ウェルネスフード
2026年5月29日

なぜ「夜遅くに食べると太る」のか?遅い時間でも太らないコツを管理栄養士に聞いた

仕事が忙しくて、夕食が夜遅くなってしまう、そんな日が続いていませんか?

夜遅くに食べる習慣は、肥満のリスクを高める可能性があります。運動に取り組んでいても、食事が乱れていては体はなかなか変わりません。

実は、食べるものや食べ方を工夫すると、夕食が夜遅くなっても太りにくくなります。夜遅い食事が太りやすい理由と、食事の選び方、食べ方のコツについて管理栄養士が解説します。

夜遅くに食べると太る理由

仕事や家事、運動などで体を動かす機会が多い日中に比べ、夜間は活動量が少なくなり、エネルギーの消費量も減少します。

使いきれずに余ったエネルギーは体脂肪として蓄積されやすくなるため、食事の時間が夜遅くなると太りやすくなるのです。

また、「BMAL1(ビーマルワン)」という物質も関係していると考えられています。

BMAL1は、体内時計を調整する遺伝子が作り出すたんぱく質です。脂肪を蓄積し、分解を抑える働きがあり、日中は分泌量が少なく、夜間に増加することがわかっています。そのため、夜遅くに食事を摂ると脂肪がため込まれ、肥満につながりやすくなるでしょう。

また、夜遅い時間に食事を摂ると、睡眠中も胃腸が活動し続けることになり、睡眠の質が低下します。

睡眠不足が続くと、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌が減少し、反対に食欲を高めるホルモン「グレリン」の分泌が増加します。その結果、日中の食欲が増加することも太りやすくなる一因です。

遅い時間の場合、夕食を抜いた方がいい?

「夜遅くに食べるくらいなら、夕食を抜いた方がいい」と考える方もいるかもしれませんが、そうとは限りません。

夕食は、1日の活動で消耗した体と脳の回復に欠かせないものです。十分な栄養を補えなければ、体は筋肉を分解してエネルギーを確保しようとするため、筋肉量の低下を招くこともあります。

夜遅くなっても食事は抜かず、何をどう食べるかを意識することが大切です。

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夜遅い食事で何を食べる? 意識したい3つのポイント

やむを得ず食事の時間が遅くなってしまっても、食べるものの選び方を意識するだけで太りにくくなります。ここでは、とくに押さえておきたい3つのポイントを解説します。

1.消化によいものを選ぶ

消化によいものとは、消化に時間がかからず、胃腸に負担をかけにくい食べ物のこと。

反対に、消化に悪いものは、脂質や繊維質が多くて消化に時間がかかり、胃腸への滞在時間が長くなりやすい食べ物です。消化に悪いものを食べると、睡眠中も消化器官が活発に働き続けることになり、睡眠の質の低下につながる可能性があります。

脂質が多い食べ物には、次のようなものがあります。

● 牛カルビや豚バラ肉などの脂身が多い肉
● ベーコンやソーセージなどの肉加工品
● うなぎやブリなどの脂がのった魚
● フライや天ぷらなどの揚げ物
● グラタンやドリア
● カレーライス

夜遅い食事でもぜひ取り入れてほしいのが野菜です。ビタミンやミネラルを補給できるうえ、比較的低カロリーであるため、摂取エネルギーを抑えながら食事の満足感を高めるのに役立ちます。

ただし、ごぼうやたけのこ、とうもろこしなどの繊維質が多い野菜を食べすぎると、胃腸に負担をかけることがあります。

夜遅い食事では、大根やかぶ、キャベツ、ほうれん草などの繊維質が少なめの野菜を選びましょう。

2.たんぱく質を取り入れる

たんぱく質は、体のあらゆる組織をつくるもとになる栄養素です。健やかな肌や髪を保つだけでなく、筋肉量の維持にも欠かせません。

筋肉量が減少すると基礎代謝が低下し、太りやすくなります。食事の時間が遅くなってもたんぱく質はしっかり摂りましょう。

ただし、睡眠の質を落とさないように、脂質が少なく消化しやすい食材を選ぶことがポイントです。おすすめの食材は次のとおりです。

● 鶏胸肉
● 鶏ささみ
● 白身魚
● 豆腐
● 納豆
● かまぼこ
● はんぺん

なお、卵を食べる際は調理方法を工夫しましょう。生卵や固ゆで卵は消化があまりよくありませんが、温泉卵や半熟卵は適度に火が通っており、消化しやすいとされています。

茶碗蒸しや卵豆腐も胃腸に負担をかけにくく、夜遅い食事に向いています。

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3.糖質は控えめにする

糖質は体のエネルギー源になる重要な栄養素ですが、消費されなかった分は脂肪に変わって体にため込まれます。消費エネルギーが少なく、BMAL1の分泌量が増加する夜間はとくに蓄積されやすいため、糖質の摂取は控えめにしましょう。

