フィットネス
2020年8月3日

ボルダリング初心者が覚えておきたい「グレード(階級)」。まずは5級を目指そう (1/2)

 ボルダリングは、初心者でも気軽に始められることもあって人気が高まっています。ただ登るだけでなく、決められたルートをいかに効率良く、スマートに登るか。ボルダリングの魅力は奥深いものです。そのとき、自分の成長は何を基準に考えればいいのでしょうか。

 実はボルダリングにもルートの難しさを表す階級があるんです! 壁の種類、設定されるルート(=課題)による階級(=グレード)が存在し、どのグレードの課題をクリアできるかが、実力の指標になります。これからボルダリングをこれから始める人、始めたばかりの人を対象にグレード上達への道について簡単に解説します(監修:公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会)。

ボルダリングの魅力は上達する楽しさにあり

 ボルダリングの魅力はどこにあるのでしょうか。よく知らない人からするとわかりづらいかもしれません。ただ岩を登るだけの単調な競技では……。そんなイメージを持つひともいることかと思います。

 でも、たとえばマラソンやジョギングは単調な競技でしょうか。違いますよね。たとえ、動きが限られたものであれ、スポーツに単調と言うことはありません。「上達」という変化があるからです。ボルダリングも同様です。目の前には常に課題が現れ、それを克服していくという、スポーツならではの醍醐味があります。

 それではボルダリングの「上達」とはどういうことでしょうか? それは「登れなかったところが登れるようになる」、「より難しいルートが登れるようになる」ということです。

ボルダリング上達の目安は「グレード」

 ボルダリングの課題には、その難しさを表す指標(=グレード)がつけられています。アメリカはアメリカで、ヨーロッパはヨーロッパで、それぞれ独自のグレードがあり、日本では「級」と「段」で表記されます。柔道や剣道の段位と同じようなものです。

 やさしい方から、10級、9級、8級……と難しくなってきて、上は2級、1級、初段、2段……となります。外の岩での現在の最高グレードは5段です。

 グレードの決め方を大ざっぱに説明すると、もともとたくさんのルートを多くの人が登って比較して、やさしい方から順に並べて、大体同じような難しさのルートをまとめてそのグループは10級、もう少し難しいグループは9級……という風に決めているものです。

 つまり絶対的とか客観的とかいうような基準はなく、10人中7人が6級に感じたから6級で、それより難しく感じる人もやさしく感じる人も少しいる、という感じです。

 グレードは登ったクライマーが感じた難しさを表すもので、あくまで登った人の主観ということです。そのため、感じ方の個人差があり、ある人が難しく感じた課題を他の人はやさしく感じることも、その逆もあります。ですからあまり難しく考える必要はないのですが、上達したいと思うときには、このグレードが役に立つのは確かです。

 いきなり難しい課題にトライしても、なかなか登れるものではありません。9級をクリアしたから次は8級にチャレンジというように、やさしい課題から順を追って挑戦していけば、いずれは1級や初段といった難しい課題も可能になるかもしれません。

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