冬のメンタルケアに「バナナ」がいい理由
以前、「冬季うつ」についてご紹介しましたが、今回は冬季うつと関係が深い「セロトニン」という成分にフォーカス。
セロトニンを促す方法はいくつかありますが、バランスの良い食事もそのひとつ。とくに3つの栄養素が重要だと言います。
「冬季うつ」をおさらい!
「冬季うつ」は、冬の気候などが原因で起きる「うつ症状」のこと。日照量の減少が大きく関わっているとされています。
冬になって日が短くなると、人間の脳の中にある神経伝達物質「セロトニン」の分泌量が低下します。これにより、体内時計を調整するホルモンが乱れ、不安やうつ、パニック症状などの精神状態を引き起こすと言われています。
寝ても寝足りない、異様にお布団から出たくない、なんだか落ち込む……以下のポイントに3つ以上当てはまる人は、「冬季うつ予備軍」の可能性があります。
冬季うつ予備軍チェックリスト
- 甘いものが無性に食べたくなる
- しっかり寝たはずなのに、日中眠い
- とくに午前中は調子が良くない
- やる気が起きず、布団から出たくない
- 最近、食欲がまして体重が増えた
- 寒くなってから、睡眠時間が増えた
- 気持ちが落ち込み、何も楽しいと思えない
チェックリストの中から、3つ以上当てはまったら「冬季うつ予備軍」と言えるそうです。
食事から行う「冬季うつ」対策
「冬季うつ」は、体内時計を調整するホルモンの乱れによるものなので、それを戻してあげるのがポイント。
朝シャワーを浴びる、朝起きて太陽の光をたっぷり浴びる、有酸素運動など、セロトニン分泌を促す方法はいくつかありますが、管理栄養士の渥美まゆ美さんによると、セロトニンを作るためには体内で作ることができない必須アミノ酸のひとつ「トリプトファン」と「ビタミンB6」、そして「炭水化物」の3つが必要不可欠になるそう。
これらの3つをバランスよく含む食べ物が「バナナ」です。
バナナに含まれる栄養素で、効率的にセロトニンを生成
バナナは100g中15mgのトリプトファンを含有しています。セロトニンの材料として必要なトリプトファン、ビタミンB6、炭水化物のすべてを含んでおり、効率的にセロトニンを生成します。
なお、セロトニンが分泌されると、睡眠を促すホルモンであるメラトニンが作られるので、眠りの質も高まるという嬉しいサイクルが。
よく眠れないときは、おやつにバナナをいただくのもよさそうですね。
ちなみにバナナは冷凍保存も可能です。皮を剥き、ジップロックなどに入れて冷凍保存をしておけば、いつでも簡単に食べることができます。ジップロックに入れ、手のひらでつぶしておくのもおすすめです。
半解凍でそのまま食べたり、デザートなどに活用するとよいでしょう。解凍しすぎると水分が出たり褐変するので注意!
関連記事:バナナの栄養と効果|毎日食べると太る?カロリーや糖質は?ダイエットや筋トレ食材としてどう?[管理栄養士監修]
渥美まゆ美(あつみ・まゆみ)
管理栄養士/フードコーディネーター。メニュー開発、商品開発、出版、メディア出演、イベント出演、食プロデュースやさまざまな企業の健康セミナーなど、「美味しい食事を楽しみながら元気でいること」をモットーに活動中。『世界一ラクチンな栄養ごはん』(西東社)など、出版実績も多数。
<Text:編集部>