インタビュー
2017年7月28日

会社員を続けながらボクシング日本王者に。仕事とトレーニング・ダイエットの両立術とは? (2/2)

――いま現在何もしていないという人であれば、何か一つ始めるだけでも摂取カロリーが減るわけですもんね。

はい。食べる量は変えずに、野菜の割合を少し増やすとか、お米を玄米にしてみるとか、すべて玄米にするのが難しければお米に玄米を少し混ぜるとか。肉を食べるときはカルビよりはロースを選んで少しでも脂質を減らす、など方法はたくさんあります。意識一つで変えられる部分なので、どんなに仕事が忙しくても関係なく始められると思いますよ。あとは生活の中で可能な限り運動を取り入れてみると良いと思いますね。

――やはり身体を動かさないと、食事を変えるだけでは難しいですかね?

そうですね。やはり運動することで基礎代謝も上がりますし、消費カロリーが増えるので、そうすれば自然と食べても良い量というのは増えますから。何か興味があるスポーツがあればそれをやるのが一番だと思います。

――特に好きなスポーツが無い場合や時間が限られている場合はやはりランニングや筋トレといったことをやるのが効果的なのでしょうか?

そうですね。誰でも手軽に始められますし、筋トレなら時間も場所も取らないので仕事との両立も比較的簡単だと思います。ただこれも、長続きしない目標を立てても辛くなってしまうだけなので、初めは少ない運動量でも良いと思います。「今日から毎日5km走ろう!」とか「腹筋を100回やろう!」とか、初めからハードルを上げすぎるとやらなくなってしまうので。

――やはり継続することが大事ですよね。

本当にそうですね。僕たちボクサーは「○月×日までに○○kgまで落とす」という明確な期日と目標値が決まっていますが、ダイエットってそういうのは無いじゃないですか。運動量を徐々に増やしていき、同時に食事の中で変えられる部分を無理なく変えていく。そうやって長期的な計画で無理なく始めて、生活習慣を整えながら徐々に体質を改善していくイメージで取り組むのが良いと思います。スポーツジムに行くとなるとわざわざ時間を作らないといけませんが、今日話したようなことは忙しい人でもすぐに始められます。身体は正直なので、少しずつ習慣を変化させていけば、時間は掛かっても自ずと引き締まってくるはずですよ。

[プロフィール]
大平剛(おおだいら・ごう)/第26代ミニマム級王者・花形ボクシングジム所属
1984年9月10日生まれ、神奈川県出身。
法政大学第二高等学校3年生の時にボクシングと出会い、法政大学在学中にライセンスを取得。大学卒業後、一度は大手化粧品メーカーに就職したが、営業の仕事に従事しながらボクシングを継続。その後トレーニング時間を確保するため、2008年に退社。スポーツメーカーが運営する直営ショップで販売員として働き始め、現在も社員として勤務している。2014年1月に行われた日本ミニマム級王座決定戦で多打魔炸獅に10回3-0で判定勝ちを収め、プロ15戦目にして悲願だった日本王座のタイトルを獲得。その後三度の防衛に成功した
【花形ボクシングジム公式サイト】http://www.hanagata-gym.com/

<Text:福田 悠/Photo:Kazuend、長田楓>

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