肩甲骨ストレッチ
フィットネス
2023年10月23日

肩甲骨の動きをよくする「可動域ストレッチ」効果的なやり方 (1/2)

「なんだか肩が痛い」「肩の動きが悪い」という不調を感じている。それは、肩甲骨の動きが悪くなっていることが原因のひとつとして挙げられます。肩甲骨の動きをよくする(=可動域を広げる)ストレッチの効果とやり方を紹介します。

肩甲骨の動きとは

まずは、簡単に肩甲骨の動きについて確認してみましょう。

挙上(きょじょう)

肩甲骨を引き上げる動きで、肩をすくめたような姿勢になります。

下制(かせい)

挙上とは逆に、肩甲骨を引き下げる動きで、肩を落としたような姿勢になります。

内転(ないてん)

肩甲骨を内側に寄せる動きで、肩甲骨を中心に寄せ、胸を張るような姿勢になります。

外転(がいてん)

肩甲骨を外側に開く動きです。大きなボールを抱えるときのように、背中を丸めるような姿勢になります。

上方回旋(じょうほうかいせん)

肩甲骨を外側に開きながら上に傾けていく動きで、バンザイするような姿勢になります。

下方回旋(かほうかいせん)

肩甲骨を内側に閉じながら下に傾けていく動きで、脇を締めるような姿勢になります。

肩甲骨にはこの6つの動きがあります。どの動きもスムーズにできることで、肩が大きく動くようになるのです。

肩甲骨が硬いと手が上がらない

皆さんは、真上まで腕を伸ばすことができるでしょうか。なかには「硬くてしっかり上がらない」という人がいるかもしれません。

実のところ、これは肩の関節や筋肉だけが問題ではありません。肩甲骨は、腕を上げるのに重要な役割を持っているのです。

腕を真上に伸ばすとき(正確には横から真上に上げるとき:肩の外転動作)は、腕の骨である上腕骨と肩甲骨が2:1の比率で動きます。

これを「肩甲上腕リズム」といいます。

たとえば腕を90度に真横に上げたときは“上腕骨60度・肩甲骨30度”の角度で動き、腕を垂直に(180度)上げたのであれば、“上腕骨120度・肩甲骨60度”です。

腕が真上に伸びない場合、上腕骨は動いているが肩甲骨が硬くて動いていない、あるいは肩甲上腕リズムが崩れているパターンが考えられます。

それを改善するためには、肩甲骨まわりのストレッチが効果的です。

肩甲骨の可動域を広げるストレッチ

肩甲骨の可動域を広げるために、肩甲骨まわりの筋肉のストレッチを行いましょう。今回は、簡単で効果的なストレッチをご紹介します。

肩甲骨周辺筋群のストレッチ《その1》

1.パワーラックの柱や家の柱の前に立ち、片手で柱を掴みます。

2.柱をつかんだ手の肘を伸ばしたまま、肩甲骨のあたりがストレッチされるよう背中を丸め、後ろに重心を移動させてカラダを引っ張ります。肩甲骨で柱を引っ張るようなイメージで行うとわかりやすいでしょう。

3. 15秒間キープし、反対側も同じように行います。

柱を掴んでいる腕側の肩甲骨が外転しているのを意識しながら行ってみてください。

肩甲骨周辺筋群のストレッチ《その2》

1.片側の手を脇腹にあてます。このとき、手のひらではなく手の甲を脇腹につけるようにしましょう。

2.もう片方の手で脇腹にあてた側の腕の肘をつかみ、肘を内側に入れるように力を入れます。

3.伸びていることを感じられるあたりで、15秒間キープします。

4.反対側も同様に行いましょう。

肩甲骨まわりが硬いと、肘がほとんど動かないことがあります。その場合は、脇腹につけた手を少しおへそ側にずらしながら行うとストレッチしやすくなります。

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