サウナの「ととのう」ってどういう状態?ととのうためのポイントとは。日本サウナ学会の医学博士に聞いてみた(後編) (2/4)
──ちなみに、サウナに入っても『ととのう』体験を実感したことがない人もいるようです。『ととのう』ためのポイントというものはあるのでしょうか。
「今のところ大きいファクターとしては、空いている施設に行くというのがおすすめです。混み過ぎているといろいろと気にしなければいけないポイントが増え、リラックスどころではなくなってしまうんですね。座るところがなかったり、水風呂が混んでいたり。サウナ室が空くのをずっと待っていて、お風呂の中でゆだってしまうとか。そういう事態を防ぐためにも、やはり空いている施設を選ぶのがいいのかなと思います。僕も空いているサウナしか行きません。よくサウナ好きがやってしまうのが、お気に入りの施設に電話をかけちゃうんですよね。今の時間どうですかと。でも、それをやってしまうと施設側は人員がとられて困ります。ホームページとかに混雑具合を載せている施設もありますが、ホームページを見るのもちょっとめんどくさいし、Twitterでいま空いているから来てくださいとツイートする施設もありますが、みんな一斉にそれを見て行くと、結局ものすごく混んでたりとか、最悪なことが起こったりします」(加藤先生)
──非常にわかります。結局、混雑を避けたくて有給をとって行ったり、朝イチで向かったり。
「そこで、サウナの混雑状況がリアルタイムで分かる『サの国』というアプリを作って無料公開しています。サウナ室内にセンサーを置いて、混み具合がリアルタイムでわかるというアプリです。こういうのを参考にしていただいて、空いているところを狙って行けばゆっくりできるので、ととのえるんじゃないかなと」(加藤先生)
加藤先生が監修した『サの国』
──神アプリが無料で! これはダウンロードしているサウナ民も多そうですね。
「空いている施設に行くというのは、コロナ対策という面でもすごく大事ですね。混んでいる施設ですと、やっぱりくしゃみやおしゃべりをする人もいるため、不安に思う人も多いと思います。適切な密度といいますか、あまり混んでいないところに行くというのがまずは大事かなと思います」(加藤先生)
──ほかに『ととのう』ために意識したいポイントはありますか?
「2点目としては、激しすぎる温度設定の施設に行かないということです。激しすぎる水風呂というのは、たとえば『シングル(グルシン)』と呼ばれる一桁台の水温のサウナを指します。これは玄人向けのセッティングで、普通のサウナで飽き足らなくなった人が行くところで、初心者がいきなり行くと体の負担が大きすぎます。フラフラになってしまい、誤ったととのうに繋がります」(加藤先生)
──やはり施設によって、初心者にもおすすめ、玄人向けなどの傾向があるのですね。
「玄人の先輩にいいところがあるからって連れて行かれて、すごくしんどい思いをして、逆に行きたくなくなってしまうという人もいます。なので、初心者はマイルドな温度、少なくとも16度以上の水温のところがよいでしょう。だいたい17~18度ぐらいがビギナーにもおすすめです。あとは、サウナ室の温度。120度、130度みたいな暑すぎるドライサウナとか、激しくロウリュしてブロワーで空気を送り込まれるとか、そういう施設は最初はおすすめできないですね。初心者は、ある程度の湿度があり、男性であれば85度~90度、女性であれば80度~85度ぐらいで、ある程度湿度のあるサウナ室を選ぶのがいいかなと思います」(加藤先生)