糖質が多い食べ物といえば、ご飯やパン、麺類といった主食をイメージしがちですが、お菓子にも糖質が多く含まれています。「仕事で疲れたときは、ごほうびとしてついケーキを買ってしまう」といった習慣がある方は要注意です。

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食事の時間が遅くなったときは、主食の量をいつもより少なめにしましょう。お菓子は、種類によっては脂質も多く太りやすいため、夜遅くに食べるのは控えることをおすすめします。

食事が夜遅くなるときに実践したい3つのコツ

食べるものの選び方と同じくらい大切なのが、食べ方の工夫です。できることから取り入れて、太りにくい習慣を身につけましょう。

1. 夕食を2回に分ける

事前に食事が夜遅くなるとわかっていれば、夕食を夕方と帰宅後の2回に分けて食べる「分食」をしてみましょう。

食事を2回に分けることで次の食事までの間隔が短くなり、空腹感が抑えられ、帰宅後の食べすぎを防げます。

食事内容は、1回目に主食を、2回目におかずを摂るイメージです。夕方におにぎりやサンドイッチなどの軽食で糖質を補給し、帰宅後は糖質を控えめにして野菜やたんぱく質中心のおかずを食べます。

夕方の軽食は、あくまで帰宅後の食事までのつなぎであり、満腹になるまで食べすぎないように注意が必要です。帰宅後の食事も消化によいものを選び、胃腸への負担を抑えましょう。

2.よく噛んでゆっくり食べる

よく噛むと食べ物が消化しやすい状態になるため、胃腸への負担を軽減できます。

また、ゆっくり時間をかけて食べることで満腹感を得られやすくなるのもメリットです。食べ始めてからお腹が満たされたと感じるまでには、ある程度の時間がかかります。食事のペースを気にしなければ、満腹感が得られないからと必要以上に食べすぎてしまうこともあります。

夜遅い食事は量を控えめにしたいからこそ、一口ごとによく噛み、食事のペースを意識しましょう。

3.「ながら食べ」をしない

疲れて帰宅した夜はリラックスして、テレビやスマホを見ながら食事をしている方も多いのではないでしょうか。しかし、「ながら食べ」は食べすぎを招く習慣のひとつです。

画面に意識が向いていると食事に集中できず、どのくらい食べたかわからなくなりがちです。気づけば食べすぎていた、ということが起こりやすくなります。

食事中はスマホを手の届かない場所に置く、テレビを消すなど、目の前の食べ物に集中できるように環境を整えましょう。

夜遅い食事と上手に付き合い、理想の体を手に入れよう

理想の体を手に入れるためには、運動に取り組むことに加え、正しい食習慣を身につけることが大切です。食事の時間が夜遅くなっても、食べるものの選び方と食べ方を意識すれば太りにくくなります。

本記事で紹介した方法を参考に、無理なくできることから取り入れて、夜遅い食事と上手に付き合っていきましょう。

さらに自分に合った食事管理を実践したい方には、管理栄養士によるオンライン食事指導サービス「CHONPS」がおすすめです。食事の記録や管理栄養士への相談をオンラインで完結できるため、忙しくて食事が夜遅くなりがちな方でも、無理なく続けられます。まずは気軽にチェックしてみてください。

【公式】オンライン食事指導サービスCHONPS

【CHONPS(チョンプス)】食生活を変えたい、でもできない人へ。「食べちゃダメ」がない“食事版”パーソナルトレーニングならどうだろう?

【参考文献】
厚生労働省 健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~「睡眠と生活習慣病との深い関係」
農林水産省「夜遅く食事をとるときは」

執筆者・監修者プロフィール

石本めぐみ

ライター、管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業に勤務。その後、管理栄養士資格を取得し、病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士といった食の現場を幅広く経験する。2022年に独立し、現在は食・健康分野を中心に取材・執筆を行っている。

<Edit:編集部>