フィットネス
2018年2月19日

競泳選手に必要な陸トレとは?北島康介を支えた3人の名トレーナーが集結した特別セミナー(小泉圭介編) (1/3)

 北島康介さんが代表兼ゼネラルマネージャーを務める「Perform Better Japan」が2017年12月、競泳コーチ・マスターズスイマー・トレーナー・理学療法士など水泳にかかわる45人の受講者を対象にしたセミナーを開催しました。

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競泳選手に必要な陸トレとは?北島康介を支えた3人の名トレーナーが集結した特別セミナー(田村尚之・桑井太陽編) | トレーニング×スポーツ『MELOS』

 今回のテーマは、「泳ぐために必要な陸上での準備と強化」と題し、北島さんの選手時代を支えた小泉圭介さん・田村尚之さん・桑井太陽さんの3人が参加。豪華な顔ぶれで行われたセミナーの様子を前後編でお伝えします。

水の抵抗と推進力を高めるためにすべきこと

 最初に登壇したのは、小泉圭介さん。2006年から北島さんのコンディショニングを担当し、ウェイトトレーニングでパワーアップされた大きな筋肉だけでなく、関節を細かく動かすことで小さな筋肉まで鍛え上げ、さらなるパワーを引き出した功労者です。現在は、「Perform Better Japan」のテクニカルディレクターとしても活躍しています。

 講演のサブテーマは、「競泳に必要な動作と身体の要素 パーツを揃えて効率よく泳ぐ」こと。競泳における3局面「スタート・泳ぐ・ターン」で必要になる筋肉を鍛える陸上トレーニングを実演しながら解説。セミナーの魅力は、モデルを使った実践トレーニングを参加者全員ですぐに体験できること。参加者が話を見聞きするだけでなく、動き方など細かい部分を確認しながら理解できるのがメリットです。

 競技のときに大切になる「スタート・ターン」と「キック」。スタート・ターンでは、スタート台や壁をしっかり蹴り出す動作が必須となり、キックでは水をしっかりとらえるための動作が重要になります。これは陸上でのトレーニングが大きく関わる部分であり、まずは「体幹の安定とは?」というテーマから実演が始まりました。

「泳ぐときにかかる水の抵抗は、空気の700倍の圧力があると言われています。だからこそ、水を蹴ったり、手でつかんで前に進むことができるんですね。それは水の圧力が高いからです。ただ、抵抗は抵抗です。考え方としては、『抵抗をいかに減らすか」が大事。そして推進力を増やすこと。これを両立させないといけません。泳ぐ姿勢がいびつだと大きな抵抗がかかります。泳いでいるときは、魚のような滑らかな姿勢がいいんです」(小泉さん)

 前に進むための推進力に必要になるのは筋力(パワー)ですが、筋肉だけを増やすと重くなってしまうので、バランスよく筋肉を鍛えることが、泳ぐために不可欠だといいます。

お腹は膨らませる? 凹ませる?

 まずは、水泳競技で話題になる「腹圧」。現在でも「お腹を膨らませて力を入れる(ブレーシング)」と「お腹を凹ませて力を入れる(ドローイン)」という2つの考え方があるそうです。常々議論になる腹圧に対し小泉さんの意見が展開されます。

「議論的には2つありますが、私としてはどちらもできた方がいいと思っています。よく体幹の安定性という話がありますが、例えば、座った姿勢で負荷を受け止める能力と、仰向けになって足を上げて止める能力は別物です。どちらも腹圧に関係しますが、力の入れ方が違うんです」(小泉さん)

 その違いを体験するために2つの実演が行われました。1つはお腹に力を入れて正座した状態で、肩を上から押されるという動作。もう1つは、仰向けに寝て片足を挙げる、キックを打つような姿勢でお腹に力が入っているかチェックしていきます。

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