
そのストレス発散方法、逆効果かも!おすすめのストレス解消方法とは[臨床心理士監修] (3/3)
ストレスを溜めないための予防策
ストレスを溜めないために、日常生活の中で予防策を取ることを心がけましょう。以下に、予防方法をいくつかご提案したいと思います。
やることリストと優先順位を決める
仕事や勉強に限らず、日常生活でもタスクや予定を整理し、重要なことから順に取り組んでいきましょう。面倒に思えますが、達成感をコツコツ得ることでメンタルも安定してきます。
リラックスや休息の時間を確保する
忙しい日々の中で、自分のためのリラックスや休息の時間を確保することが大切です。趣味や興味関心のある活動を楽しんだり、マインドフルネスや瞑想を行ったりするのもおすすめです。
落ち着いた時間を作る、つまりは心に余裕を作ることで、軽度〜中程度のストレスなら自力でリカバリできるでしょう。
コミュニケーションを意識する
コミュニケーションの不足や誤解は、ストレスを引き起こす要因になります。
良好な人間関係を築くためにも、普段から周囲の人とのコミュニケーションを大切にし、適切に意見や感情を伝えられるようにしましょう。
健康的な生活習慣を維持する
適切な栄養摂取や十分な睡眠、定期的な運動など、健康的な生活習慣を維持することは、ストレスへの対処能力を高めるのに役立ちます。
また、身体的な健康が維持されると心の安定にもつながります。
ストレス要因が多いと自覚するのは難しい
ストレスの要因(ストレッサー)は多岐にわたります。
多くの人に共通するもので例えると、仕事や学業に関するプレッシャーや過度の責任感、人間関係の葛藤、経済的な不安、健康上の問題、環境の変化などが挙げられますね。
仕事や学業における過度の期待や競争、時間の制約などの外的要因でストレスになることもあれば、過去のトラウマや不快な経験、自己イメージや自己評価の低さなどの内的な要因もストレスの発生に影響を与えることがあります。
さらに、このような要因が重なることで複合的に多様なストレスを引き起こすため、自覚し管理することは簡単なことではありません。
長期的なストレスは体にどんな影響を与えるか
厚生労働省:こころの耳「ストレスからくる病」によると、ストレス関連疾患(心身症)として、高血圧や気管支喘息、顎関節症などの身体疾患の発症リスクになり得るとされています。
また、心理的な影響としてストレッサーによる不安、抑うつ、イライラ、集中力の低下、自己否定感などが長期間続くと、うつ病や希死念慮などの精神的な問題を引き起こす可能性があります。
さらに、ストレスの増大や長期化で人間関係が悪化し孤立する、経済的に困窮するなどの社会的な影響に及ぶ可能性もゼロではありません。
ストレスとの向き合い方は「個人によって異なる」
論理的にはストレスとストレッサーの関係を分析し、理解することでストレス発散できるように思うかもしれません。
しかし実際には、個々の置かれている状況や感じているストレスの強さによっては、これらを区別し、判断することが難しい場合もあります。
そのため、頭で考えるよりも胸に手を当てて、「自分がいま感じているストレスの強さがどのくらいなのか」を問いかけ、日頃から把握しておくことの方が大切だと思います。
また、このストレスの強さというのは誰かが決めた尺度ではなく、自分で決めた尺度で大丈夫ということを忘れないでくださいね。
監修者プロフィール
不登校/こどもと大人の漢方・心療内科
出雲いいじまクリニック 院長
飯島慶郎(いいじま・よしろう)
心療内科医、臨床心理士、総合診療医、内科医、漢方医、産業医など、マルチドクターとして活動。得意とする分野は「心身症・不定愁訴」に対する漢方薬・向精神薬・心理療法・ケースワークを統合した総合的対人援助。心身の軽微な不調を入口にクライアントの「人生そのもの」を癒やすことを実践。近年は特に不登校診療に特化し、多くのこどもたちを改善に導いている。
公式サイト https://sites.google.com/view/izumo-iijima-clinic
<Edit:編集部>