【湿布の種類と成分】温湿布と冷湿布、なにが違う?効果的な使い方は? (2/3)
2.プラスター剤(テープ剤)
薄く肌色の湿布がプラスター剤です。四角やテープ状など貼りやすい形になっており、皮膚との密着性が高くなっています。そのため、よく動く関節や筋肉に貼っても剥がれ落ちる心配がほとんどありません。
プラスター剤に含まれている成分には、インドメタシンやジクロフェナクなどの鎮痛効果が高い成分が多く、第二世代の湿布はほとんどがこのプラスター剤です。長時間の使用が可能な反面、密着性が強く剥がすときに皮膚を傷めたり、長時間の使用によって皮膚にかゆみやかぶれなどを引き起こす場合があります。
湿布の使い分けについて
これらの特徴を踏まえ、湿布を使い分けると効果がさらに高まります。以下の方法についても、ぜひチェックしてみてください。
急性のケガの場合は“冷湿布”
スポーツ中のケガや捻挫、打撲、ぎっくり腰などの急性のケガの場合、患部が炎症することによって熱を持って腫れたり、赤みを帯びてきます。炎症が広がると痛みが強くなり、治るのに時間がかかるため、まずはアイシングで一刻も早く患部を冷やし、炎症を抑えることが重要です。
急性のケガの場合は“冷湿布”を使って患部の炎症を抑え、熱を下げることが効果的な治療法です。温湿布や第二世代の湿布には、冷やす効果がないため適していません。炎症が収まる1週間程度は冷湿布を施しましょう。
アイシングの目的は、血行を悪くさせることです。「血行を悪くさせるとよくないのでは?」と思う人がいるかもしれませんが、ケガは筋肉や靭帯、腱などの組織の損傷によって炎症を起こします。血流が良いとどんどん炎症が広がってしまい、痛む範囲が広くなったり腫れがひどくなったりなど、炎症が引くまでの時間が長くなってしまうのです。
そのため、アイシングによって血行を悪くさせ、炎症を最小限にとどめられるようになります。また、神経の働きを抑え、痛みを感じにくくさせるという効果も期待できる処置です。
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慢性的な痛みの場合は“温湿布”や“第二世代の湿布”
慢性的な痛みの場合、血行の悪さや筋肉の緊張が原因となって痛みを引き起こします。その際に効果的なのは、“温湿布”や“第二世代の湿布”です。
温湿布のカプサイシンは血行を促進し、慢性痛の症状を改善させます。また、第二世代に含まれている鎮痛成分も痛みを和らげてくれるでしょう。慢性的な痛みの場合、冷湿布を使用すると冷え感によって痛みを増幅させてしまう場合があるので注意してください。