2024年1月15日

免疫力アップにおすすめの「身近な飲み物」とは (2/2)

腸を整えて免疫力アップをサポート「フルーツヨーグルト」

腸内環境が乱れると、自律神経のバランスが崩れ、免疫機能も正常に働かなくなります。乳酸菌で腸内細菌叢のバランスを整えることは、免疫バランスに寄与すると考えられます。

乳酸菌はチーズやヨーグルトに含まれており、食物繊維たっぷりのフルーツやユーグレナと食べ合わせても効果的です。ユーグレナは乳酸菌の働きを活性化することがわかっています。

免疫バランスの向上に「いかのカレー炒め」

牡蠣やしじみ、あさりなどの貝類や、たこ、いかなどの軟体動物に多く含まれている「タウリン」。アミノ酸の1種で、肉類、乳製品、魚介類に多く含まれています。

タウリンには以下の働きがあります。

  • 自然免疫の役割を果たす好中球の殺菌作用を強化
  • 異物を記憶して再び体内に異物が侵入した時に攻撃する免疫細胞「T細胞」の増殖や機能向上
  • B細胞を活性化させ、抗体の産生を促すことで免疫バランスを向上

中でもいかのカレー炒めは、カレーの香辛料「ターメリック」に含まれるクルクミンという栄養素が肝機能を強化し、解毒作用や食べ物の消化能力の維持に役立ちます。

免疫細胞の働きをサポート「豚肉と長ネギ炒め」

摂取した栄養素の働きを円滑にさせるためには、「補酵素(英語では「コエンザイム」)と言われる成分たちが必要です。それにあたるのがビタミン類です。

ビタミンB

ビタミンBは、食べ物をエネルギーとして代謝し、活動のためのエネルギーを作る栄養素です。また、免疫細胞のもとになる免疫グロブリン(「抗体」の機能を持つたんぱく質)は、ビタミンB群がないと作ることができません。

ビタミンBは、豚肉やレバー、アボカド、バナナなどに豊富に含まれています。

ビタミンBは茹でるのではなく焼く

ビタミンB群は水溶性なので茹でると水に流れでてしまい、豚肉は茹でるとビタミンB1が50%以上流れ出てしまうと言われます。そのため「焼く」がおすすめ。

さらに、豚肉は長ネギやニラと一緒に食べるとパワーアップ! 長ネギやニラに含まれるアリシンという成分がビタミンB1の吸収率を高めてくれると言われています。

ビタミンA

皮膚や粘膜を作り、健康維持するのに役立つ栄養素です。

皮膚や粘膜が健康であることで、ウイルスの第一関門である体表面におけるウイルス侵入を防ぐことにもつながり、結果としてウイルスと戦う免疫機能への負担も減ります。

ビタミンAは、レバーや緑黄色野菜に豊富に含まれています。ビタミンAは脂溶性なので、油で炒めたり、オイルの入ったドレッシングをかけたりすると吸収率が高まります。

ビタミンC

細胞同士をつなげる結合たんぱく質「コラーゲン」の生成に必須の栄養素です。攻撃された細胞の炎症を抑え、免疫機能の抵抗力を上げることにつながります。

ビタミンCはブロッコリー、ピーマン、小松菜などの野菜に豊富ですが、野菜が苦手な人はキウイフルーツやみかんなどのフルーツから摂ると良いでしょう。

ビタミンCは1日3回に分けてこまめに摂るのがおすすめ。一気に食べても、必要量以上のものは尿で出て行ってしまいます。

ビタミンE

体内の脂の部分の抗酸化に役立つビタミンEは、血管を丈夫にしなやかにし、血流促進に役立ちます。

血流がスムーズになると臓器に栄養や酸素が行き渡るので、免疫細胞を作る肝臓や骨髄などの臓器も活性化し、免疫機能の正常化につながります。

ビタミンEは、オリーブオイル、卵、アーモンドなどに豊富に含まれます。ビタミンCと合わせて摂ると、ビタミンEの抗酸化作用を長持ちさせてくれます。

プロフィール監修

栄養管理士 濱裕宣先生 東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 部長


『その調理、9割の栄養捨ててます!』や、レシピ本『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』など多数の栄養、健康レシピ本にかかわる。

<Edit:編集部>

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