• Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • YouTube

ハードルと私│寺田明日香の「ママ、ときどきアスリート~for 2020~」#24 (3/3)

6年ぶりのハードルを終えて

 100mH初戦のレースは山梨県の県記録会。天候は晴れ、気温は17度前後、風は追ったり向かったりで1mほど。

 試合用のウォーミングアップはまだ決まったルーティーンのようなものはなく、なにが今の自分に合っているのか模索中で、ウロウロしながら体の調子をみて、なにが必要なのかを考えながら行っています。

 前の陸上選手時代のウォーミングアップは、わりと何本も100mを走ることを取り入れていたように思いますが、現在のウォーミングアップはお尻や体幹に刺激を入れ、体の中心部分を使うことができるよう意識を持たせる動きが多くなったと思います。

 また、100mの初戦のときもそうでしたが、自分ひとりで、自分のペースで行うウォーミングアップにまだ少し違和感があります(笑)。ラグビー選手のときは、チームのみんなで同じ時間に同じウォーミングアップをしていましたから。

 レース前は、種目ごとに決められた時間、場所に集合する「招集」があります。前回は、一緒に練習している仲間も一緒に走ったため、ひとりでの招集ではなかったのですが、今回はひとりぼっちの招集で、懐かしいやら寂しいやらでした。

 スターティングのブロック合わせ、吹き流しでチラッと風の方向確認、コール前の静かになる瞬間、“On Your Marks(位置について)”の緊張感……。“真剣勝負の完全集中”というよりは、“運動会前に少し緊張しながらもワクワク”というメンタル状態でした。

 ピストルの音が鳴ってから、「スタートはキレがないなぁ」と思い、「1台、2台、3台……。あ、今ちょっとよかった。」と途中で感じるなど、ゴールまでの過程を鮮明に覚えています。盛り上げてくださったアナウンスの先生の声までちゃんと聞こえていました。

 陸上短距離の場合、一瞬で勝負が決まるので高い集中を保っていないと高い能力発揮は難しいと感じていますが、今回の私の場合は周りが見えるほどの低い集中(ラグビーをしているときのような)でした。

 ラグビーの場合は、“周りが見えるくらいの低い集中度を持続させること”が必要ですが、陸上競
技場の場合は“周りが見えなくなる”ほど集中しないと、ゾーンには入れません。今回の場合はゾーンに入れるほどの高い集中(高いパフォーマンスができるような状態)ではなく、“リラックスし過ぎている状態”でした。

 そのため今回のレースでは、高いパフォーマンスができるような状況に持って行くことができなかったので、パフォーマンス自体は高いものではなかったと思っています。

 しかしながら、結果的には、“第一のハードル(第一目標)”の13秒70を上回り、13秒43(+0.9)で日本選手権A標準を突破することができたので、まずまずのすべり出しかと思います。

 これからは6月の日本選手権に向けて、じりじりと調子をあげていきます!

[プロフィール]
寺田明日香(てらだ・あすか)
1990年1月14日生まれ。北海道札幌市出身。血液型はO型。ディズニーとカリカリ梅が好き。小学校4年生から陸上競技を始め、小学校5・6年時ともに全国小学生陸上100mで2位。高校1年から本格的にハードルを始め、2005~2007年にはインターハイ女子100mハードルで史上初の3連覇。3年時には100m、4×100mリレーと合わせて同じく史上初となる3冠を達成。2008年、社会人1年目で初出場の日本選手権女子100mハードルで優勝。以降3連覇を果たす。2009年世界陸上ベルリン大会出場、アジア選手権では銀メダルを獲得。同年記録した13秒05は同年の世界ジュニアランク1位だった。2010年にはアジア大会で5位に入賞するが、相次ぐケガ・病気で2013年に現役を引退。翌年から早稲田大学人間科学部に入学。その後、結婚・出産を経て女性アスリートの先駆者となるべく、「ママアスリート」として、2016年夏に「7人制ラグビー」に競技転向する形で現役復帰した。同年12月の日本ラグビー協会によるトライアウトに合格。2017年1月からは日本代表練習生として活動した。2018年12月にラグビー選手としての引退と陸上競技への復帰を表明。再び陸上競技選手として、2020年東京オリンピックを目指す。

◎所属企業:株式会社パソナグループ
◎主な記録:100mハードルU20日本記録保持者(13秒05=2009年世界ジュニアランキング1位)/100mハードル日本高校歴代2位(13秒39)/100m:11秒71

【今後のスケジュール】
・5月18日(土)~19日(日):東日本実業団陸上競技選手権大会@埼玉県熊谷市
・6月2日(日):布施スプリント@鳥取県鳥取市
・6月27日(木)~30日(日):日本陸上競技選手権大会@福岡・博多の森 陸上競技場
・9月27日(金)~10月6日(日):世界陸上競技選手権@カタール・ドーハ

【関連URL】
◎公式サイト https://asuka-terada.jp/
◎公式Facebook https://www.facebook.com/Asuka.Terada.official/
◎Twitter https://twitter.com/terasu114
◎Instagram https://www.instagram.com/terada_asuka/

<Text & Photo:寺田明日香/Edit:アート・サプライ>

ランキング
Ranking

  • 最新

オススメ記事
Special

オススメ連載
Series

注目キーワード