【麦茶の効能】麦茶を飲むメリットと効果的な飲み方、注意点[管理栄養士監修] (2/2)
「水出し麦茶」と「煮出し麦茶」、栄養に違いはある?
麦茶には水出し麦茶と煮出し麦茶があり、麦茶の味わいが異なりますが、栄養素には大きな違いはありません。
水出し麦茶の特徴
水出し麦茶は、麦茶パックをゆっくりと浸しておくことで柔らかい味わいになることが特徴です。水出しの場合、麦茶パックを水に入れ、冷蔵庫などで一定時間置くことにより作ることができます。
置く時間の目安は、1〜2時間程度。煮出して飲む麦茶よりも、軽く、すっきりとした味わいになります。
なお、パックを入れっぱなしにしていると雑味が出てしまうため、好みの濃さになったらパックを取り出しましょう。
煮出し麦茶の特徴
煮出し麦茶は、麦茶パックを沸騰したお湯に入れて一定時間火にかけます。煮出す時間は約3〜5分間ほどで、火を止めてしばらくしてから麦茶パックを取り出します。
煮出し麦茶では、麦茶ならではの香りやコクを楽しめるのが特徴です。
麦茶に加えるとオススメ! ちょい足しアレンジ
一般的には、麦茶はそのまま飲むイメージが多いと思われますが、実は、麦茶の健康効果アップが期待できるアレンジ方法があります。
麦茶×塩
麦茶に塩を入れることで、水分とともに塩分の補給ができます。
夏の暑い時期や運動後などで汗をたくさんかくと、体から水分と一緒にナトリウムも排出されてしまいます。そのため、たくさん汗をかいたときには、水分だけではなく塩分も補給する必要があります。
熱中症や脱水対策として塩麦茶を飲む場合は、塩分濃度が0.1〜0.2%になるよう塩を入れましょう。麦茶1Lに対してであれば、1〜2gの塩を入れます。(※1)
また、塩は苦味を中和させる効果があるため、塩を入れることで麦茶の苦味を緩和し、すっきりとした味わいになります。
麦茶×牛乳
麦茶の香ばしさと牛乳の相性がよく、コーヒー牛乳のような味に仕上がります。
作り方は麦茶に同量の牛乳と少量の砂糖を入れて混ぜ合わせるだけです。牛乳や砂糖の分量は好みに合わせて調整しましょう。いつもの麦茶と違った楽しみ方をしたい方や、カフェインを控えたいコーヒー好きな方などにおすすめです。
また、牛乳にはカルシウムやビタミンD、タンパク質が多く含まれており、麦茶と一緒に飲むことでこれらの栄養素も摂取できます。
麦茶×ショウガ
麦茶とショウガを組み合わせるのもおすすめです。麦茶にショウガをいれることにより、体も温まり、血行促進効果が期待できます。そのため、冷え性の方にはおすすめです。
作り方は、温かい麦茶にショウガを適量入れて混ぜるだけです。冷たい麦茶を使う場合は、ショウガを入れて電子レンジで温めましょう。
生のショウガよりも乾燥したショウガの方が温める作用が強いため、冷えが気になる方は乾燥したショウガを入れると良いでしょう。
麦茶を飲むときの注意点
すっきりとしてして飲みやすい麦茶ですが、飲み過ぎると体調不良や胃腸の冷えなどを引き起こす可能性があります。
一気に大量に飲むとミネラルのバランスを崩す
短時間で大量に麦茶を飲むと、血液中の水分が急激に増えることによるミネラルバランスの崩れが起き、だるさや吐き気など不調につながる場合があります。
夏場の熱中症や脱水対策で麦茶を飲む場合は、先述した塩麦茶でナトリウムを補いつつ、少しずつこまめに飲むようにしましょう。
飲み過ぎると冷えを招く
また、冷たい麦茶は胃腸を冷やし、消化不良や冷えにつながります。冷たい麦茶を飲む際にも少量ずつ飲むようにしましょう。
小麦アレルギーの人は要注意
さらに、麦茶の原料は大麦のため、大麦アレルギーがある場合は注意が必要です。小麦アレルギーがある場合は基本的には問題ないとされていますが、場合によっては麦類全般の除去が必要な場合があります。
アレルギー体質で麦茶を飲んだことがない場合や小麦アレルギーがある場合は、医師に相談してから飲むようにしましょう。(※2)
腐りやすいので、家庭で作った麦茶は早めに飲み切る
家庭で作った麦茶は、密閉できる清潔な容器に入れて、涼しい場所や冷蔵庫で保存して早めに飲み切りましょう。
麦茶の賞味期限の目安は2〜4日程度のため、できるだけこの期間内に飲みきるようにしましょう。
●麦茶の腐敗サイン
日にちが経って傷んだ場合、酸味が出たりぬめっとした感じがしたりします。これは雑菌が繁殖しているサインのため、飲むのはやめましょう。
麦茶を正しく保存する際には、「高温」や「多湿」に気をつけることが必要です。常温で保存すると雑菌が繁殖し、傷んでしまう可能性があります。
とくに、高温多湿な夏場に常温で長時間放置するのは避けましょう。煮出し後に粗熱を取るため常温で置いている場合は、やかんごと氷水につけて急速に冷やすのがおすすめです。
麦茶はノンカフェインで水分補給に最適
麦茶は飲みやすく水分補給に適しているだけではなく、血流の改善や抗酸化作用など、さまざまな効果があります。牛乳やショウガなどを加えてアレンジすれば、いつもと違った楽しみ方ができるのも魅力です。
一方で、飲み過ぎると不調や冷えを招く可能性もあるため、飲み過ぎには注意が必要です。先述したポイントに留意し、また、自分自身の体調と相談しながら、日々の生活のなかに麦茶を取り入れましょう。
参考文献
※1 環境省熱中症予防情報サイト「熱中症を防ぐためには」
※2 山梨大学医学部附属病院 アレルギーセンター「小麦アレルギーでも麦茶は飲ませてもよいでしょうか。」
監修・執筆者プロフィール
あんしん漢方 管理栄養士
小原水月
管理栄養士・健康食育シニアマスター。社員食堂で300以上の料理を修得、ダイエット合宿所・特定保健検診の業務に携わり600人以上の食事と生活習慣改善を個別サポート。自身の出産後の体調不良から食事と漢方で体調改善/増進の経験を生かし、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。「心も体も食べたものだけで作られる」をモットーに簡単で時間もお金もかけずに元気になれるレシピを発信中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
<Edit:編集部>