トクホ(特定保健用食品)のお茶、効果的な飲み方は?管理栄養士が解説
コンビニやドラッグストアの棚にズラリと並んでいる飲料水の数々。健康が気になる人は「せっかく飲むなら身体にいいものにしたい」と思うはず。そんなときにおすすめなのが、トクホ(特定保健用食品)の商品です。
トクホのお茶には特定の効能があり、からだに良いことは確かです。しかし、それらはどのように摂取するのが効率的なのでしょうか。管理栄養士の那須由紀子さんに飲み方のアドバイスをいただきました。
トクホ(特別保健用食品)とは?
トクホとは“薬”ではなく、あくまでも“食品”。特にからだの生理学的機能などに影響を与える“保健機能成分”を含んだ食品を指し、その成分を食べたり飲んだりすることで特定の保健の用途に効果を期待できるものをいいます。特定の保健の用途があることを表示したり、トクホのマークを表示するためには、消費者庁による審査を受け、認可を受けなければなりません。
トクホのお茶の効能は大きく5つに分けられ、主に生活習慣病予防に適するとされます。
タイプA:脂肪を減らすのを助ける
タイプB:脂肪の吸収を抑える
タイプC:糖の吸収をおだやかにする
タイプD:コレステロールを減らす
タイプE:血圧の上昇を抑える
トクホのお茶、気になるギモン
――トクホのお茶と、家庭でお茶っ葉から煎れたお茶とは違いがあるのですか?
急須で入れたお茶は、温度や香りが楽しめます。緑茶にはもともと、カテキンがある程度含まれていますが、トクホのお茶はさらにカテキンを増量して、効果を持たせているものがほとんどです。さらに、難消化性デキストリンなどの成分は家庭で入れるお茶には含まれていませんから、特定の効果は期待できません。
――トクホのお茶は毎日継続して飲んだほうがいいのでしょうか?
特保のお茶は“薬”ではありません。ですから毎日継続して飲んだほうが効果的です。
――それでは1日にどのくらい飲んでいいのでしょう?
どのメーカーも1日1本を推奨しているものが多いです。カフェインが入っていないものは飲みすぎても害はないと思われますが、難消化性デキストリンは飲みすぎるとお腹が緩くなるので注意が必要です。
――お茶も水分ですから、飲み過ぎればお腹を壊しますよね。効果的な飲むタイミングはありますか?
トクホのお茶は、食事の中の糖や脂肪の吸収を抑えるものが多いため、基本的には食事中に飲むと効果が期待できます。特に難消化性デキストリンの入ったものは糖質や脂肪の吸収を穏やかにするので、食前・食中がおすすめです。一方、茶カテキンはいつでもいいのですが、飲みすぎると胃を荒らす可能性がありますので、空腹時は避けたほうがいいでしょう。
――運動と合わせることはどうでしょう?
もちろん運動することで効果が上がります。ぜひ、運動と合わせて健康増進に役立ててください。
[監修者プロフィール]
那須由紀子(なす・ゆきこ)
管理栄養士。プレ・ニュートリション 日本栄養士会認定栄養ケア・ステーション代表。病院管理栄養士として臨床経験を積みながら、分子整合栄養医学を学ぶ。独立後、精神疾患における栄養療法も行う管理栄養士として、栄養指導、うつ病による休職者の復帰プログラムに取り組んでいる。そのほか講演会、セミナー、メディア出演、執筆など、活動は多岐に渡る。著書に『栄養で人生は変わる-食はあなたの人格を作り、人生の良し悪しを決める!-』(旭屋出版)、『疲れた心がラクになる食べ方大全』(永岡書店)がある
【公式HP】https://pre-nutrition.com●『疲れた心がラクになる食べ方大全』(永岡書店) ≫公式ページ
※本記事はMELOSで公開された記事「トクホのお茶飲み比べ11選&管理栄養士に聞いた効果的な飲み方とは」を再編集したものです。
<Edit:編集部/Text:渡辺幸雄/Edit & Photo:丸山美紀(アート・サプライ)>