BCAAの効果とは。プロテインやEAAとの違い、飲むタイミング、おすすめの食べ物[管理栄養士監修] (2/3)
<このページの内容>
BCAAとはどういう栄養素なのか
BCAA=必須アミノ酸のバリン・ロイシン・イソロイシン
必須アミノ酸の中でも、枝分かれした分子構造(分岐鎖)をもつのが「ロイシン」「イソロイシン」「バリン」の3種類で、その構造から「Branched Chain Amino Acids」(分岐鎖アミノ酸)、略してBCAAと呼ばれます。
筋肉や臓器、肌など人体をかたち作っている「たんぱく質」は、「アミノ酸」から構成されています。
このアミノ酸は全部で20種類あり、体内で合成することができないため食事から摂る必要がある「必須アミノ酸(9種類)」と、体内で合成できる「非必須アミノ酸(11種類)」に分けられます。
必須アミノ酸
バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、リジン(リシン)、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン(トレオニン)、ヒスチジン
非必須アミノ酸
アルギニン、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸
BCAAの効果とは
BCAAは筋たんぱく質中の16%を占め、筋肉づくりにとくに効果が高いとされている注目のアミノ酸です。
その働きには「筋肉を増やす」「回復を促進する」「集中力を高める」などの効果があるとされます。
BCAAを飲むタイミング。効果的な摂り方は「運動中」か「直後」
トレーニングの効果を高めるためには、これらBCAAをどのように摂ればいいのでしょうか。
BCAAは摂取から30分程度で血中濃度がピークになります。つまり、筋トレなどの運動をどのくらいの時間行うかにもよりますが、基本的に運動中、もしくは開始すぐに摂るのがよいタイミングになります。
摂取量は1回で5~10gを目安にすればよいでしょう。
BCAAはサプリメントと食事、どっちで摂るか
しかし、運動中にガッツリ食事をするわけにはいきません。
基本的に食事から摂取すると、吸収されるまで時間がかかってしまうので、すぐに効能がほしい運動時にはサプリメントで補うのが効率的です。
運動前には食事やプロテインなどの摂取でアミノ酸の血中濃度を上げ、そのまま運動中にBCAAを摂取していくほうが、筋たんぱく合成や筋持久力の観点でみても効率的です。
BCAAとEAA、違いは?
BCAAを調べている人なら、「EAA」という単語も聞いたことがあるかもしれません。
BCAAもEAAも、アミノ酸を摂取するための栄養です。
BCAAには、必須アミノ酸バリン、ロイシン、イソロイシンが配合されていて、筋肉の合成促進のほか、筋肉の分解を抑制する働きが期待できます。そのため、連続した運動をした場合の疲労感の軽減を狙えると言われています。
トレーニングによる筋疲労を軽減させることにより、質のよいトレーニングを重ねることで効果を得たい場合はBCAAが利用されます。
EAAとは
EAAは、20種類のアミノ酸のうち必須アミノ酸9種類を配合したものです。摂取して高強度のトレーニングが行われたときに筋肥大を狙えるほか、筋たんぱく合成は『BCAA』を上回るとも。
とはいえ、タンパク質の合成には20種類のアミノ酸すべてが必要なので、BCAAやEAAだけ摂るのではなく、バランスのよい食事とサプリメント補助が望ましいでしょう。
BCAAとプロテインの違いは? 代用できる
では、BCAAとプロテインは何が違うのでしょうか。
プロテインはタンパク質。先述の通り、タンパク質は20種類のアミノ酸でできています。
BCAAはそのアミノ酸の中でも「バリン・ロイシン・イソロイシン」を指すため、ほかのアミノ酸は入っていません。
よってBCAAはプロテインの代用にはならないと考えられます。
続いて、BCAAが多く含まれる食品を紹介していきます。