ヨーグルトを食べ過ぎるとどうなる?「病気(癌)になる」ってホント?[管理栄養士監修] (1/2)
腸内環境を改善し、便秘解消に役立つヨーグルトですが、食べ過ぎるとどうなるのでしょうか? ヨーグルトの食べ過ぎによるデメリットを、管理栄養士の望月 理恵子さんに聞いてみました。
どれくらいで食べ過ぎとなるのか、食べ過ぎによって癌になるという噂は本当なのでしょうか。
ヨーグルトを食べ過ぎるデメリット
ヨーグルトは、多くのメリットをもたらしてくれる食べ物です。しかし、必要以上に食べ過ぎることでデメリットも生じます。
デメリット1 カロリーオーバーにより太る
ヨーグルトを食べ過ぎると、糖質と脂質の過剰摂取により太る恐れがあります。とくに、加糖タイプのヨーグルト、飲むヨーグルトの過剰摂取は要注意です。
▼糖質と脂質が肥満につながるしくみ
糖質 | 過剰に摂取すると、体内で活用されず余ってしまいます。すると、余った糖質が脂質へと変換されて、体に貯蓄され肥満の原因になります。 |
脂質 | ヨーグルトには乳脂肪という脂質が含まれています。ヨーグルトの過剰摂取は脂質の過剰摂取につながり、糖質と同様、過剰摂取により余った脂質は体に蓄積されるため肥満の原因となります。 |
デメリット2 下痢になる・お腹を壊す
ヨーグルトの食べ過ぎにより、下痢やお腹を壊す(腹痛)といった症状があらわれることがあります。これらは、乳糖不耐症の人に多くみられます。
ヨーグルトを消化するための酵素(ラクターゼ)が少ない乳糖不耐症の人は、ヨーグルトの消化がスムーズに行えず、消化不良により、下痢や腹痛等の症状が出ることがあります。
牛乳に比べ、ヨーグルトの乳糖はある程度分解されていますが、食べ過ぎにより症状が出ることがあります。ちなみに、成人の4人に1人(25%)ほど乳糖不耐症だと言われています。
デメリット3 アレルギー反応を起こす場合がある
ヨーグルトを食べ過ぎることで、遅延型フードアレルギーを発症する恐れがあります。
特定の食品を大量に摂取すると、IgE抗体が大量に合成され、アレルギーを引き起こします。主な症状としては、喉の痛み、蕁麻疹、呼吸困難等です。どんな食べ物も食べ過ぎには注意しましょう。
デメリット4 栄養バランスが偏る
ヨーグルトばかり食べ過ぎていると、それだけでお腹がいっぱいになってしまうこともあるでしょう。この場合、必要な栄養分を補えなくなり、栄養不足に陥ります。
ヨーグルトには、ビタミンC・ビタミンE・食物繊維がほぼ含まれていないため、様々な病気を発症するリスクを上昇させる恐れがあります。
デメリット5 ガス(おなら)が溜まる
ヨーグルトに含まれる乳糖が原因で、食べ過ぎるとガスが発生しやすくなる、おならの臭いが強くなる場合があります。
乳糖を消化する酵素が少ない・持っていない場合、乳糖の分解と吸収を行えません。そのため、消化不良の成分が胃腸内に溜まり徐々に腐敗して、有毒ガスを発生させる恐れがあります。
身体の中の有毒ガスが増えると、おならの増加や強烈な臭いの発生につながります。