ウェルネスフード
2025年3月14日

「じゃばら」が花粉症にいいと言われる“3つの理由”[管理栄養士監修] (3/3)

じゃばらの1日の摂取量

神原先生:一日の摂取量は決まっていません。

妊婦や授乳中の方、子どもも、他の柑橘類と同じように、そのまま食べる分には体への悪影響があるとは考えにくいです。

毎日食べてもOK?

神原先生:じゃばらは果物なので、そのまま食べる分には毎日摂っても大丈夫だと考えられます。しかし、食べ過ぎは肥満に繋がります。

また、サプリメントなどの濃縮物の摂取の安全性に関しては、信頼できる情報が十分にないとされている(※)ため、注意が必要です。

過剰摂取による健康被害も今は報告がありませんが、もしかしたら今後何か新たな情報が出てくる可能性はあります。

※国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報による

どれくらい摂取すれば変化を実感できる?

神原先生:個人差もあり、まだデータが少ないことから、明確にどれくらいで効果が出るのかは今のところわかっていません。

ただし、実験では2週間ほどで症状が改善されたと感じる人もいるようです。
摂取量やタイミングなどにもよるかもしれませんが、約2週間で何らかの作用があると考えられます。

薬を飲んでいる場合は気をつけるべき?

神原先生:薬の服用中のじゃばらの摂取については、今のところ問題はないものと考えられます。

じゃばらと同じ柑橘類のグレープフルーツは、フラノクマリン類であるベルガモチンやジヒドロキシベルガモチンを含有しており、血圧を下げる薬(カルシウム拮抗薬)の作用を高めるとして、飲み合わせには注意が必要です。

じゃばらに関しては、同様の作用があるというデータは今のところありません。

じゃばらに代わる柑橘類は?

神原先生:じゃばらの成分で注目されているナリルチンは、イヨカン、温州ミカン、柚子、サンポウカン、ネーブルなどの他の柑橘類にも含まれています。

しかし、この中でも、じゃばらが圧倒的に多く含んでいることから、花粉症対策としてはじゃばらが適している可能性があります。

《参考文献》
和歌山県東牟婁郡 北山村観光サイト 特産品「じゃばら」
農林水産省 登録品種データベース
日本じゃばら普及協会
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 2.機能性成分・活用性等調査 - 食品産業センター

ナリルチン
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報

グレープフルーツ 薬 飲み合わせ
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報
グレープフルーツと薬物の相互作用について (Ver.090129)

監修者プロフィール

神原李奈

株式会社Luce・健康検定協会所属、栄養士・食育栄養インストラクター。CA(客室乗務員)の仕事をきっかけに、健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。大手料理教室の講師の経験を経て、栄養士を目指すことに。栄養士免許を取得後の現在は、現役CAとして世界中を飛び回りながら、栄養士として健康や食に関する情報を発信している。

<Edit:編集部>

※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。

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