
足が速くなるトレーニング5選|整形外科医が小学生娘に教えた『走りの基礎』づくり (1/2)
夏休みに入る前、小学3年生の娘が突然こう言いました。
「お父さん、私、学年で一番速くなりたい!」
そこから毎朝、走り込みとトレーニングが始まりました。もちろん、毎日きっちり続けられるわけではありませんが、本人なりに工夫しながら、夏休みが終わった今も継続しています。
小学生の娘が「足を速くしたい」と自ら取り組む姿は、親としても整形外科医としても、とても誇らしく、応援したくなります。
この記事では、実際に娘が行っている「子どもの瞬発力を高め、足を速くするトレーニング」を紹介しながら、小学生でも楽しく続けられる練習のコツをまとめます。
小学生におすすめ!足を速くするトレーニング5選
実際に娘が今も続けている、朝のトレーニングメニューを紹介します。
1. ランニング
まずは2~3kmのランニング。早朝に近所を走ります。
「長く走ると疲れるけど、走るフォームを意識すると気持ちいい」と言っています。持久力だけでなく、姿勢や腕振りなどの基本も身についてきました。
2. 両足三段ジャンプ(助走なし)
娘が一番好きなのが「両足での三段ジャンプ」。助走なしで3回連続ジャンプをして、その合計距離を目印で測っています。「昨日より伸びた!」と目印をつけて、ゲーム感覚で続けているのです。
私はこれこそが、小学生の足を速くするための「基礎トレーニング」の根源だと思っています。
・股関節を大きく使ってヒップヒンジ(腰を曲げずにお尻の関節を軸にして体を前に倒す)の動きを覚える
・地面を蹴った力を連続動作に乗せる
・距離が伸びることで「自分の成長」を実感できる この練習は安全でわかりやすく、小学生にぴったりです。
3. 6種類のジャンプ
娘は飽きないように、いろいろなジャンプも取り入れています。
・その場で両足ジャンプ
・片足ケンケン
・ももあげジャンプ
・ジグザグジャンプ(コーンを並べて左右に)
・大の字ジャンプ
・連続スキップジャンプ(いわゆるマリオジャンプ)
それぞれに目的があり、ふくらはぎのバネ、股関節の柔軟性、リズム感などが自然に養われます。
4. スタートダッシュ練習
50m走を「スタートを意識して」走るのも日課です。 最初の3~5歩を低く速く出ることが大切だと伝えると、「よーいドン!」の合図で反応することが楽しくなり、繰り返し挑戦しています。
5. 瞬発力を伸ばすスポーツ
娘はバスケットボールが大好きで、ドリブルや試合形式の動きの中で、切り返しや速攻のスプリントが自然と鍛えられています。
実はこの「短い距離を瞬時に走る」「方向を素早く変える」動作は、瞬発力を育てるうえでとても理想的です。
整形外科医の視点で見ると、瞬発力を高めるスポーツはバスケットボールに限りません。次のような競技も、同じように全身をバランスよく使い、成長期の体づくりに役立ちます。
サッカー:方向転換やダッシュが多く、下半身と体幹の連動が身につく
陸上短距離:スタートダッシュや加速の練習で反応速度を高められる
テニス・バドミントン:左右への動きが多く、俊敏性と判断力を育てる
バレーボール・体操・ダンス:ジャンプ動作やバランス保持で姿勢筋を強化
これらのスポーツに共通しているのは、「瞬間的に力を出す」「全身を連動させて動く」という動作が多いことです。
特定の種目にこだわる必要はなく、子どもが「楽しい」と感じるスポーツを続けることこそ、最も安全で効果的な瞬発力トレーニングになります。
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