フィットネス
2023年5月30日

すぐできる肩甲骨ストレッチ│肩や背中、脇の筋肉を伸ばす (2/2)

肩甲骨を動かすときのポイント

肩甲骨を上手に使うためには、どのようなケアをしたらよいのでしょうか。

たとえば肩こりがひどいとき、腕を回したり、肩を上下に動かすことはありませんか? これらは、「アクティブレスト(積極的休養)」と呼ばれる疲労回復法です。

そしてアクティブレストの代表に挙げられるのがストレッチであり、とても有効なケア方法のひとつです。

関連記事:“家でゴロゴロ”じゃ疲れはとれない?疲労回復を高める「アクティブレスト」の種類と効果

なるべく力を使わずストレッチする

ここで注意したいのが、肩甲骨をストレッチするときの力加減です。

肩甲骨を動かす筋肉はインナーマッスルが多くなっています。インナーマッスルは体の深層部分にある小さい筋肉群で、だいたい全力の40%くらいまでで活躍しています。それ以上の力を発揮しようとすると、体の表面部分にあるアウターマッスルが幅を利かせてきます。

そのため、肩甲骨のパフォーマンス向上を図るのであれば、なるべく力を使わずストレッチするのがよいでしょう。

肩甲骨にもふさわしい位置(ポジション)がある!

肩甲骨は、簡単に説明すると「上下」「左右」「(ハの字に)開閉」の方向に動きます。しかし、うまく動かすためには、その周囲の筋肉がほぐれていなければいけません。

バスケットボール・バレーボール・野球・ラケットスポーツなど腕を使うスポーツでは、肩への負担を減らしつつもパフォーマンスを向上させるために「ゼロ・ポジション」と「スキャプラ・プレーン」という肩甲骨の位置を意識しています。

「ゼロ・ポジション」とは

肩甲骨にある「肩甲棘(けんこうきょく)」と呼ばれる出っ張ったラインと、上腕骨のラインが一直線になるように腕を上げます。すると、筋肉や骨にかかるストレスを軽減しながら、より力を発揮しやすくなります。

手を頭の後ろで組み、肘を伸ばした位置が「ゼロ・ポジション」と言われています。

「スキャプラ・プレーン」とは

肩甲骨は、上から見て楕円の構造をしている胸郭の後ろに付いており、30~40度ほど斜めになっています。

この肩甲骨面に沿って腕を上げると、腕は真横よりも前に来ます。そこが自然で本来の位置となり、ストレスや負荷が少なく力を発揮しやすい位置です。これを「スキャプラ・プレーン」といい、日本語にすると「肩甲骨面」という意味になります。

この2つのポジションを利用して、腕だけでなく肩甲骨を利用した腕の動きを行うようになると、パフォーマンスを向上させることができます。

しかし、筋肉が固まっていては意味がありません。筋肉が固まるもっとも大きな原因は、同じ体勢で居続けること。そのため、長時間同じ体勢で居続けるデスクワークは大敵です。

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<プロフィール>
赤堀達也(あかほり・たつや)
1975年・静岡県出身。小中大でバスケを指導し、独創的理論・論理的指導で体力テスト低水準校が県大会優勝するなど選手育成を得意とする。最高戦績は全国準優勝。
2019年度より旭川大学短期大学部准教授として、この理論を応用した幼児体育・健康の研究を行い北海道の子どもの体力向上に努める。またパーソナルストレッチやスポーツスタッキング、部活動改革にも取組む。
[HP] https://mt-a.jimdo.com

<Text:赤堀達也>

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