「野菜ジュースは体に悪い」ってホント?管理栄養士監修 (1/3)
野菜不足やビタミン不足を補うために野菜ジュースを飲んでいる人も多いかと思いますが、「野菜ジュースは体に悪い」話も。一体どっち?
たいや内科クリニック管理栄養士 林 安津美に聞いてみました。野菜不足は補えるのか、毎日飲むとどうなるのか。野菜ジュースのメリット&デメリットを見ていきましょう。
「野菜ジュースは体に悪い」は嘘?本当?
「野菜ジュースは体に悪い」という話は極端です。
野菜ジュースは、ビタミン・ミネラルなどの栄養素が豊富です。これらの栄養素は、健康を維持するためにプラスに働くと考えられます。
「野菜ジュースは体に悪い」と言われている理由
野菜ジュースには、野菜・果物・その他添加物による糖質が含まれていることがほとんどです。
過剰な糖質摂取は、健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、健康に悪いという噂が流れたのかもしれません。
野菜ジュースのメリット&デメリット
一般的な市販の野菜ジュースのメリットとデメリットをご紹介します。
野菜ジュースのメリット
- 手軽に野菜に含まれている栄養素(ビタミン・ミネラルなど)を摂れる
- 栄養素によっては、生野菜よりも消化が良い(リコピン・βカロテンなど)
- 血糖値の急上昇を抑えられる
- 甘味があるジュースが多いので、野菜が苦手な人でも飲みやすい
野菜ジュースの1番のメリットは、手軽さでしょう。場所を選ばず、栄養補給できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
また、カゴメ株式会社が日本病態栄養学会で発表した研究によると、食前に野菜ジュースを飲むことで食後の血糖値上昇を抑えられるそう。(糖質が多い場合は、上昇する可能性もあり得ます) これはダイエット中の人にとっては魅力ですよね。
野菜ジュースのデメリット
- 糖質の過剰摂取につながる可能性があり、飲みすぎると太る
- 水溶性ビタミンは製造過程で失われやすいため、含有量が少ないことが多い
- 野菜に豊富な不溶性食物繊維が入っていないことが多い
- 野菜ジュースだけでは必要な栄養素を補えない
一般的な市販の野菜ジュースの場合、野菜を加熱・絞るなどの処理をして、ジュースを製造します。その過程で、水溶性ビタミンや不溶性食物繊維などの量が減少すると考えられます。
製品によっては、これらの栄養素を後から添加しているジュースもあるので、詳しくは栄養表示を確認すると良いでしょう。
「野菜ジュースは毎日飲むな」という人もいるが…
バランスの良い食事にプラスする形で野菜ジュースを毎日飲むと、必要な栄養補給のサポートとなり、健康面・美容面などに良い影響を与えられると考えられます。
しかし、野菜ジュースを毎日過剰摂取(製品によって異なりますが、200mlの野菜ジュースを1日2~3本以上)した場合、カロリーや糖質の過剰摂取となり、太る可能性が高いです。
飲む量・食事の栄養バランスなどに気を付けて、野菜ジュースを活用しましょう。
「野菜ジュースを毎日飲むと、肌が変色する」はホント?
野菜ジュースを毎日飲み続けると、肌が黄色っぽく変色する可能性が考えられます。
これは、柑皮症(かんぴしょう)という症状によるものです。柑皮症は、食品に含まれるβ-カロテンというカロテノイドが体内で蓄積することによって起こります。β-カロテンは、野菜に含まれるオレンジ色や黄色の色素であり、特にニンジンやカボチャなどの野菜に多く含まれています。
柑皮症って体に悪い? どうやったら治る?
柑皮症になったからといって、体に害があるわるわけではありません。柑皮症は、β-カロテンの蓄積が原因なので、β-カロテンの摂取量を抑えることで、自然と症状が治まると考えられます。
「野菜ジュースを毎日飲むと、糖尿病になる」はホント?
野菜ジュースを毎日飲むことが、直接的に糖尿病につながるという噂は間違いだと言えるでしょう。
野菜ジュースは、フルーツジュースや清涼飲料水などと比べて糖質量が少なく、血糖値への影響は低い傾向があります。そのため、一般的な野菜ジュースの摂取が糖尿病リスクを高くするわけではないと言えるでしょう。
ただし、過剰摂取すると、カロリーと糖質の過剰摂取につながるため、糖尿病リスクが高まると言えます。飲みすぎには注意しましょう。