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昭和レトロな筋トレ&健康グッズを調べたら、今のトレンドにも通じるものがあった

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 高度経済成長期を生き抜くためにはまず、自分の健康管理が大切という風潮が始まり、自分の体のためにお金を使う余裕が出てきた昭和40年代。「男は強く、女は美しく」なんて考え方がまかり通っていた時代でもあり、男子は理想の肉体を手に入れるための筋トレグッズに憧れたものでした。理想の肉体を手に入れてモテモテになりたい! と考えるのは今も昔も一緒。筋トレグッズや健康器具は、今もなお新製品が続々と登場しています。

 では、昔の筋トレグッズには、どんなものがあったのでしょうか? 40代以上の人には懐かしく、若い世代の人には斬新に見えるかもしれない、昭和に流行った筋トレグッズ&健康器具をご紹介。最新グッズと比較して、その進化の経緯をみていきましょう。

ブルワーカー(昭和40年~)

▲昭和40年(1965年)に発売された国産第1号のブルワーカー

 1963年にドイツで考案され、ヨーロッパ、北米で発売されて以来、全世界で愛されている超ロングセラー商品。1965年から日本でブルワーカーの製造販売をしている福発メタル代表の三浦次夫さんによると、現在までの累計売上数は全世界で1600万本、国内だけで150万本以上とのこと。取り付けられたチューブを引っ張ったりグリップを押し込んだりする組み合わせ次第で、全身を鍛えることができる筋トレグッズです。

▲昭和50年代には荷重に差をつけたソフトタイプとハードタイプが登場

 日本では昭和40~50年代、男子中高生の間で大ブームになりました。ブームを支えたのが、当時の少年雑誌に必ずといっていいほど載っていたマンガ広告。三浦さんに当時の広告をお借りしました。

▲少年雑誌に掲載されていたマンガ広告。これは昭和50年代のもの

 色白で貧弱な体を馬鹿にされ、自信をなくしていた少年。自分と同じような風貌だった友人がブルワーカーのおかげでたくましい男に変身したことを知り、さっそく自分も購入。すると……。「まったく簡単だ」のセリフひと言で、色黒ムキムキ、モテモテに! どうして色黒になったのかという疑問はさておき、このマンガのようにあっという間にマッチョになって彼女ができることを夢見た男子たちがこぞってお小遣いを貯めてブルワーカーを買い求めたわけです。

 ブルワーカーは一過性のブームにとどまらず、マイナーチェンジを続けながらいまだに人気の高い定番トレーニング機器となっています。その最新モデルがこちら。

▲ブルワーカーXO ソフト(上)/ブルワーカーXO ハード(下)

 素材変更や摩擦力の見直しはあるものの、基本的な構造は当時のまま。つまり、開発当初から完成度が高かったということですね。

スタイリー(昭和50年)

 40代半ばより上の年代の人は、「スタイリ~スタイリ~」というCMソング、覚えていますよね? デッキチェアーのような器具に乗って仰向けでギッタンバッコンと体を伸ばしたり折り曲げたりして、腹筋背筋を鍛えるものです。当時の子どもの目には楽しい乗り物のように見えていました。無理を言って乗ってみたまではいいけど、手足が届かず何も動かずガッカリ……。ハンモックのような沈み込みが心地よくて、そのまま眠り込んだ思い出が。

 大人たちも実際にやってみるとCMの外国人モデルのようにリズミカルに動くのはけっこう難しく、早々に挫折する人が続出。残念なことに定番トレーニング機器となることなく、ブームは去っていったのです。

 今となってはどこでも目にすることができないと思われていたそんなスタイリーが、大阪のダイエットスタジオ「エルドラド」に現存していました! これは貴重です。実際に使用しているところを動画でご覧ください。当時のCMの音声も流れます!

 お二人とも、なかなかリズミカルな動きではないですか。でもCMの外国人モデルは、うつ伏せや横向き、片足上げなど、もっともっと自由自在に操っていたのですよ〜。女性の方は身長ギリギリですね。男性は持て余し気味。サイズ調整ができる仕様になっていれば、もう少し使いやすかったのに、と思います。

 機器の動きにまかせて体を屈伸させて腹筋を鍛えるという点でいうと、最新筋トレグッズはこちらになるのではないでしょうか。

▲ワンダーコア 

 CMを見るとやってみたくなる! という点でも共通していますよね。進化した点は何といってもスペースを取らないこのコンパクトさ。座椅子型も出ています。

▲ワンダーコア スマート

 スタイリーは折りたたんで収納できるとはいえ、8畳間で広げてもかなり圧迫感ある大きさで、出し入れもけっこうな手間でした。今は座布団1つのスペースで筋トレできる時代なんですねー。

ルームランナー(昭和51年)

 見た目は家庭用の体重計。足踏み方式で、1回踏むごとにカチャカチャと音がして歩数が刻まれ、走行距離に換算されるという代物。この頃の日本はマラソンの瀬古利彦選手や双子の宗茂・猛両選手が活躍し始め、市民の間でもジョギングが大ブームに。スポーツジムにあるようなベルト式のルームランナーを置くわけにはいかない日本の住宅事情にぴったりサイズ、しかも、天候を気にせず家の中でジョギングができることで、爆発的なヒットとなりました。

 何でも小さくするのが得意な日本人ですが、やはりその場で足踏みでは満足感が得られなかったのか、現在ではこのサイズのものは見られないようです。最新の家庭用ルームランナーはこちら。

▲家庭用 MATRIX トレッドミルTF30

 結局大きいものが定着したパターンです。やはり、1歩1歩踏み出す感覚を味わうには最低でもこの大きさに。でもこれ、折りたためるんですよ。

ぶら下がり健康器(昭和53年)

 ぶら下がるだけで健康になれるという手軽さが受け、空前の大ブームとなった健康器具。一般家庭だけでなく、企業がまとめ買いをして各部署に設置するなど、社会現象ともいえる動きでした。すぐに健康器具販売各社が、ぶら下がる以外の機能をつけた健康器の開発、販売競争を始め、大きな健康器をよっこらせと横倒しすると腹筋運動ができるものが売られていたりしました。

 しかし、人々が飽きるのは早かった…。どの家でもあっという間に物干し台やハンガーラックになってしまいました。30代以下ですと本来の使い方を知らず、元々家に古くからあるハンガーラックだと思っていたなんて人もいるのでは?

 現代でもぶら下がることは健康増進に効果的であるといわれています。こちらは最新のぶら下がり健康器です。

▲福発メタル ぶらさがり健康器 ブルワーカー ブラジョイ 

 昔のものとほぼ変わらない造りです。ブームの最中に付けられたぶら下がる以外の機能は再びなくなっています。前出の福発メタル三浦さんによると「時代が変わって、目的を一つにしぼったもののほうが人気になった」とのこと。今はシンプルなものに落ち着いているんだそうです。

 いつの時代もブームというものは瞬間的に火がつくもの。これまでにどれだけのグッズが生まれては消えていったのでしょうか。…とはいえ、過去のものがあってこそ現代の最先端グッズが開発されたのです。過去のものを振り返りながら、今後はどんなものが開発されるのか未来に思いを馳せるのも楽しいですね。

<Text:丸山美紀(アート・サプライ)>

[写真協力]
福発メタルhttp://fukuhatsu.co.jp/publics/index/14/
エルドラド http://www.eldorado-jp.net/
ショップジャパン http://www.shopjapan.co.jp/
カタログハウスhttps://www.cataloghouse.co.jp/
ジョンソンヘルステックジャパンhttps://matrixfitness-home.jp/

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