プロテインを飲み過ぎると「痛風になる」って本当?
プロテインを飲みすぎると、「痛風になる」といった怖い噂を耳にしました。はたして本当なのでしょうか? 真相を、なか整形外科京都西院 リハビリテーションクリニック理学療法士の李 滝二さん監修の以下記事より、一部抜粋してお届けします。
プロテインの飲みすぎで「痛風になる」は本当か
プロテインの飲みすぎによって、痛風になる可能性は考えられます。しかし、この可能性はプロテインの種類や摂取量によって異なります。
痛風という病気には背後に「高尿酸血症」という病気が潜んでいます。
高尿酸血症は、尿酸濃度が高い状態が続くことにより、血液に溶けきれなかった尿酸が結晶化して、関節や組織に溜まっていく病気です。
関節に溜まった尿酸結晶に対して免疫細胞が反応して、炎症を引き起こして痛風となります。
痛風の原因となる高尿酸血症は、食生活が大きく関わってきます。
まず尿酸は、プリン体が分解されて作られます。プリン体は、高カロリーな食事やビールなどに多く含まれているというイメージがありますが、実はタンパク質の過剰摂取も尿酸の産生を増大させます。
大豆にもプリン体は含まれるため、大豆プロテインを飲んでいる場合は、痛風のリスクが上がることは否定できません。
しかし、牛乳を原料にしているホエイプロテインやカゼインプロテインにはほとんどプリン体が含まれていませんので、これらを飲んでいる人はそこまで注視しなくて良いでしょう。
プロテインは1日どのくらいまで? 目安量は「体重1kgあたり2.0g未満」
プロテイン(タンパク質)を過剰摂取しても、健康な人の場合は問題がないという報告もありますが、体重1kgあたり2.0g未満に抑えておくのが良いでしょう。
体重50kgの人の場合は、100g未満という計算です。
体重1kg当たりのたんぱく質量が2.0gを超えたあたりから、「摂取してもタンパク質合成が高まることはなかった」という報告*があるためです。
*参考文献:日本スポーツ栄養研究誌 第2巻 アスリートのタンパク質栄養の考え方 - 岡村 浩嗣
監修者プロフィール
なか整形外科京都西院 リハビリテーションクリニック
李 滝二
理学療法士免許取得後、スポーツ整形外科で勤務。バレーボールVリーグ(サントリーサンバーズ)のトレーナーも務める。プロスポーツ選手のトレーニング、一般の方のボディメイクなど、幅広く活動している。
<Text:編集部>