
男女別!腰痛の原因になりやすいNG生活習慣と改善ポイント
- 健康
- 2022年11月30日
腰痛は、肩こりと並んで国民病の代表と言われるほど、男女ともに多いお悩み症状です。
厚生労働省による「国民生活基礎調査(2019年)」によれば、ケガや病気などの自覚症状のうち、「腰痛」は男性の1位、女性の2位となっています(※1)。
腰痛の原因はさまざまです。厚生労働省の「DK_安全衛生対策2013 腰痛対策」によると、腰痛で病院を訪れる約85%は原因不明となっています(※2)。
そのなかでも、今回は原因が特定できる腰痛について、腰痛の男女別のメカニズムとそれぞれの対策方法をご紹介します。
正しい対処法を取り入れることで、つらい痛みの予防や改善に役立つ可能性があります。
<参考文献>
(※1)厚生労働省「国民生活基礎調査(2019年)
02 19結果の概要(3健康0525) (mhlw.go.jp)
(※2)厚生労働省「DK_安全衛生対策2013 腰痛対策」
1911-1_2d_0001.pdf (mhlw.go.jp)
<この記事を書いた人>
古城美季(こじょう・みき)
ヨガインストラクター・ライター。2015年にRYT200(全米ヨガアライアンス認定)を修了し、3000時間以上の指導歴と、インストラクターのトレーナーとしての経験を持つ。ひとりひとりの心と身体に合わせたパーソナルなレッスンが得意。現在は、自分に適した漢方薬を、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」などで兼業ライターとしても活躍。ヨガと言葉を通して「心身の健康」や「心豊かな暮らし」のサポートができるよう心掛けている。
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腰痛の原因は男女で変わる
原因が特定できていない慢性的な腰痛が多いなか、原因が特定できる代表的な腰痛としては、ぎっくり腰や坐骨神経痛、椎間板ヘルニアなどがあります。
ここでは、腰痛の原因を男性と女性それぞれのメカニズムから説明します。
男性と女性では、骨格や筋肉量など体の構造のほか、それぞれの性質や生活習慣に違いがあるため、腰痛を引き起こすメカニズムが異なると考えられます。
男性に多い腰痛のメカニズム
腰痛を引き起こす「椎間板ヘルニア」は、比較的若い男性に多いといわれます。また、原因が特定できていない慢性的な腰痛も多いとされています。
これらの原因のひとつとされているのが、男女で違う「骨格」です。男性の骨盤の形と、肋骨弓の角度がやや広くなっている形状が、腰痛になりやすい要因のひとつでもあります。
内臓脂肪がつくと肋骨の下からお腹がせり出し、反り腰の姿勢になりやすいので、腰に負担がかかり痛みが生じるのです。
加えて、力仕事や激しいスポーツなどで物理的に腰に負担がかかることも、男性の腰痛の原因になります。
女性の腰痛のメカニズム
女性の腰痛には、生理や妊娠、出産、ホルモンバランスの乱れなど、女性特有の原因が挙げられます。
生理痛は、子宮の収縮により腹部や腰部に痛みが生じます。また、妊娠中は大きなおなかを支えるため反り腰の姿勢になりやすく、腰に負担がかかり、腰痛につながると考えられます。
さらに、家事や育児で無理な姿勢が続くことや、ハイヒールを履く習慣なども腰痛を引き起こす要因になります。
加えて、女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、姿勢を保持する筋力が低下することにより、腰に負担がかかりやすくなります。
筋肉量が少ないと血流が滞りやすいので、冷えからくる腰痛も女性に多い原因といえるでしょう。
【男女別】腰痛の予防と対策
腰痛の原因に男女の違いがあるように、予防や対策も異なります。
男性の腰痛対策
男性は骨格の特徴から腰痛のリスクがあることを理解し、筋肉の柔軟性を高めて、姿勢や動作パフォーマンスを改善することが大事です。そのため、以下が腰痛対策として役立ちます。
- ストレッチなどで筋肉の柔軟性を高める
- 股関節の柔軟性を高めて日常の動作パフォーマンスを高める
- 体幹トレーニングで内臓脂肪の蓄積を予防する
- 正しい姿勢を意識する
- 長時間、同じ姿勢にならないようにこまめに動く
- 前かがみの姿勢で重たいものを持たない。重たいものを持つときは、腰を落としておなかに力を入れた
- パワーポジションで行う
- 力仕事やスポーツなどで反動を使って動かない
- 力仕事や激しい運動をした日はゆっくりお風呂に浸かるなど、筋肉疲労の回復を促す
- 仕事以外で趣味を持つなど、ストレス解消法を持っておく
女性の腰痛対策
女性は、ホルモンバランスによる女性特有の症状があることを理解し、生活スタイルに合わせたケアをするほか、腰の負担を軽減するために体質改善をすることが大事です。そのため、以下が腰痛対策として役立ちます。
- 適度な運動で筋力を高める。とくに下半身の筋肉を鍛える
- 体幹トレーニングなどでインナーマッスルを鍛える
- 服装や空調などで、体を冷やさない工夫をする。とくにお腹や腰まわりを温めて骨盤内の血行をよくする
- ハイヒールを履く回数を控える
- 長時間、同じ姿勢にならないようにこまめに動く
- 正しい姿勢を意識する
- 冷え性の自覚がある方は、温かいお風呂に浸かる習慣を持つ
- リラックスする時間を持つ
慢性的な腰痛には漢方薬もおすすめ
慢性的なつらい腰痛には、漢方薬を取り入れたケアもおすすめです。
漢方の世界では、腰痛は、血行不良や冷え、ストレス、加齢や体力の低下、悪い姿勢などによって腰や背中の筋肉が緊張し、硬くなってしまい、神経が刺激されることが原因と考えられています。
腰痛の改善には「血流をよくして痛みを改善する」「体を温めて筋肉をゆるめる」「自律神経を整えて心因性の痛みを和らげる」「加齢による体力の衰えを補い、痛みを和らげる」「全身に栄養を届け、関節や筋肉の機能を回復する」といった働きのある生薬を含む漢方薬を選びます。
漢方薬は、腰痛の原因にアプローチして根本からの改善を目指すことで、心身をより健康な状態に導きます。そのため、今起こっている症状の改善だけでなく、腰痛の予防にも役立ちます。
また、自然の生薬でできた漢方薬は、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないとされている点もポイントです。
ここでは、腰痛でお悩みの方におすすめの漢方薬をご紹介します。
腰痛でお悩みの方におすすめの漢方薬
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
不足した「気(き)」「血(けつ)」を補い、停滞した「水」の流れを改善し、痛みとしびれを取り去ります。腰痛をはじめ、関節痛や神経痛、筋肉痛など、幅広い痛みに使われます。
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
「腎(じん)」を補うことで腰の冷えを取り去り痛みに働きかけます。排尿障害、腰から下の冷えやしびれ、腰痛、脚のむくみなどに使われます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体内の「血」を補い、余分な水分を取り去ることで、痛みに働きかけます。腰痛の他、婦人科系疾患、むくみ、貧血症状にも用いられます。
ただし、漢方薬を選ぶときは、その人の状態や体質に合っているものを選ぶことが重要です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
漢方に詳しい薬剤師が一人ひとりに効く漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅まで郵送してくれます。
<Edit:編集部/Photo:Gettyimages>