
酢納豆の効果と作り方。ダイエットにいい食べ方は?毎日食べると痩せる?[管理栄養士監修] (2/4)
体のもととなるタンパク質
納豆は高タンパク質食材で、1パック(40g)で6.6gのタンパク質を含みます。タンパク質は筋肉はもちろん、皮ふや骨、血管、血液、ホルモンなどの材料になる栄養素です。
タンパク質が不足すると、基礎代謝の低下や肌荒れなどの不調につながります。
腸内環境を整える食物繊維
納豆は食物繊維を豊富に含みます。
食物繊維は消化・吸収されずに腸まで届く成分です。水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維があり、納豆には両方が含まれます。
- 水溶性食物繊維・・・体内で水分と結合することにより、食べ物の粘性を高め、胃腸内の移動をゆっくりにします。さらに、善玉菌の増殖を促進する働きもあるのが特徴です
- 不溶性食物繊維・・・腸を刺激して排便を促す整腸作用があります
どちらも腸内環境を整えるために役立ちます。
水溶性 | 不溶性 | |
はたらき | ・便を軟らかくして排便を促す ・食後の血糖値上昇をゆるやかにする ・腸内環境を整える |
・腸の動きを活発化させる ・便のカサを増やして排便を促す ・腸内環境を整える |
食材例 | ・海藻類 ・果物 ・やまいも ・オクラ など |
・穀類 ・根菜類 ・豆類 ・きのこ類 ・果実 など |
ビタミン
ビタミンは体の機能を正常に保つのに欠かせない成分で、全部で13種類あります。これらのほとんどは体内で合成することができないため、食事から摂取する必要があります。
納豆には以下のビタミンが含まれています。
- ビタミンK・・・カルシウムが骨に沈着するのを助け、骨を強くします
- ビタミンE・・・強力な抗酸化作用を持ち、脂質の酸化を防ぎます
また、酢に含まれる以下の栄養素にも注目です。
- ナイアシン(ビタミンB3)・・・炭水化物、脂質、タンパク質の代謝に関与し、エネルギー代謝を助けます
- パントテン酸(ビタミンB5)・・・ホルモンの合成に不可欠なビタミンで、ストレスホルモンや性ホルモンの生成に関与しています
納豆酢にはビタミン類が豊富に含まれているため、不足しがちなビタミンを補うのに役立ちます。
ミネラル
ミネラルは体を構成する成分で、日本人の食事摂取基準(2020年版)では、14種類に摂取基準が設けられています。代表的なものでは、鉄やマグネシウム、リン、カルシウムなどが挙げられます。
納豆に含まれるミネラルとして、以下があります。
- 鉄・・・血液中で酸素の供給と二酸化炭素の回収に関わります
- マグネシウム・・・筋肉の合成に欠かせません
- リン、カルシウム・・・骨や歯の発達にも必要な栄養素です
酢納豆で期待できる効果とは。ダイエットや腸内環境を整えるサポート
さまざまな栄養素が摂れる酢納豆ですが、具体的にはどのような効果が期待できるのでしょうか。酢納豆の健康、美容効果をみてみましょう。
糖質・脂質の吸収を抑制する
納豆に含まれる食物繊維は糖と一緒に摂ると吸収が穏やかになり、血糖値の急上昇を抑えるのに効果的です。また、食物繊維は余剰な脂質を吸着して排出する働きもあります。
さらに、酢には食後血糖値の上昇を穏やかにするとの論文もあります(※)。
鉄分やカルシウムの吸収率がアップする
酢に含まれるクエン酸は、鉄やカルシウム、マグネシウムなどのミネラルの吸収を助ける働きがあります。
食べ物に含まれる栄養素は、「食べた=吸収した」ではありません。ミネラルは吸収率が25%〜30%といわれており、意識的に摂るだけでなく、より多く吸収できるようにすることも重要です。
納豆に酢を加えることで、納豆に含まれるミネラルの吸収率のアップが期待できます。
腸内環境を整え、便通を改善する
納豆に含まれる食物繊維は以下の働きをしてくれます。
- 腸管を刺激してぜん動運動を促したり、便のカサを増やしたりすることで排便をサポート
- 腸内の善玉菌に働きかけ腸内環境を改善し、便の腐敗を防ぐ
ちなみに、酢にも善玉菌を増やす働きがあります。
善玉菌は、悪玉菌の増殖を抑えて腸の活動を活発にさせる働きをもっています。善玉菌を増やすことで腸内環境が整い、便通が改善されるのです。
肌質を改善する
エネルギー代謝や栄養素の吸収率が高まり、肌の新陳代謝が活性化することで、肌質の改善が期待できます。
腸内環境が悪いと腸内で有害物質が発生しやすくなり、血液を介して肌まで届けられ、肌荒れの原因になる場合があります。納豆に含まれる食物繊維のおかげで腸内環境が改善すると、結果的に肌質の改善も期待できるというわけです。
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