ウェルネスフード
2024年10月22日

レモン水を毎日飲むと、どんな効果がある?メリット・デメリットを内科医が解説

身近な果物であるレモンには、ビタミンCやクエン酸、リモネン、ポリフェノールなどさまざまな成分が含まれています。

この「レモン水(レモンウォーター)」、何に効くの? 飲むことでどんなメリットがあるのでしょうか。

生活習慣病やダイエットなどにくわしい内科医・工藤孝文先生の監修した以下記事から、一部抜粋してお届けします。

レモン水のダイエット効果とは。作り方と、食後血糖値を抑える飲み方

レモン水に期待できる効果とは。毎日飲むとどんなメリットがある?

──レモン果汁を水に混ぜた「レモン水」は、どんなダイエット効果が考えられるでしょうか。

「食前にレモン水を摂取すると血糖値の上昇をゆるやかにしますので、ダイエットに効果的です。

甘いものやごはん、パンなど糖質を摂ると、分解されてブドウ糖になります。ブドウ糖は腸から吸収され血液の中に入り、これを血糖といいます。食後血糖値が上昇すると、インスリンが分泌され、ブドウ糖が細胞内に運ばれ、エネルギー源として筋肉を動かしたり、脳を働かせたりするのに利用されます。しかし、過食によって余ったブドウ糖は中性脂肪に合成され、脂肪細胞に貯蔵されます。

皮下脂肪や内臓脂肪を抑えるには、食後の血糖値の上昇をゆるやかにすることが大切です。」(工藤先生)

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「また、レモン果汁には、分泌量が多いと運動時と同様の脂肪燃焼効果が得られる善玉ホルモン『アディポネクチン』を増やす働きがあるため、血糖値抑制とともにダブルの効果が期待できます。」(工藤先生)

──ダイエットをしていない人も、レモン水をとり入れるメリットはありますか?

「ダイエット面以外にもメリットはあります! レモン水によって、血糖値を抑え、内臓脂肪の蓄積を抑えることで、体型のオジサン・オバサン化を予防できるというメリットがあります。

内臓脂肪の蓄積は、病気を引き起こす悪玉ホルモンを出し、動脈硬化を進ませる恐れもあります。動脈硬化が進むと、顔面の毛細血管が幽霊のように姿があっても血が通わない“ゴースト化”が進みます。すると肌荒れ、シミ、シワ、たるみなど顔への悪影響も大きくなります。食前レモン水は、見た目の老化の予防にもメリットがあります。」(工藤先生)

レモン水のデメリットや注意点。飲むのを控えたほうがいい人とは

──レモン水で考えられるデメリットや、飲むのを控えたほうがいい人はいますか?

「風邪予防や美肌効果などが見込めるレモン水ですが、飲み過ぎには注意しましょう。ビタミンCを過剰摂取すると下痢や吐き気、胃けいれんなどを引き起こすおそれがあります。

また、体内に過度の鉄が蓄積される疾患(ヘモクロマトーシス)のある方は、ビタミンCの過剰摂取によって症状が悪化し、身体の組織が損傷するおそれがあります。」(工藤先生)

レモン水は朝飲むとシミになるってホント?

──朝にレモン(ビタミンC)を摂ると、ソラレンの関係でシミが増えるというウワサを聞いたことがあるのですが、大丈夫でしょうか。

「大量に摂取しない限りは、問題なさそうです(※)。」(工藤先生)

(※)参考:西山一朗.“「果物や野菜に含まれるソラレンの量はどのくらい?」にお答えします【拡散希望】”. 駒沢女子大学/駒沢女子短期大学 健康栄養学科. https://www.komajo.ac.jp/uni/window/healthy/he_diary_teacher_20002.html

レモン水で歯が溶けるってホント?

──歯磨きのあとに飲んでも問題ないでしょうか? 酸が歯に影響を及ぼすというウワサを聞いたことがあるのですが。

「酸蝕症のリスクがありますので、気になる人は飲んだ後、口をすすいで洗い流すようにしましょう。」(工藤先生)

※本記事はレモン水のダイエット効果とは。作り方と、食後血糖値を抑える飲み方の一部を再編集したものです。

プロフィール

工藤孝文(くどう たかふみ)先生


内科医。糖尿病内科医・東洋医学医。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科で診療を行いつつ、全国で血糖値と肥満の関連についてなど生活習慣病の講演会などを行っている。専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。NHK「ガッテン!」では、2018年度の最高視聴率を獲得。

<Edit:編集部>