なぜ?足の付け根が痛いとき、考えられる理由とは。痛み緩和ストレッチも (2/2)
股関節の痛みを緩和! 無理なくほぐすストレッチ3選
筋肉の硬さが原因の痛みであれば、ストレッチで症状が緩和することがあります。ここでは、股関節周囲の筋肉を無理なくほぐすストレッチを3つ紹介します。
【注意】 ストレッチは痛みのない範囲で行ってください。強い痛みがある場合、炎症が疑われる場合、原因が明らかでない場合は、まず医療機関を受診し、ストレッチをしてよいか確認してから行いましょう。
1. 腸腰筋ストレッチ(足の付け根の前側をほぐす)
デスクワークで長時間座っている人におすすめのストレッチです。股関節の前側にある腸腰筋を伸ばし、立ち上がりや歩き始めの痛みを緩和します。
やり方


1.片膝を床につき、もう片方の足を前に出して膝を90度に曲げる
2.背筋を伸ばし、骨盤を正面に向ける
3.体重を前にゆっくりと移動させ、後ろ足の付け根の前側が伸びるのを感じる
4.この姿勢を20〜30秒キープする
反対側も同様に行う。
ポイント
・腰を反らせないように注意する(骨盤を後傾させるイメージ)
・伸びを感じる程度で止め、無理に深く入らない
・呼吸を止めずに、ゆっくりと深呼吸しながら行う
2. 内転筋ストレッチ(太ももの内側をほぐす)
太ももの内側にある内転筋群が硬くなると、股関節の動きが制限され、足の付け根に痛みや違和感を感じることがあります。このストレッチで内転筋をほぐしましょう。
やり方

1.床に座り、両足の裏を合わせて膝を外側に開く
2.両手で足首またはつま先を持つ
3.背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと上体を前に倒す
4.太ももの内側が伸びるのを感じたら、その姿勢を20〜30秒キープする
ポイント
・膝を無理に床につけようとしない
・背中を丸めずに、股関節から折り曲げるイメージで前傾する
・痛みが強い場合は、上体を倒さずに姿勢をキープするだけでも効果がある
3. 臀筋ストレッチ(お尻の筋肉をほぐす)
お尻の筋肉(臀筋群)が硬くなると、股関節の動きが悪くなり、足の付け根の後ろ側やお尻に痛みを感じることがあります。座り仕事が多い人は、お尻の筋肉も硬くなりやすいです。
やり方

1.仰向けに寝て、両膝を立てる
2.右足首を左膝の上にのせる(数字の「4」のような形)
3.左太ももの裏に両手を回し、左膝を胸に引き寄せる
4.右のお尻が伸びるのを感じたら、その姿勢を20〜30秒キープする
5.反対側も同様に行う
ポイント
・頭や肩が床から浮かないようにする
・膝を引き寄せすぎず、お尻の伸びを感じる程度で止める
・腰に痛みがある場合は、無理をしない
これらのストレッチは、1日1〜2回、毎日続けることで効果が現れやすくなります。入浴後など、身体が温まっているときに行うと、筋肉がほぐれやすくなります。
足の付け根が痛いときにしてはいけないこと
痛みがあるときに間違った対処をすると、症状を悪化させてしまうことがあります。以下の点に注意しましょう。
1. 痛みを我慢して動き続ける
「動かさないと固まってしまう」「痛くても運動したほうがいい」などの考えから、痛みを我慢して運動を続けてしまうと、逆効果になることがあります。
炎症が起きている場合や、関節や軟骨に問題がある場合は、無理に動かすことで症状が悪化することがあります。
軽い筋肉の張り程度であれば、ストレッチや軽い運動で改善することもありますが、痛みが強い場合や運動後に痛みが増す場合は控えましょう。
2. 自己判断で強いマッサージや矯正を行う
炎症が起きている部位を強くマッサージする、矯正などを自己流で行ったりすると、かえって痛みが増したり、周囲の組織を傷つけたりする可能性があります。
マッサージや整体を受ける場合は、資格を持った専門家に相談し、現在の症状を伝えた上で施術を受けるようにしましょう。
3. 長期間放置する
「そのうち治るだろう」と痛みを放置してしまうことも、避けたい行動の一つです。
筋肉の疲労による一時的な痛みであれば、数日〜1週間程度で自然に改善することが多いです。しかし、2週間以上痛みが続く、徐々に悪化している、日常生活に支障が出ている場合は、何らかの疾患が隠れている可能性があります。
変形性股関節症などの疾患は、早期に対処することで進行を遅らせることができます。痛みが長引く場合は、早めに整形外科を受診しましょう。
こんな痛み方は要注意!病院に行くべきサイン
以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
安静にしていても痛む
通常、筋肉や関節の痛みは、動かしたときに増し、安静にしていると軽減します。しかし、じっとしていても痛みがある、夜間に痛みで目が覚めるといった場合は、炎症や感染、その他の疾患が疑われます。
発熱を伴う場合は関節内の感染(化膿性関節炎)の可能性があり、緊急の対応が必要になることがあります。
痛みが急激に悪化した
昨日まで普通に歩けていたのに、急に歩けなくなるほど痛くなったなどの急激な悪化パターンは、骨折、関節内の出血、軟骨や靭帯の損傷などを示唆している可能性があります。
転倒や事故などの明らかなきっかけがある場合はもちろん、思い当たることがなくても急激に痛みが増した場合は、すぐに受診しましょう。
歩行が困難になっている
痛みのために足を引きずる、杖がないと歩けない、階段の上り下りができないといった場合は、関節や周囲の組織に大きな問題が生じている可能性があります。
日常生活に明らかな支障が出ている場合は、我慢せずに医療機関を受診してください。
しびれや感覚の異常を伴う
足の付け根の痛みに加えて、太ももや足にしびれ、感覚の鈍さ、力が入りにくいといった症状がある場合は、神経が圧迫されている可能性があります。
腰椎の問題(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など)が原因で股関節周囲に痛みやしびれが出ることもあります。神経症状を伴う場合は整形外科や神経内科を受診しましょう。
腫れ、熱感、赤みがある
足の付け根が腫れている、触ると熱い、皮膚が赤くなっているといった場合は、炎症や感染が疑われます。発熱や全身のだるさを伴う場合は、感染症の可能性があるため早急に受診が必要です。
監修者プロフィール
つくる整形外科祐天寺駅前スポーツクリニック院長
中谷 創(なかやつくる)
防衛医科大学校卒。つくる整形外科祐天寺駅前スポーツクリニック院長。医学博士、整形外科専門医。
日本スポーツ協会スポーツドクター。ラグビー日本代表の海外遠征などの帯同や東京オリンピック、ラグビーワールドカップの大会ドクターなどを務める。陸上自衛隊在籍中は医官として自衛官の健康管理や整形外科手術を手掛ける。東京、札幌などで勤務。
公式サイト https://tsukuruseikei.jp/
<Text:外薗 拓 Edit:編集部>










