「ランニングすると足首、膝が痛い」フォームの歪みと改善方法 (1/3)
人の身体はスポーツ競技や日常生活を通じて、知らぬ間にバランスが崩れています。筋肉量に差が出たり、骨格が歪んでいるなどがその例です。とくに、利き腕・利き足、競技などでよく使用する側の部位は、バランスの差が大きくなるでしょう。
ランナーの中にも身体のバランスが悪く、ランニングフォームに影響が出ているケースが少なくありません。ランニングにおいて、身体を支える下半身のバランスはとても重要です。
こんな走り方になっている人は…
走っているとき、左右いずれかの肩が下がっている、どちらかに跳ねるような走りになっている、足音を聞いたとき、いずれかの着地のみ大きな音がする場合、左右のバランスが偏っている可能性があります。そのままの状態で走ると、一方の足にのみ負担が集中し、怪我を引き起こしかねません。
左右バランスの整った身体を手に入れれば、ランニングのパフォーマンスが高まります。より長く、速く、楽に走りたいという方は、バランストレーニングに取り組んでみましょう。
なぜ「片足」のバランスが大切なのか
バランスボール、あるいはバランスボードに乗るといったトレーニングは、身体を支える体幹部は鍛えられるものの、走る動きそのものに影響を与えるには足りません。ランニングという視点でバランスを考えるときは、両足で地面に接している状態ではなく、片足でのバランスに着目することが大切です。
走るという動きは片足で行われる
なぜ「片足」のバランスが大切なのか。それは、走るという動きにおいて、両足が地面に接することがないからです。
ランニングは、つねに入れ替わる片足での着地動作です。両足が地面に接しているのは、つまり立ち止まっている状態です。そのため、いくら両足でしっかり身体を支えられても、片足でバランスを取れなければ意味がありません。
左右がブレることなく着地し、同じように左右ブレず着地衝撃を反発させて走ること。これが、効率的なランニングを実現するポイントです。
「片足バランス」トレーニングのやり方
ここでは動画を交えながら、具体的なトレーニングを紹介します。
片足立ち
まず基本となるのが片足立ち。動くことなく、ただ片足で立って身体を支えましょう。
意識したいのが、もっとも楽に立っていられる姿勢を探すこと。重心位置を調整しながら探してみてください。それが、ランニング時にも基本姿勢となります。
また、できれば裸足になって、足裏の接地面を確認するのがオススメです。左右前後に負荷の偏りがなく、均等に足裏全体で身体を支えられている状態を見つけましょう。シューズを履いた状態だとクッションを隔てているため、この感覚が得られにくくなります。
[応用編1]足を左右前後に振ってみよう
片足で無理なく立てるようになったら、浮いている側の足を左右前後に振ってみましょう。足が動くことで重心位置が変わり、姿勢維持が難しくなるはずです。
振り幅は少しずつ大きくしていき、重心をコントロールしながら、立位と同じ状態(楽に立っていられる、足裏全体で支えている)を常に維持できるよう努めます。足がいくら大きく動いても、地面と接している足裏から頭まで、まっすぐ直線状にあることが理想です。