健康のためには1日どれくらい歩けばいい?「1日1万歩」は歩きすぎかも (1/2)
健康のために、毎日1万歩を歩くことを目標にしている人は多いかもしれません。1日1万歩というキリのいい目標を達成することで、体脂肪を落とす、ダイエット、高血圧対策、あるいは心臓病の罹病リスクを減らすなどの効果があると信じられてきました。
しかし、実際に取り組んでみればわかりますが、1万歩のウォーキングは容易ではありません。ずいぶん長い時間がかかりますし、歩く距離もかなりのものです。
せっかく歩数計を身につけて歩き始めても、1万歩というハードルの高さについ音を上げてしまった人もいるかもしれません。「自分には無理だ」と、始める前から諦めてしまう人もいるでしょう。
そんな中、「それほどたくさん歩かなくても健康効果がある」と提言する学術論文が最近発表されました。
その論文(※)は米国の内科医学ジャーナルで発表されており、ハーバード大学のアイ=ミン・リー博士や東京大学の鎌田真光博士らが論文著者に名を連ねています。
7500歩を超えると平均寿命を伸ばす効果はほぼ変わらなくなる
この研究では、およそ1万8000人という膨大な数の女性被験者に歩数計を着用してもらい、7日間の歩数を集計した後、最長で4年間の追跡調査を行ったものです。
その結果、1日あたりの平均歩数が2700歩以下のグループが、もっとも死亡率が高くなることがわかりました。
1日あたりの平均歩数が4400歩まで増えると、死亡率は41%低くなり、平均歩数が増えるにつれて平均寿命も比例するように伸びます。しかし7500歩を超えると、それ以上はほとんど変化しなくなるということです。
また、歩くスピードが寿命に影響しないこともわかっています。
早歩きをしなくても健康効果にはつながる
たくさん歩くことは健康にいい。このこと自体に間違いはないでしょう。しかし論文によれば、1日1万歩まで歩かなくても、また特に早歩きをしなくても大丈夫とのこと。
もちろん、1万歩以上歩いたら悪影響があるというわけではありません。しかしその効果は、7500歩程度とあまり変わらないという結論が出ています。