ウェルネスフード
2023年11月22日

プロテイン初心者は「たんぱく質量・コスパ・おいしい味か」をチェック

筋トレやダイエット中の人は、栄養やたんぱく質不足を補うためにプロテインドリンクを飲んでいる人も多いことでしょう。しかし、ホエイやソイ、カゼインなど種類が多いうえにメーカーも効果別ごとに商品を展開しているため、どれを選べばいいのかよく分からない。そんな悩みをよく聞きます。

今回は初心者向けに、プロテインの種類と選び方を紹介します。

プロテインとは「タンパク質」のこと

プロテインと聞くと、「ムキムキになるサプリメント」「筋肉を増やすための薬」といったイメージをお持ちの方が多いようです。

しかしプロテインとは、皆さんが普段食事から摂取している三大栄養素のひとつ『たんぱく質』のこと。たんぱく質は筋肉だけでなく、皮膚や髪の毛、爪などをはじめとしたカラダの材料となり、酵素や免疫力の働きにも大きく関わるなど、人間にとって欠かせない栄養素です。

プロテインを摂取する目的は、ほとんどが筋肉を増やす、または維持することにあります。筋肉の元となるたんぱく質を多く摂取することで、筋肉を効率よく増やすことができるのです。

タンパク質とは

人のカラダの大部分(約60%)が水分であるということは有名ですが、水分の次に多い成分がたんぱく質(約15~20%)です。水分を除くとカラダの約80%を占めます。

たんぱく質は、アミノ酸20種類のさまざまな組み合わせでできています。骨、皮膚、筋肉などでカラダを構成し、ホルモンや酵素、免疫細胞などでカラダの機能をサポートします。さらに感覚(視覚、触覚、味覚など)の感知や伝達にも関与しています。

[引用元]たんぱく質とはなにか。どんな働きをして、不足するとどうなる?1日の摂取量目安も解説│管理栄養士の食トレ学

タンパク質はどのくらい摂ればいい? 一日の摂取量

なにも運動していない人

体重1kgあたり0.8~0.9g(体重60㎏の人なら48~54g)

フィットネスなど軽い運動をしている人

体重1kgあたり1.2~1.5g(体重60㎏の人なら72~90g)

筋肉をつけたい人/体重を増やしたい人

体重1kgあたり2gが必要摂取量(体重60㎏の人なら120g)

プロテインでタンパク質を摂取する場合

食品ではなくプロテインドリンクでタンパク質を摂る場合、効率よく吸収できるよう、以下も覚えておきましょう。

・肝臓や腎臓に負担がかかってしまうため、一度にプロテインを大量に飲むのはNG
・1回あたりの食事やプロテインでのタンパク質摂取は20~30gが目安

タンパク質ってどれくらい摂ればいい?1日に必要なタンパク質量の目安とは

食事でうまく補えるのが一番ですが、食事だけでタンパク質を摂ろうとするのはなかなか大変。

しかも、糖質や脂質も一緒にとってしまうことも多いため、毎日の食事管理においてはプロテインドリンクも選択肢のひとつです。

プロテインの種類と特徴

タンパク質補給として手軽なのが、プロテインドリンク。一般的に販売されているプロテインには、大きく分けて3つの種類があります。

ホエイプロテイン

ホエイプロテインは牛乳から作られているプロテインです。吸収速度が速いことが特徴で、筋肉づくりに効果が高いとされます。そのため、一般的に販売されている多くの商品はこのホエイプロテインです。

カゼインプロテイン

カゼインプロテインも、ホエイプロテインと同様に牛乳から作られるプロテインです。吸収速度がゆっくりしており、腹持ちが良いためダイエット時に多く活用されます。

ソイプロテイン

ソイプロテインは大豆から作られています。大豆に含まれるイソフラボンが摂取できるため、女性向けに作られるプロテインの多くはソイプロテインです。

食物繊維が豊富なため吸収速度がゆっくりで、ダイエットにも活用されます。

関連記事:ホエイ、カゼイン、ソイ……どの種類のプロテインを、いつ飲めば効果的?専門家が解説

プロテインを買うときのチェックポイント

たんぱく質含有率を見る

プロテインで効率よくたんぱく質を摂るためには、“たんぱく質含有率”を確認してみましょう。たんぱく質含有率とは、摂取したプロテイン量の中にどのくらいたんぱく質が含まれているかを表した数値。

たとえばたんぱく質含有率が80%の場合、100gプロテインを摂取したら80gのたんぱく質が摂れるということです。

つまりたんぱく質含有率が高ければ、少ない摂取量でも多くのたんぱく質が摂れるということになります。

継続して買い続けられる値段か

プロテインも食品です。数回飲んだだけで、すぐに効果が現れるわけではありません。継続して摂取し続けるためには、やはり値段も重要でしょう。

最近では、ドラッグストアやスポーツショップだけでなく、インターネットなどで安いプロテインが販売されています。

安い商品は質が悪いというイメージをお持ちの方がいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。たんぱく質含有率と値段からたんぱく質1gあたりの値段を計算して、コストパフォーマンスの高い商品を探すとよいでしょう。

毎日飲んでも問題ない味か

値段同様、飲み続けるために重要なのが“味”です。最近は美味しい商品が多く販売されていますが、それでも好みによって好き嫌いはあるでしょう。

味ばかりは、やはり飲んでみないと分かりません。気になった商品があれば、初めは内容量の少ないものを購入して味を確かめてみましょう。

牛乳でお腹を壊しやすい人はWPI製法を選ぶ

ホエイプロテインを購入する場合に、注目したいのが製法です。特に牛乳などでお腹が緩くなったり痛くなったりする人は、必ず確認しましょう。

牛乳には乳糖と呼ばれる成分が含まれていますが、体質によってこの乳糖を消化することができず、腹痛やお腹の不調の原因になるのです。これを乳糖不耐症と呼びます。

なお、ホエイプロテインは製法によって乳糖の有無に違いがあります。製法には以下の種類があります。

WPC(ホエイプロテインコンセントレート)製法

一般的に安価で販売されているプロテインは、このWPC製法となっています。たんぱく質を抽出する際のろ過精度が低く、乳糖が含まれたままの状態。

一方で、たんぱく質以外の糖質やビタミン、カルシウムなども含まれているのが特徴です。

WPI(ホエイプロテインアイソレート)製法・WPH製法・CFM製法

これらの製法はWPC製法よりも細かくろ過されており、乳糖が除去されています。そのため、乳糖不耐症の人でも安心して飲むことができるでしょう。

WPI製法は高純度のたんぱく質が摂取できる製法で、WPH製法は、半分消化された状態で体内に吸収しやすいように加工されています。また、CFM製法はWPI製法で抽出したたんぱく質に加え、筋肉づくりに効果的な栄養を追加で配合した製法です。

どれも手間がかかっているため、WPC製法よりも若干値段が高い商品が多くなっています。

プロテインを飲むだけでは筋肉はつかない

プロテインは筋肉づくりに効果的なサプリメントである一方、ただ飲むだけで筋肉はつきません。しっかりトレーニングを行い、適切なたんぱく質を摂取することでこそ効率よく筋肉がついていくのです。

カラダづくりを少しでも効率よく行いたいという方は、ぜひプロテインの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

筆者プロフィール

プロスポーツトレーナー
和田拓巳(わだ・たくみ)

プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​医療系・スポーツ系専門学校での講師のほか、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、さまざまなメディアで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会(JATI-ATI)の認定トレーニング指導者
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<Text:和田 拓巳>