チーズを食べ過ぎると、どんなデメリットがある?1日に食べていいチーズの量とは
チーズは「カルシウムが豊富」「たんぱく質が摂れる」といった健康的なイメージもあり、積極的に食べている方も多いのではないでしょうか。
しかし、チーズは栄養価が高い反面、食べ過ぎると身体に思いがけない悪影響を及ぼす可能性があります。はたしてチーズを食べ過ぎたときに起こりうるデメリットとは。
食品の効果を研究する食品機能学研究に従事している、株式会社ユーザーライフサイエンス取締役会長 大貫 宏一郎先生監修のもとお届けします。
チーズの食べ過ぎで起こりやすいデメリット
チーズは栄養豊富な食品ですが、食べ過ぎると以下のような不調を引き起こすことがあります。
1. カロリーオーバーによる体重増加
チーズは栄養が凝縮されている分、カロリーも高めです。スライスチーズ1枚(約18g)でも約60kcal、6Pチーズ1個(約18g)も同程度のカロリーがあります。
カロリーが低めのチーズ
- カッテージチーズ(約100kcal/100g)
- リコッタチーズ(約160kcal/100g)
- モッツァレラチーズ(約250kcal/100g)
カロリーが高めのチーズ
- カマンベールチーズ(約310kcal/100g)
- クリームチーズ(約350kcal/100g)
- パルメザンチーズ(約470kcal/100g)
- チェダーチーズ(約420kcal/100g)
2. 塩分の摂りすぎによる血圧上昇・むくみ
チーズには意外と多くの塩分が含まれています。
日本人の1日の塩分摂取目標は男性7.5g未満、女性6.5g未満ですが、チーズを100g食べるだけで、目標量の3〜5割程度を摂取してしまう計算になります。
塩分の摂りすぎは、むくみや血圧上昇の原因となり、長期的には心臓病や脳卒中のリスクを高める可能性があります。
塩分が少なめのチーズ
- クリームチーズ(約0.7g/100g)
- モッツァレラチーズ(約0.2g/100g)
- カッテージチーズ(約1.0g/100g)
塩分が多めのチーズ
- カマンベールチーズ(約2.0g/100g)
- フェタチーズ(約3.0g/100g)
- ブルーチーズ(約3.8g/100g)
- パルメザンチーズ(約3.8g/100g)
3. 飽和脂肪酸の過剰摂取
チーズには脂質が多く含まれており、その大部分は飽和脂肪酸です。飽和脂肪酸は、摂りすぎるとLDL(悪玉)コレステロールを増加させ、動脈硬化のリスクを高めるとされています。
厚生労働省の基準では、飽和脂肪酸の摂取量は総エネルギーの7%以下が望ましいとされており、2,000kcal摂取する人であれば約15g以下が目安となります。
チェダーチーズ100gには約21g、クリームチーズには約23gの飽和脂肪酸が含まれています。チーズだけで上限に近づいてしまう可能性もありますね。
4. 消化不良・お腹の不調(乳糖不耐症)
チーズを食べた後にお腹がゴロゴロする、下痢をする、ガスがたまるなどの症状がある場合、乳糖不耐症の可能性があります。
チーズは牛乳に比べると乳糖の含有量は少ないものの、ゼロではありません。フレッシュタイプのチーズ(モッツァレラ、リコッタ、カッテージなど)には乳糖が比較的多く残っているため、症状が出やすい傾向があります。
5. 偏頭痛の誘発
チーズに含まれる「チラミン」という物質は、一部の人において偏頭痛を誘発することが知られています。チラミンは熟成過程で生成されるため、熟成期間の長いチーズ(パルメザン、チェダー、ブルーチーズなど)に多く含まれています。
すべての人に影響があるわけではありませんが、チーズを食べた後に頭痛が起きやすいという方は、フレッシュタイプのチーズに切り替えてみては。
どれくらいが食べ過ぎ?毎日食べていい? 1日の目安量
では、チーズはどれくらいの量であれば安心して食べられるのでしょうか。
1日の適量の目安
一般的に、チーズの1日の適量は40〜60g程度とされています。これは、スライスチーズなら2〜3枚、6Pチーズなら2〜3個、カマンベールチーズなら1/4〜1/3個程度に相当します。
この量であれば、カルシウムやたんぱく質などの栄養素を効率よく摂取しながら、カロリーや塩分、脂質の過剰摂取を避けることができます。

毎日食べても大丈夫?
適量の範囲内であれば、毎日食べても問題ありません。むしろ、カルシウム不足になりがちな日本人にとって、チーズは効率的なカルシウム源として毎日の食事に取り入れる価値があります。
ただし、同じ種類のチーズばかり食べ続けるよりも、さまざまな種類をローテーションするほうが、栄養バランスの面でも味の面でも楽しめるでしょう。

