内転筋を鍛えると体はどう変わる?役割・効果・鍛え方を専門家がわかりやすく解説 (4/4)
内転筋を効果的に鍛えるトレーニング6選
内転筋は、使い慣れていない人が多い筋肉ですが、負荷の低い動きから始めるとスムーズに使えるようになります。ここでは、初心者から中・上級者まで段階的に取り組めるトレーニングを紹介します。
初心者向け
まずは小さな動きで内ももに力が入る感覚をつかみましょう。無理なく続けられるメニューから始めます。
■座ってできる内転筋ボールつぶし
イスに座り、膝にクッションやボールを挟んで軽く押しつぶします。姿勢をまっすぐ保ち、内ももに力が入る感覚をつかむのがポイントです。
目安:10回×2〜3セット
■レッグアダクション
横向きに寝て、下側の脚を内ももを使って持ち上げるトレーニングです。反動を使わずゆっくり上下させることで、内転筋にしっかり負荷がかかります。
1. 横向きに寝転がり、肘を床につきます。上にくる足は腰の前に置き、手で足首を掴みます。

2. 下側の足を内ももを意識しながらゆっくり上げ下げします。

目安:左右各10~15回×2セット
中級者向け
脚全体を使いながら、内転筋に負荷が入りやすいフォームを身につける段階です。動きを安定させて取り組みましょう。
■ワイドスクワット
肩幅より広めに足を開き、つま先は外側へ。しゃがむ動作で内転筋に負荷が入り、脚の内側をしっかり使えるようになります。
1.両脚を肩幅よりも広く開いて外ハの字にして立つ(スタートポジション)
2.太ももと膝が平行になるように体を下げる

3.膝を伸ばして、スタートポジションの体勢に戻る

目安:10〜12回×2〜3セット
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■サイドランジ
左右に大きく踏み出し、内ももを伸ばしながら脚を支える力を使います。方向転換の安定性にも効果的です。
1. 足を閉じて立つ

2. 片足を真横に大きく踏み出し、膝を90度にゆっくり曲げていく



3. つま先は膝と同じ方向に曲がるよう意識する
4. 蹴るように力を入れて元の姿勢に戻る
目安:左右各10回×2セット
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上級者向け
下半身の安定を保ちながら、内転筋にしっかり刺激を入れる段階です。全身の連動を意識すると効きが高まります。
■プランクレッグレイズ
体幹を安定させながら脚をゆっくり持ち上げる動作で、深層の内転筋にも刺激が入ります。内側の支えが必要になるため、全身の安定性も同時に高められます。
1. プランクの姿勢を作り、足は少しついた状態で、つま先でふんばる

2. 片方の足を、膝が曲がらないように上げていく

3. この動作を左右交互に行う
目安:左右10回×2〜3セット
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■ブルガリアンスクワット(内転筋バージョン)
後ろ脚を台に乗せて行う片脚スクワット。通常のブルガリアンスクワットだと、内転筋は補助程度でしか働きません。
内転筋バージョンとして、前足をやや外側に置き、つま先は正面〜少し外に向けることで、内転筋の働きが強まります。お尻と内ももを同時に鍛えたい人におすすめです。
1.イスから60~90cm離れ、後ろ向きで立つ
2.イスに足先か足の甲を乗せ、反対側の脚は前に出す

3.背筋を伸ばし、ゆっくりと前方の脚を曲げていく
4.90度まで曲げたら、元の姿勢に戻す

スクワット同様、膝がつま先より前に出過ぎないよう注意。
目安:左右10回×2〜3セット
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内転筋のストレッチ
内転筋は日常生活で縮みやすく、硬くなると脚の動きが悪くなる原因になります。筋トレとあわせて、以下のストレッチを取り入れて柔軟性を保ちましょう。
バタフライストレッチ
床に座って足裏を合わせ、膝を左右に開くストレッチです。内もも全体を無理なく伸ばせます。
■やり方
1. 足裏を合わせて座る
2. 膝を床の方へ軽く押す
3. 背筋を伸ばしたまま軽く前に倒れる
4. 20〜30秒キープ
立位サイドストレッチ
立ったまま内ももを伸ばせるので、運動前のウォームアップにも最適です。
■やり方
1. 足を大きく横に開く
2. 片側に体重をのせ、反対側の内ももを伸ばす
3. 背中が丸まらないよう注意
4. 左右20秒ずつ
ストレッチのポイント
・痛みが出るほど無理に伸ばさない
・呼吸を止めず、息を吐きながら伸ばす
・筋トレの前後に取り入れると効果的
Q&A|内転筋に関するよくある疑問
内転筋トレーニングでよく寄せられる質問を、まとめて分かりやすく回答します。
Q. 内転筋が痛いときは、トレーニングを続けても大丈夫?
軽い筋肉痛であれば問題ありませんが、鋭い痛みや違和感がある場合は無理に動かさず休息をとりましょう。フォームの乱れや負荷のかけすぎが原因のことも多いため、痛みが繰り返す場合は負荷を下げるか専門家に相談してください。
Q. 内転筋を鍛えるグッズは何が効果的?
ピラティスボール、アダクションバンド、エクササイズリングなど「挟む・押す」動作ができるグッズが効果的です。どれも内ももを意識しやすく、初心者でも取り入れやすいアイテムです。
Q. 内転筋トレーニングは毎日やってもいい?
強度が低いメニュー「ボールつぶし」「レッグアダクション」などは、毎日行ってOKです。スクワットやランジなど負荷が高い種目は、筋肉を回復させるために1日おきが目安になります。
Q. 内転筋を鍛えると太ももが太くなることはある?
基本的には太くなりません。内転筋はインナーマッスルとして働く筋肉が多く、鍛えることで脚の内側が引き締まり、むしろラインが整いやすくなります。太く見える原因の多くは外ももの張りなので、内転筋を鍛えることは逆効果ではなく改善につながります。
監修者プロフィール
パーソナルトレーナー
三原 大和(みはら やまと)
専門学校にてパーソナルトレーニングと人体の構造について体系的に学び、JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会 認定トレーナー)や健康運動指導者など複数の資格を取得。卒業後は女性専用パーソナルジムにてトレーナーとしてのキャリアをスタートし、丁寧で寄り添う指導に定評がある。
また、10年以上にわたり自身が競技者として取り組んできたバドミントンの経験を活かし、スポーツパフォーマンス向上やジュニア指導にも精通。現在は大阪・高槻にある「パーソナルジムBREEZE」のトレーナーとして、ダイエットから機能改善、競技力向上まで、幅広いニーズに対応した指導を行っている。
保有資格:
JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会認定)
健康運動指導者(健康・体力づくり事業財団)
トレーニング動画指導・監修
鳥光 健仁(とりみつ たけのり)
フィットネスランニングトレーナー。1991年生まれ、千葉県出身。出張パーソナルトレーナー、SUUNTO5 アンバサダー、VX4アドバイザリー、(株)BOOSTマネジメント契約、HOKA ONE ONE サポート。
出演者プロフィール
MIHO(みほ)
市民アスリート。トライアスロン、トレイルランニング、マラソン、スパルタンレース、筋トレが大好き。フルマラソン自己ベストは3時間0分18秒。1児の母。
■ Instagramアカウント → @mip0000
<Edit:編集部>




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