きのこの食べ過ぎは「体に害」?どれくらい食べるとダメなのか[管理栄養士監修] (2/2)
きのこの食べ過ぎで気持ち悪いときの対処法
きのこの食べ過ぎで気持ち悪くなる人もいます。なぜでしょうか。その原因は2つあります。
- 消化しきれず、胃や腸に負担がかかっている
- しっかりと加熱できていなかった
きのこを加熱せずに食べると、「キチン質」という多糖類の一種によって消化が阻まれることがあります。そのため、気持ち悪くなったり吐き気をもよおしたりすることがあります。
また、生食は食中毒の危険性もあるので、きのこは必ず加熱調理しましょう。
きのこの食べ過ぎで気持ち悪くなったら、胃薬を飲むとよい
気持ち悪くなったら、固形物の摂取を避け、胃を休めてあげましょう。吐き気がひどい際には、胃薬を使用して症状を緩和するのも良いでしょう。
嘔吐してしまった場合は、脱水を避けるために水分を摂るのも忘れずに。
気持ち悪さや吐き気は、通常、時間の経過とともに和らぐはずです。症状が持続する場合や重篤化する場合は、医療機関で治療を受けてください。
きのこの食べ過ぎで胃痛がするときの対処法
また、きのこの食べ過ぎで胃痛が起こることも。その原因はおもに以下があります。
- 消化しきれず、胃や腸に負担がかかっている
- 有毒なきのこを摂取してしまった
きのこは食物繊維を多く含むため、食べ過ぎると消化しきれないことがあります。また、有毒なきのこを食べてしまった場合、すぐに医療機関で診てもらってください。
きのこの食べ過ぎで胃痛が起こったら、普段の食事はおやすみ。消化しやすいものを食べる
しばらくの間は消化しやすい食事(うどんやおかゆ)を摂りましょう。脂っこい食べ物は、胃に負担がかかるので控えるのが無難です。
胃痛が治るまで、横になり、胃にプレッシャーがかからない体勢で休みましょう。
症状が続く場合や重篤な場合には、医療機関で診てもらってください。
きのこ食べ過ぎのラインはどれくらい?
きのこの食べ過ぎについて、さまざまな角度からお届けしました。ここでひとつ疑問が。きのこはどこからが食べ過ぎラインなのでしょうか。
1食で200g〜300g以上は食べ過ぎ
一般的な目安として、1食で200g〜300g以上のきのこを摂取することは、「食べ過ぎ」と判断できます。これは、小ぶりのしいたけ(1個15g)13個~20個に相当します。
しかし、個人の消化系の状態や耐性・きのこの種類・調理方法によって、食べ過ぎのラインは大きく変動します。そのためあくまでも上記は目安としてお考えください。
きのこの1日の摂取量目安
きのこの摂取目安量というのは、設定されていません。しかし、きのこに多く含まれる「食物繊維」の目標摂取量は、厚生労働省が発表しています。
- 男性:21g以上
- 女性:18g以上
この目標摂取量をクリアするために、きのこを50~100g(しめじ・エリンギなどであれば約1パック分)ほど食べると良いでしょう。不足分は野菜などから補ってください。
▼参考
日本人の食事摂取基準(2020 年版) - 厚生労働省
食物繊維の必要性と健康 - 厚生労働省
不思議がいっぱい!きのこの生態と豆知識 – 農林水産省
監修者プロフィール
たいや内科クリニック
管理栄養士 林 安津美(はやし あつみ)さん
大学卒業後、JAあいち厚生連で37年にわたり病院の管理栄養士として勤務。その間、豊田厚生病院・安城更生病院の技師長として17年間在籍。2022年5月よりたいや内科クリニックへ入職。病態栄養専門管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・腎臓病療養指導士・がん病態栄養専門管理栄養士・和漢薬膳師等の資格を活かし、患者さんの思いを聴き・応え、患者目線でテーラーメイドの医療を届けるよう心掛けている。
<Text:編集部>