動を毎日30回続けると、体幹が安定し、姿勢の改善や腹筋の持久力向上といった効果が期待できます。
ただし、消費カロリーはごくわずかなので、体重減少やお腹の脂肪燃焼には直結しません。腹筋を『割る』『お腹を引き締める』ためには、週2〜3回の休養を取りつつ、食事管理や有酸素運動を組み合わせることが必要です。
さらに、同じ負荷を続けると体が慣れてしまうため、フォームやテンポを変えるなど新しい刺激を加える工夫も、効果を高めるポイントです」
どうやら腹筋運動を毎日30回続ける効果には、限りがあるようです。ではどうすれば効果が出るのか。早く効果を出すためのコツや正しいやり方、効果的なメニューを紹介します。
「腹筋毎日30回」の効果は限られる
腹筋運動と言えば、昔ながらの「シットアップ(上体起こし)」や「クランチ(肩甲骨まで上げる腹筋運動)」が挙げられます。これらを毎日30回続けても「思ったほど痩せない」「お腹が割れない」と感じる人は少なくないでしょう。効果が出にくい理由は、いくつかあります。
消費カロリーが少ない
腹筋30回で消費できるのはおよそ5〜10kcal程度。お菓子ひと口分にも満たない消費量なので、これだけで体重を減らすことは難しいです。
脂肪に覆われている
腹筋が育っても、体脂肪が多いと筋肉は表に出てきません。特にお腹まわりの脂肪は落ちにくいため、食事管理や有酸素運動を並行して取り入れる必要があります。
同じ刺激に体が慣れてしまう
筋肉は同じ負荷を繰り返すと慣れてしまい、成長が止まります。毎日同じ種目を30回を続けるだけでは刺激が不足し、効果を感じにくくなります。
回復不足につながることもある
筋肉はトレーニング中ではなく休んでいるときに成長します。毎日同じ強度で続けると修復が追いつかず、疲労がたまる原因になることもあります。
30回でも意味がある「正しいやり方」
同じ30回でも、フォームや呼吸を意識するかどうかで効果は大きく変わります。量より質を高めることで、毎日の腹筋30回が、体幹強化やお腹引き締めにしっかりつながります。
フォームを意識する
反動を使わずに、上体を起こしましょう。首や腰に負担がかかる姿勢は避けましょう。
呼吸を正しく行う
上体を起こすときに息を吐き、下ろすときに息を吸います。呼吸を止めないことで腹圧が安定し、腹筋に効きやすくなります。
可動域をコントロールする
例えばクランチの場合は、肩甲骨が床につく直前で切り返すと、腹筋に刺激が入り続けます。大きく動かすよりも「効いている範囲」で正しく動かすことが大切です。
テンポを変える
ゆっくり3秒で起こし、1秒止めて、2秒で下ろすリズムを意識しましょう。動作をゆっくりにするだけでも負荷が増し、同じ30回でも効果が高まります。
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