「ブルーライトカットメガネは意味ない」ってホント?眼科専門医の見解は… (2/2)
ブルーライトカットメガネをつけたほうがいい人、つけないほうがいい人
「小児」はつけなくてもいい
まず、ブルーライトカットメガネを使ってはいけないとされているのは「小児(2歳から11歳まで)」です。
小児に対してブルーライトカットをするべき明確な根拠のある研究がないこと、成長期に偏った光の浴び方をすることで何らかの不利益が出る可能性があることから、小児でのブルーライトカットメガネは使わないことを推奨されています。
これは日本では日本眼科学会、小児眼科学会など7学会が共同声明を出しており(※3)、アメリカでも同様に使うべきでないとしています。
(※3)出典:小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見
https://www.gankaikai.or.jp/info/20210414_bluelight.pdf
夜にパソコンやスマホを見る仕事の人、睡眠に悩みを持つ人はつけてみてもよい
ブルーライトカットメガネを使うべき方を決めるのは難しいですが、先ほどお話しした通り、夜間に画面を見る仕事を続ける必要がある人は使ってもよいでしょう。
また、不眠だったり、朝が起きられない、なんとなく元気が出ないといった不調を感じておられる方は、ブルーライトの影響を見直してみるのも良いかもしれません。
ブルーライトをカットする有効な手段とは
ブルーライトの影響は画面から来ると考えると、もっとも有効な手段は「夜間は画面を見ない」ということにつきます。
そもそも眼精疲労の観点から夜間にディスプレイに向かうのは負担が蓄積しますし、仕事でどうしても、という人以外は、眼鏡を使うよりそもそも画面から離れるほうが良いかもしれません。
著者プロフィール
岩見久司先生
医療法人社団久視会いわみ眼科理事長、眼科専門医、医学博士、兵庫医科大学非常勤講師。大阪市立大学医学部卒。1日100人を超す外来をこなしながら、若手医師の教育や医師・医療関係者向けの講演も頻繁に行っている。加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などを得意とする網膜内科医。網膜の病気に将来繋がっていく可能性のある小児の近視が現在急増しており、近視治療にも積極的に取り組んでいる。令和5年度より、「100歳まで見える目」をたくさんの方が持てるように啓蒙活動を展開している。
いわみ眼科ホームページ https://iwami-eyeclinic.com
<Edit:編集部>