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「マスクしながら筋トレ」にメリットはある?トレーニング効果に影響は?医師が解説

 新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、厚生労働省より「新しい生活様式」が公表されました。その中に「マスクの着用」があります。

 トレーニングに励む筋トレ民にも、ジムでのマスク着用は当たり前になるかもしれません。そこで、マスク着用での筋トレにはどのような影響があるのか。酸欠や熱中症の危険性は。

 筋トレを趣味とし、国立がん研究センター研究所がん幹細胞研究分野長を務める医師・増富健吉(ますとみ・けんきち)先生に、マスク着用で筋トレをする効果について伺いました。

マスク着用で筋トレはOK? 呼吸筋アップにもつながる?

「プロのアスリートに対する専門的なトレーニングであれば話は別ですが、一般の人がマスクをつけて行なう筋トレにメリットはないと思います」(増富先生)

 そもそも運動自体が、心臓をはじめとした全身の筋肉の酸素需要量を増やす行為でもあります。運動を行なう際にマスクを着用するという行為は、この必要となる酸素需要量を無視して、いきなり供給量を抑えるという行為であり、危険とも。

「素人目には効率的筋トレに思えるかもしれませんが、たとえば同じく筋肉である心臓にとっては過大な負担となり、狭心症や心筋梗塞の発症につながり命に関わる可能性もあります。まして暑さと運動負荷により脱水傾向に傾いた状態で、故意の酸素供給不足は、心臓にとっては、極めて危険に思います」

 新型コロナウイルスの感染が完全に収束するまで、ジムでのトレーニングにマスク着用は必須となる状況が続くと思われます。ですが、増富先生が警鐘を鳴らす通り、マスクをつけてのハードなトレーニングは思わぬ事故や熱中症の危険を高める行為ともなりますので、くれぐれも注意したいものです。

日本臨床スポーツ医学会と日本臨床運動療法学会の表明も

 「夏季には、マスク等は呼気からの気化熱および顔面の皮膚血管拡張による熱放散を妨げる要因にもなり、熱中症の危険性も高まります」と、夏の屋外運動中のマスク着用は、熱中症の危険性があるとも指摘し、結論として「屋外運動時のマスクや口鼻を覆うものの着用は、基本的には推奨いたしません」としています。

 ただし、両学会は「空いた場所や時間を選び、少人数(できれば一人)で、信号待ち等も含め2m以上のソーシャルディスタンスを保つようにしてください」としている点も留意したいところです。 

 なお、声明文では三密になりやすいとされるロッカールームや更衣室については、改めて危険性を呼びかけ。「使用後のタオルは他人が触れないように気をつけてください(汗からの感染はありませんが、鼻や口も一緒に拭くことでウイルスが付着する危険性があります)」などと伝えています。

「屋外運動時のマスクは推奨しない」。日本臨床スポーツ医学会と日本臨床運動療法学会が共同声明文 より

まとめ

☑ 一般人がマスクをつけて行なう筋トレにメリットはない(プロアスリートが行う専門的なトレーニングであれば話は別)
☑ 暑い環境でマスクをつけたままハードなトレーニングを行うと、心臓に大きな負担をかけるほか、熱中症の危険性も高まる

[監修者プロフィール]
増富健吉(ますとみ・けんきち)
国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長。1995年、金沢大学医学部卒業。2000年医学博士。2001-2007年ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。日本内科学会総合内科専門医、がん治療認定医、日本医師会認定産業医。専門は分子腫瘍学、RNA生物学、内科学。がん細胞の増殖とコロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、どちらにも効く治療薬開発が可能かもしれないと考えている。趣味は筋トレ。

※本記事はMELOSで公開された記事「医師監修:筋トレ民は熱中症に強い?熱中症のメカニズムと筋トレが熱中症予防に効果的なワケとは」を再編集したものです。

<Edit:編集部/Text:京澤洋子(アート・サプライ)/Photo:Getty Images>

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