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疲労回復には“芍薬甘草湯”、ストレスには“半夏厚朴湯”。専門家に聞いた「スポーツと漢方」 (1/2)

 スポーツをしていると、体が疲れる、骨を痛めた、試合のプレッシャーに落しつぶされそう……など、さまざまな悩みに直面します。その悩み、漢方で治すという手もあるそう。漢方とスポーツの関係をリサーチする本企画。前回に続き、今回は「体作り」という観点から、漢方薬について考えます。

前回:筋肉痛には“芍薬甘草湯”、関節痛には“疎経活血湯”。専門家に聞いた「スポーツと漢方」

 お話をうかがったのは、中国の上海中医薬大学で中医学を学んだのち、漢方薬局での漢方相談や、漢方セミナー講師の経歴を持つ、クラシエ製薬・居原田耕平さんです。

漢方において「体作り」は「気」を増やすこと

▲取材に応えてくださったクラシエ製薬・居原田耕平さん

 今回のテーマである「体作り」は、「疲労」と密接な関係があります。

「痛み」は、自分で誤魔化したり、我慢したりするのはなかなか難しく、何らかの対処が必要になりますが、「疲労」の場合、人間はこれを脳の働きで誤魔化したり、ないものにしたりすることができるそうです。しかし実際には、疲労はたまっており、体を動かす力や何かをする気力もなくなってきます。

 漢方では、疲労を「気」の流れが悪い、「気」が足りない状態と考えています。「気」とは、人間の目、鼻、口、皮膚などを通じて外界と出入りし、体内では血液と同じく循環する、目に見えないが体を支えるすべての原動力です。病気は気の異常や、気の停滞から起こると、古くから考えられてきました。したがって、漢方で「体作り」を考えるとすれば、「気」を増やすこと、と言い換えられるのではないかと思います。

抵抗力をつけて疲労回復を促す「補中益気湯」

 その名もズバリ「気」を「益す(ます)」と書くのが「補中益気湯」(ほちゅうえきとう)という漢方薬です。

 「補中」の「中」は、漢方で人間の体をつかさどる「五臓」のうちの「脾(ひ)」(お腹=胃腸周辺)を指します。「脾」は、食べ物の消化吸収と、食べ物の栄養素を体内の「気」と結びつける働きをしていますので、「補中益気湯」は「脾」の働きを助けて「気」を増やす薬ということですね。実際「補中益気湯」を飲みますと、胃腸の運動がよくなって、食べ物が食べられるようになります。食べ物の栄養から、体を動かすエネルギーである「気」を作ってくれて、病気に対する抵抗力が上がり、疲労回復につながっていきます。

▲配合されている生薬のひとつ「人参(にんじん)」

 ちなみに私は以前、花粉症だったのですが「補中益気湯」を2か月ほど飲んで、花粉症がなくなりました。もちろん各人の体の状態を見なければ、一概に、この薬がいいとはいえないのが漢方ですが、私の場合は「補中益気湯」で体の抵抗力が上がりました。

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