2021年3月30日

今年初の公式レース。意外な結末で新たに見えた課題とは?│寺田明日香の「ママ、ときどきアスリート〜for2020〜」#51 (1/2)

 みなさん、こんにちは。陸上競技の寺田明日香と申します!

 いよいよ、陸上競技の本格的なシーズンインまで、あと少しとなりました! 暖かい地域の方々は、すでに競技会に参加している方もいらっしゃいますよね。かく言う私の100mハードル初戦は、4月29日(木・祝)の「織田幹雄記念陸上」@広島となりますが、先日3月17日に行われた「日本室内陸上」@大阪に参加してきました!

 このレースは大阪城ホールで行われ、シーズンイン前の前哨戦となるレースです。走る距離はアウトドアのレースと違ってなんと60m。なので、私は60mハードルに出場しました。今回のコラムでは、そのレースの振り返りをしたいと思います。

 最後までお付き合いのほど、よろしくお願いいたします!

今度こそは「ライオンの金メダル」を目指して

 60mというと馴染みのない人もいるかもしれませんが、室内60mの記録は世界基準で公認記録として定められており、60mや60mハードルの世界記録もしっかりあります。室内の世界選手権で行われるスプリントレースはすべて60mで行われていて、日本で現在開催されている室内での代表的なレースは、今回私が出場した「日本室内陸上」のみとなっています。

 本来であれば、2月の上旬に行われるはずだったこの大会は緊急事態宣言のため延期となり、3月中旬の開催となりました。シーズンイン約1ヶ月前ということと、室内の日本選手権という位置づけのため、ワールドランキングの大会ポイントも高く、シニアトップの選手もたくさん出場していました。

 昨年私はこの種目で2位だったので、娘に「ねぇ、いつになったらライオンの金メダル持ってくるのよ?」と、きつい言葉とともに送り出してもらい、「勝ちたい」と思う気持ちも持ちつつの参加となりました(笑)。

60mハードルに挑む2つのコンセプト

 レース前、今レースでのコンセプト(やりたいこと)を高野コーチとざっくり、本当にざっくりと話した結果、「2つだけ頑張ろう、あとは諦める(笑)」と言われました。この2つのコンセプトは、冬季練習の重要ポイントでもありました。

 コンセプトの1つ目は「1台目、怖がらずに突っ込む」、2つ目は「跳ねて走る」です。

 なぜ“諦める”ことになったのかは、試合本番のハードル間「インターバル8.5m」で練習したのが昨年の10月からレース本番まで皆無だったこと。スタートダッシュの練習も鹿児島合宿と前日の練習のみだったため、練習でやっていないことはできないから“諦めろ”なのだと理解しています。私たち、いつもこんな感じです(笑)。

 ただ、練習でやっている動きであっても、確実にコントロールするには難しい場面もあります。例えば「跳ねる走り」に関しては、スプリント練習ではうまくいっていても、ハードルを跳ぶとなかなか自分の身体に落とし込めず苦戦していました。ハードル練習の中で走りに関する意識をたびたび変えながら、鹿児島合宿から少しずつ良くなってきていました。

 一方で、練習でうまくいっていても、試合になると元から染み付いている悪いクセのような動きが出てしまうことも高い確率で起こります。今レースは、「レース中にどこまで練習でできていることを再現できるか」というところも課題でした。

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