
精神的に疲れている人に共通する13のサインとは (1/5)
現代社会では、忙しい生活や仕事、人間関係のストレスにより、知らず知らずのうちに精神的に疲れてしまうことがあります。しかし、その疲れに気づかずに放置してしまうと、さらに悪化し、心身の健康に深刻な影響を及ぼす可能性も。
本記事では、早めに不調に気づくために、精神的に疲れている人に共通する特徴と対処するためのヒントを、大阪カウンセリングセンターBellflowerの臨床心理士・町田奈穂さん監修のもとお届けします。
精神的に疲れている人には、こんな症状が出やすい
本当は精神的に疲れているにもかかわらず、自分のメンタルが弱ってることに気づきにくい人もいるでしょう。精神的に疲れている人には、以下のような症状が出やすいでしょう。
1. 集中力の低下
精神的な疲労は、集中力や注意力の低下を引き起こします。仕事や家事、プライベートにも集中することが難しくなり、ミスが増えることもあります。
2. 眠れない、夜中に目が覚める、悪夢を見る
精神的に疲れていると、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることがあります。結果として、疲労が蓄積し、心身の回復が遅れることがあります。
3. 感情が不安定になる
怒りやすくなったり、些細なことで落ち込んだり、涙が出てくるなどは精神的な疲れの目安になります。気分の浮き沈みが激しくなる傾向があります。
4. 無気力感に襲われる
精神的に疲れている人は、何事にもやる気が起きず、以前は楽しめていたことに対しても興味を失うことがよくあります。家事などもやる気が起きず、部屋が散らかり放題になることも。
最近よく聞く「風呂キャンセル」なども、精神的に疲れている人に見られる特徴のひとつです。
町田さん:最近、「ゴミの日にゴミを出せない」という悩みもよく耳にします。
5. 原因不明の体調不良
頭痛、肩こり、胃痛、喉の詰まり、だるさ、聴覚過敏など、精神的な疲労が身体の不調として現れることもあります。
また、動悸や息切れといった身体的な症状が現れることがあります。これはストレスや不安が自律神経に影響を及ぼしているためです。
免疫機能が低下することも考えられます。その結果、風邪などの感染症にかかりやすくなることも。
6. 決められない、決めるのが疲れる
精神的に疲れていると、判断力や決断力が鈍ることがあります。仕事面だけでなく、服を選ぶ、ランチメニューなどの小さな選択でも迷うことが多くなり、イライラしたりさらに疲れてしまうことも。
7. ひとりぼっち、孤立感を強く感じる
疲れが蓄積すると、人とのコミュニケーションが億劫に感じられ、外出を控える、社会的なつながりを避けるようになることがあります。
そうすると孤独感が増し、さらに精神的な疲労を悪化させることも。
8. 記憶力の低下
ストレスや精神的な疲労が長引くと、記憶力が低下することがあります。直近の出来事や予定を忘れやすくなったり、情報をすぐに思い出せなくなったりします。
9. 過食、拒食など食欲の変化
精神的な疲れは、消化器系にも影響を与えます。食欲が減退したり、逆に過食に走ることがあります。また、胃もたれや腹部不快感といった消化不良の症状が現れることもあります。
10. 過剰な自己批判
精神的に疲れていると、自分に対して厳しくなりすぎる傾向があります。小さな失敗でも過度に自分を責めたり、自分はいらない人間だなど、無価値感を感じることが増えます。
11. 焦りが続き、つねに追われている感覚がする
常に焦っているような感覚や、何かしなければならないというプレッシャーを感じることが多くなります。これは、心がリラックスすることができない状態です。
12.イライラ感や攻撃性の増加
精神的に疲れていると、普段は気にならないような些細なことでイライラしたり、攻撃的な態度を取ってしまうことがあります。感情のコントロールが難しくなることも多いです。
13. 逃避行動に走る
問題に直面すると、それを避けようとする行動が増えることがあります。たとえば、仕事や責任から逃れようとしたり、何も考えずに過ごす時間が増えたりすることがあります。
町田さん:ずっとSNSを見続けてしまうことがあります。特にYouTubeやTikTokのような視覚系メディアは、つい目を奪われがちです。本当は疲れているのに、「動画を見て癒されている」と思い込んだり、疲れるとわかっていてもやめられなかったりすることもあります。これは、非合理的な判断を自分でも気づかないうちに下してしまうからかもしれません。
これらの症状が複数現れた場合、とくに長期間続く場合は、早めに休養を取るか、専門家に相談することが大切です。
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