
焼き芋、ダイエットの“最強おやつ”な理由とは。冷やして食べるとさらによし[消化器内科医監修]
焼き芋のすごさを、甘く見ていました。ダイエットに美肌、血糖値上昇まで防ぐ食品だったとは。
焼き芋の健康メリットについて、消化器内科医・粟田 裕治先生に教えてもらいました。
栄養素が豊富な焼き芋。消化器内科医目線で見た“すごさ”とは
粟田先生:焼き芋はビタミンやミネラルが豊富なため、免疫力をサポートしてくれる心強い食べ物です。季節の変わり目や、免疫力が落ちているときに食べるのにピッタリ。
ビタミンEも豊富に含まれているため、肌の健康維持にも役立ちます。さらに食物繊維が豊富なため、便秘解消や腸内環境の改善にも繋がりますよ。
焼き芋にはビタミンが4種類含まれており、それぞれ健康によい影響を与えてくれます。焼き芋に含まれるビタミンは以下の通り。
ビタミンA
ビタミンAは視力の維持や免疫機能の強化に重要な栄養素。皮膚や粘膜の健康を守るため、健やかなお肌を保つ役割もあります。
また、免疫システムの強化に役立つため、風邪や感染症に対する抵抗力を高める働きも期待できます。
ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用があり、肌の細胞の老化やダメージを防いでくれる心強い栄養素。さらにコラーゲンの生成を促進し、肌や血管の健康を保つ重要な働きをしてくれます。
免疫力を高める働きが期待できるため、風邪や感染症の予防には不可欠な栄養素です。
ビタミンB群(とくにビタミンB6)
ビタミンB群、とくにビタミンB6は脳の働きを助け、気分を安定させたり、睡眠をサポートしてくれる栄養素です。また、ホルモンバランスの維持や免疫力の強化にも役立ちます。
炭水化物や脂肪の代謝を促して、エネルギーに変えるのに必要な栄養素のため、運動する時や疲労感が溜まっている時は積極的に摂取するようにしましょう。
ビタミンE
ビタミンEは強力な抗酸化作用がある頼れる栄養素。紫外線などによって発生する有害物質から肌を守ってくれ、細胞のダメージや老化を防ぐことが期待できます。
血行を促進する働きもあるため、肌のターンオーバーを促し、健康な肌を保つのに役立ちます。
ダイエットにもメリット大! 満腹感が長く続く
粟田先生:甘くてカロリーが高そうな焼き芋ですが、実はダイエットにもおすすめの食べ物。焼き芋は食物繊維が豊富です。食物繊維は水分を吸収して膨張し、胃の中でボリュームが増えるため、少量でも満腹感が持続します。
また、消化にも時間がかかるため、食べた後の満足感が長く続くのも嬉しいところ。間食を減らすのに役立ちます。
焼き芋は食物繊維が豊富なため、ダイエット中のデザートや間食にピッタリです。
焼き芋は血糖値の上昇を防ぐ「低GI」食品でもある
粟田先生:焼き芋は低GI食品のため、血糖値の急激な上昇を防ぎ、脂肪の蓄積を抑えてくれます。
低GI食品とは、炭水化物がどのくらいの速さで血糖値に影響を与えるかを示す指標(GI値)が低い食品のこと。食後に血糖値を緩やかに上昇させるため、食後の急激な空腹感や甘いものへの欲求を抑えることができます。
さらに、低GI食品は余分な脂肪を蓄える働きがあるインスリンの分泌を抑えてくれるため、体脂肪の増加を防げるのもダイエットに嬉しいポイントです。
冷やして食べるとさらに効果的
加熱したサツマイモを冷やすと、レジスタントスターチが増加します。レジスタントスターチによって、GI値を抑え、腹持ちがよくなります。レジスタントスターチは冷やすとゆっくりと増えていくため、冷蔵庫で冷やして食べてください。
低GI食品である焼き芋を上手に活用して、ダイエットや健康に生かしましょう。
監修者プロフィール
ふれあいの丘内科内視鏡健診クリニック
院長 粟田 裕治
コンパスメディカルグループ 医療法人社団CMG ふれあいの丘内科内視鏡健診クリニック院長。日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医、日本内科学会 認定内科医、日本消化器病学会 消化器病専門医。2015年、日本医科大学卒業。救急医療・急性期医療に特化した川崎幸病院勤務で研鑽を積み、2022年、ふれあいの丘内科内視鏡健診クリニックの院長に就任。「無症状でも油断禁物。内視鏡検査や健康診断で早期発見」を目指し、胃・大腸内視鏡検査において豊富な実績を持つエキスパート。
<Edit:編集部>
※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。