また、チーズだけでなく、牛乳やヨーグルトなど他の乳製品も含めて、1日の摂取量を調整することをおすすめします。
チーズを控えた方がいい人とは。こんな症状がある人は注意!
以下に該当する方は、チーズの摂取量に注意が必要です。
高血圧の方、塩分制限がある方
チーズに含まれる塩分は、血圧管理に影響を与えます。高血圧の治療中の方や、医師から塩分制限を指示されている方は注意が必要です。
脂質異常症、コレステロール値が高い方
チーズに含まれる飽和脂肪酸は、LDLコレステロールを上昇させる可能性があります。コレステロール値が高い方や脂質異常症の治療中の方は、低脂肪タイプを選ぶことをおすすめします。
乳糖不耐症の方
チーズを食べた後にお腹の調子が悪くなる方は、乳糖不耐症の可能性があります。フレッシュチーズは避けましょう。
乳製品アレルギーの方
牛乳アレルギーの方は、チーズも避ける必要があります。アレルギーの程度によっては、少量でも重篤な症状を引き起こす可能性があるため、原材料表示を必ず確認してください。
偏頭痛持ちの方
チラミンに敏感な方は、熟成チーズによって偏頭痛が誘発されることがあります。熟成期間の短いフレッシュチーズを試してみてください。
腎臓病の方
チーズにはリンが多く含まれています。腎機能が低下している方は、リンの排出能力が落ちているため、血中リン濃度が上昇しやすくなります。
チーズにはどんな栄養が含まれている?
ここまでデメリットを中心に解説してきましたが、チーズには優れた栄養素が豊富に含まれています。適量を守って食べることで、さまざまな健康効果が期待できます。
カルシウムが豊富
チーズはカルシウムの宝庫です。
日本人のカルシウム摂取推奨量は成人で650〜800mg/日ですが、チーズを40〜60g食べるだけで、その3〜4割をカバーできます。
カルシウムは骨や歯の形成に欠かせないだけでなく、筋肉の収縮や神経伝達、血液凝固にも関わる重要なミネラルです。
良質なたんぱく質
チーズには良質なたんぱく質が含まれています。必須アミノ酸をバランスよく含んでおり、筋肉の維持や身体の組織修復に役立ちます。
ビタミンA
チーズにはビタミンAが豊富に含まれています。ビタミンAは、目の健康維持、皮膚や粘膜の保護、免疫機能のサポートなどに重要な役割を果たします。
エネルギー代謝を助けるビタミンB2
エネルギー代謝を助けるビタミンB2も、チーズには多く含まれています。皮膚や髪の健康維持、疲労回復にも関わる栄養素です。
赤血球の生成や神経機能の維持に! ビタミンB12
動物性食品に多く含まれるビタミンB12は、赤血球の生成や神経機能の維持に必要不可欠です。チーズは効率的なビタミンB12の供給源となります。
免疫を整える亜鉛
免疫機能の維持、傷の治癒、味覚の正常化などに関わる亜鉛も、チーズには含まれています。
スライスチーズにも栄養はある?
スライスチーズ(プロセスチーズ)は、ナチュラルチーズを原料に、加熱・溶解して乳化剤を加え、再び固めたものです。
ナチュラルチーズに比べて栄養価が劣るのではないかと心配する方もいますが、結論から言えば、スライスチーズにも十分な栄養があります。

スライスチーズの栄養価
スライスチーズ1枚(約18g)あたりの栄養価の目安は以下の通りです。一部のビタミンは減少しますが、カルシウムやたんぱく質などの主要な栄養素はしっかり残っています。
- エネルギー:約60kcal
- たんぱく質:約4g
- 脂質:約5g
- カルシウム:約110mg
- 塩分:約0.5g
カルシウムに関しては、1枚で牛乳100ml分に匹敵する量を摂取できます。
チーズはどんな食べ方でも栄養は変わらない?
チーズは加熱しても生で食べても、基本的な栄養価に大きな差はありません。
ただしナチュラルチーズに含まれる乳酸菌は、高温加熱によって死滅します。腸内環境を整える効果を期待する場合は、加熱せずに食べるか、低温で短時間の加熱にとどめるほうがよいでしょう。
カルシウムの吸収を高める食べ合わせ
チーズに含まれるカルシウムは、ビタミンDと一緒に摂ることで吸収率が高まります。
ビタミンDは鮭、サンマ、きのこ類などに多く含まれているため、これらの食材とチーズを組み合わせた料理がおすすめです。
避けたほうがよい食べ合わせ
チーズとほうれん草を組み合わせると、ほうれん草に含まれるシュウ酸がカルシウムの吸収を阻害するという説があります。しかし、通常の食事量であれば大きな影響は考えにくいでしょう。
それよりも注意したいのは、チーズを大量の塩分や脂質と一緒に摂取してしまうこと。ピザやグラタンは付け合わせに野菜を多めにするなど、バランスを意識しましょう。

食べるタイミングは「間食」がおすすめ
チーズは腹持ちがよいため、間食として食べることで、次の食事での食べ過ぎを防ぐ効果が期待できます。
また、就寝前のチーズは、含まれるトリプトファンというアミノ酸が睡眠の質を高める可能性があるという研究もあります。
ただし、夜遅い時間に脂質の多いチーズを食べると、消化に負担がかかることもあるため、食べる量は控えめにしましょう。
監修者プロフィール
株式会社ユーザーライフサイエンス
取締役会長 大貫 宏一郎先生
京都大学にて博士号を取得し、製薬会社、医学部、管理栄養養成大学などで研究者・教育者を経て、現在は、食品機能学研究に従事。食品機能学とは、食品の効果を研究する学問。メタボ等の内科学、認知機能やメンタル等の脳神経科学を中心としつつ幅広い研究を実施。食品だけでなくアロマや健康商材全般にも関与。
保有資格・所属学会
・日本香辛料研究会 役員
・上級個人情報保護士
・第二種電気工事士
・ブラジリアン柔術 青帯
<Text:外薗 拓 Edit:編集部>










