眠れない人は「朝夕のみそ汁」を試してみて!専門家が語る、みそ汁の快眠効果 (1/3)
なんとなく調子が悪い、よく眠れないなど、季節の変わり目は体調の変化を感じることが多くなりますね。とくに、秋冬は生活習慣病や、その入口とされる睡眠問題が増加する時期でもあります。
そんなときにおすすめしたいのが、みそ汁。
今回は、みそ汁の快眠におけるメリットと、睡眠専門医・管理栄養士が監修し、料理研究家が考案した良眠みそ汁レシピを紹介していきます。
睡眠専門医が語る、睡眠の質に大切なポイントとは
睡眠専門医で、雨晴クリニック院長の坪田聡先生によれば、質の良い睡眠に重要なのは「メラトニン」と呼ばれる睡眠ホルモン。メラトニンの分泌量が減ると、睡眠の質に悪影響がもたらされると言います。
メラトニン分泌を促すことで、なかなか寝付けない入眠障害や、夜中に何度も目が覚める中途覚醒の解消が期待できるとされています。
<プロフィール>
坪田聡(つぼた・さとる)
雨晴クリニック院長、日本睡眠学会所属医師。睡眠専門医、医学博士。日本睡眠学会所属。医師として診療に当たるうちに、睡眠障害がほかの病気の発症や経過に深く関係していることに気づき、高齢者を中心に睡眠障害の治療を開始。その後、治療から予防に重点をシフトし、「快眠で健康な生活を送ろう」というコンセプトのもと、睡眠の質を向上させるための指導や普及に尽力。著書『専門医が教える毎日ぐっすり眠れる5つの習慣』(三笠書房)、『睡眠は50歳から「老化」する』、『朝の「二度寝」でストレスが消える!』など多数。
睡眠不足によるデメリットは数多くある
睡眠不足はイライラや疲労をもたらすだけではありません。
睡眠不足の人は食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌が減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリン分泌が増加します。
これによりつい食べ過ぎてしまうことで肥満に繋がり、糖尿病、高血圧、脂質異常症など「生活習慣病」に繋がるそう。
つまり、睡眠の質を高めることこそが生活習慣病の予防につながるというわけです。
不眠対策に「みそ汁」という選択肢
坪田先生が不眠対策におすすめするのが「みそ汁」。
味噌にはメラトニンの素となる栄養成分のトリプトファンが豊富に含まれるほか、さまざまな具材を入れることで、食材に含まれる栄養素が一度に摂取できることが魅力だと言います。
不眠対策のためには、みそ汁は「朝夕で食べる」のが理想的とのこと。トリプトファンは14時間前後でメラトニンに変化するため、朝食でみそ汁を食べると夜までに十分な量のメラトニンが生成され、睡眠の質を高めることに繋がるのだとか。
また、人間の身体は体温が上がるときに目覚め、下がってくると眠くなる仕組みのため、夕飯にいただく温かいみそ汁によって上がった体温が手足から放熱され、自然な入眠に繋がりやすくなると述べています。
続いて、管理栄養士の視点から見た、みそ汁の快眠効果を探っていきます。