フィットネス
ライフスタイル
2023年2月20日

心拍数・LT・VO2MAXの計算方法と、心拍トレーニングのやり方 (1/3)

心拍数を継続し、その数値を目安に取り組むトレーニングを“心拍トレーニング”と呼びます。

最近では、アップルウォッチをはじめ、心拍計測機能がついたスマートウォッチ(GPSウォッチ)が広く用いられるようになり、その取得データをもとに、「LT(乳酸性作業閾値)」や「VO2MAX(最大酸素摂取量)」などの数値を表示してくれるものもあります。

これらの情報はトレーニング効果の向上に繋がるとされ、トレーニングの質を高める目的で利用する方が多いようです。しかし、たとえば以下のような質問を投げかけられた際、はたして即答できるでしょうか。

「インターバルとLSD、それぞれ目安にすべき心拍数は?」
「フルマラソンではどれくらいの心拍数を維持すればいい?」
「一般的なVO2MAXは平均どれくらい?」
「VO2MAXが高いと何に役立つの?」

こうした知識が身についていないと、せっかくの細かな情報が なんとなく数字を眺めているだけになってしまいます。

心拍計測機能がついたスマートウォッチを有効活用すべく、関連用語の意味や数値データの見方など、基礎知識を身に付けておきましょう。

心拍数の計算方法と、心拍ゾーントレーニング

最初に知っておきたいのが、自分の「安静時心拍数」と「最大心拍数」です。それぞれの意味や計測・算出方法は以下の通りです。

安静時心拍数

何もせずじっとしている状態での心拍数。リラックスして心身を落ち着けた状態で計測しましょう。性別によって若干目安が変わりますが、一般には60~80/分程度です。

トレーニングを重ねることで安静時心拍数も変化し、60/分を下回ってくることもあるでしょう。ちなみに、筆者の安静時心拍数は50〜55程度です。

最大心拍数

どこまで心拍数を上げられるかの最大値です。計算式から大体の数値が求められ、筆者の場合、「208-0.7×年齢」という計算式を用いています。

たとえば34歳の場合、「208-0.7×34=184.2」という計算式となります。以前、専門施設で計測したときは189という数値でしたので、そこまで大きくズレていません。

なお「220-年齢」で算出するというケースもありますので、あくまで参考にしてください。

心拍トレーニングで特に重要なのが最大心拍数です。この数値をもとに、トレーニング内容や目的に応じて“目安となる心拍数”を算出します。その心拍数は「最大心拍数×●●%」で計算されます。

区分については意見の分かれるところですが、目的別に以下を目安と考えてください。

  • 体力回復や生活習慣病の改善:50〜60%(ウォーキング、LSDなど)
  • 脂肪燃焼や持久力アップ:60〜70%(LSD、ジョギングなど)
  • 有酸素運動の能力アップ、持久力アップ:70〜80%(ジョギング、ペース走など)
  • 筋力や運動能力アップ:80〜90%(インターバル、レペティションなど)
  • 瞬発的な運動能力アップ:90〜100%(インターバル、タイムトライアルなど)

80%を超えると、無酸素運動もしくはそれに近い状態になります。そのぶん運動強度も上がるため、通常のトレーニングでは60〜80%程度を目安にするとよいでしょう。

逆にこれより低い数値では、あまりトレーニングの効果を得ることができません。まずは最大心拍数から目安とすべき心拍数を計算し、それを維持するよう確認しながら走るとよいでしょう。

関連記事:三大運動「有酸素運動・筋トレ・ストレッチ」の効果とは。メリットとデメリット、運動量の目安

自分の心拍数が分かると、「LT値」や「VO2MAX」などの数値も算出できるようになります。それぞれ見ていきましょう。

1 2 3