
GI値とは。ダイエットにどんな効果がある?GI値が高い&低い食品一覧
食事は量だけでなく質も工夫することで、ダイエット効果を高めることができます。そのひとつが、消化時の血糖値の上昇を示す「GI(グリセミック・インデックス)値」という指標。GI値を理解すれば食事量を大きく制限することなく、効率的に減量を進めるサポートになるかもしれません。
今回は、GI値の見方やGI値の高い食べ物・低い食べ物一覧、低GI値の食事メニューへの切り替え方などを、プロスポーツトレーナーが解説します。
GI値(Glycemic Index:グリセミック・インデックス)とは
GI値とは「グリセミック・インデックス」(Glycemic Index)の略称。食べた食品が、消化された際にどのくらい血糖値を上昇させるかを示した食後血糖値上昇の指標です。
インスリン分泌が多くなると、脂肪が蓄積されやすくなる
食事をすると体内に入った食品は分解され、糖となって血液中に流れ込みます。
血中の糖分が多くなると、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌され、このインスリンの分泌が多くなることがダイエットの妨げとなるのです。
インスリンには細胞に栄養を運び、筋肉を大きくさせる働きがあります。しかし一方で過剰分泌で脂肪を蓄積させる働きもあるため、インスリンの過剰な分泌を抑えることが脂肪の蓄積を防ぐことに繋がるのです。
GI値の高い食べ物はインスリンを多く分泌させる
GI値が高い食品は、摂取すると血糖値が急激に上がってしまいます。そのため、それを処理するためにインスリンの分泌が多くなるのです。
逆にGI値が低い食品は血糖値の上昇が緩やかなため、インスリンの分泌も少なく抑えることができます。
食事量だけでなく、GI値を考慮した食品選びによって行うダイエットを「低インスリンダイエット」と呼びます。血糖値に問題が出る糖尿病の治療のための食事療法です。
しかし最近はダイエットでも効果があると注目され、以後、世界中で広まっています。
GI値の高い食品と低い食品
さっそく、食品のGI値について調べてみましょう。
穀物・パン・麺類
基本的にGI値の高い食品は炭水化物が中心です。ご飯やパン、うどんといった麺類など、誰もが日常的に食べているものは高GI値のものが多くなっています。
食品名/GI値
- 食パン/95
- 精白米/88
- うどん/85
- 餅/85
- パスタ/65
- 蕎麦/54
- 玄米/55
- ライ麦パン/55
低GI値なのがパスタや蕎麦。また、健康的であるとして販売されている、玄米やライ麦パンなどもGI値は低めとなっています。
野菜
野菜の中でジャガイモは糖質を多く含んでいるため、高GI値になっています。その他、ニンジンやトウモロコシ、カボチャなどはGI値が高めです。
食品名/GI値
- ジャガイモ/90
- ニンジン/80
- トウモロコシ/75
- カボチャ/65
- サツマイモ/55
- キャベツ/26
- 大根/26
- ブロッコリー/25
- ほうれん草/15
野菜の中では緑色のものが低GI値の食品となっています。ほうれん草やブロッコリーなどは、ダイエットの代表的な食材でしょう。
お菓子類
砂糖を使用しているお菓子は、高GI値の代表的な食品といえます。また、砂糖がたくさん入っているあんこやジャムも、高GI値の食品です。
食品名/GI値
- 飴/108
- チョコレート/91
- ポテトチップス/85
- ショートケーキ/82
- こしあん/80
- つぶあん/78
- イチゴジャム/82
- カシューナッツ/29
- アーモンド/25
- ピーナッツ/20
「小腹が空いた」などちょっとつまみたいのであれば、アーモンドなどのナッツ系のお菓子がよいでしょう。
飲み物
飲み物は比較的GI値が低いものが多くなっています。
100%果汁ジュースは健康によさそうなイメージがありますが、果物に含まれている糖分“果糖”が多いためGI値は高めです。
食品名/GI値
- ココア/47
- 100%果汁ジュース/42
- カフェオレ/39
- コーヒー(ミルク入り)/35
- 紅茶(ミルク入り)/20
- ブラックコーヒー/16
低GI値の飲み物といえばブラックコーヒー。ブラックコーヒーは、ダイエットに活用されることが多い飲み物です。
GI値を意識した食事の摂り方
ここでは、GI値を意識した食事のポイントをご紹介します。
徐々にGI値を落としていこう
基本的にはGI値が高い白米から玄米へ、うどんから蕎麦へというように、GI値の低い食品に入れ替えていけばよいでしょう。
ただしGI値にも幅があるので、徐々に低GI値にしていくということがポイントになります。とくに長期的にダイエットを行う場合は、食事全体のGI値を段階的に下げていくようにしてください。
GI値の高い食品は筋トレ後におすすめ
GI値の低い食品を摂った方が、体脂肪のない引き締まったカラダづくりに効果的であるのは説明した通りです。しかし、逆にGI値が高い食品を摂った方がよいタイミングがあります。
それは、筋トレ直後です。
筋トレ後のエネルギーが枯渇している状態が長時間にわたって続くと、筋肉が分解されて筋肉量が減少してしまいます。
それを防ぐためには、すぐにエネルギー源である糖分を補給することが効果的であり、その際には高GI値の食品が適しているのです。
たんぱく質+炭水化物の組み合わせがオススメ
トレーニング直後のたんぱく質摂取が筋肉づくりに効果的だということは、ご存知の方も多いでしょう。実はGI値の高い食品を一緒に摂ることで細胞内への吸収が高まり、筋肉づくりの効果も高まります。
たんぱく質だけの摂取よりも、たんぱく質+炭水化物の摂取の方がより多く筋肉がついたという研究報告もあるのです。
トレーニング直後は高GI値、トレーニング直後以外は低GI値の食品を摂取することが、カラダづくりの効果を高めるポイントとなります。
著者プロフィール
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。運営協力メディア「#トレラブ(https://tr-lv.com/)」などで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
公式HP/公式Facebook
<Text:和田拓巳>