2024年6月24日

アルコールは筋トレ効果を台無しにさせる?お酒(飲酒)が筋肉に及ぼす悪影響 (1/2)

「筋トレを行っている人はお酒も強そう……」なんていうイメージをお持ちの方、多いのではないでしょうか。実際にカラダの大きなスポーツ選手には、お酒が強いという豪快なエピソードや噂をよく聞きます。しかしスポーツ選手にとって、飲酒はパフォーマンスに影響はないのでしょうか。

今回はスポーツの中から筋トレにターゲットを絞り、筋トレとアルコールの関係を見ていきましょう。これから筋トレでカラダ作りをしようとしている人はもちろん、「筋トレも飲酒も両方大切だ!」という人も必見です。

アルコールによって起こる筋トレへの悪影響

まずは、アルコールがカラダづくりに影響する要因を確認してみましょう。

テストステロンの分泌量が減少するおそれ

アルコールによる筋トレへの弊害として挙げられるのが、ホルモンの一つ「テストステロン」分泌への影響。このテストステロンは、摂取したたんぱく質を合成させ筋肉を作るという働きを持っています。

筋トレの刺激によって分泌されるのですが、アルコール摂取によりこのテストステロンの分泌量が減少するとされているのです。

関連記事:男性ホルモン「テストステロン」が高い男性、低い男性の特徴【調査】

筋肉の合成を促すシグナル伝達経路の活動が低下するおそれ

また、筋トレやたんぱく質の摂取により、筋肉の合成を促す「mTOR(たんぱく質キナーゼ)」と呼ばれるシグナル伝達経路が活発になることが分かっています。

しかしアルコールを摂取することで、mTORの活動が低下するという結果を発表している研究もあります。

コルチゾールの働きで筋肉の分解を促進されるおそれ

その他にも、アルコール摂取によって分泌される「コルチゾール」というホルモンには、血糖値をコントロールする働きがあります。

コルチゾールには、エネルギー源である糖を生み出すために、筋肉の分解を促進させてしまう作用も。筋肉の分解は筋肉量の低下に繋がり、カラダづくりにとって悪影響を及ぼすのです。

このように、多くの研究でアルコールが筋トレの筋合成効果を阻害するという結果が出ています。

「お酒はエンプティカロリーだから太らない」はホント?

たしかにお酒のカロリーはすぐにエネルギーとして消費されるが……

「お酒はエンプティカロリー。飲んでもすぐにエネルギーになるから太らない」という話を聞いた人もいるかもしれません。

確かにアルコールは、摂取後すぐエネルギーとして使われるために分解されます。しかし、アルコールのエネルギーを消費している時は、食事から摂取したエネルギーは消費されていません。

その結果、エネルギー過多となってしまい、余った分のエネルギーが体脂肪として蓄積されてしまうのです。

ビールに含まれる“糖質”がポイント

ビールの主原料は大麦の麦芽。それに含まれるでんぷん質をビール酵母が分解してアルコールに変化させること(発酵)でビールが誕生します。つまり、本来のビールには原料となる糖質が必ず必要なのであり、ビールならではの旨味のもとにもなっています。

糖質は“カラダのエンジン”のようなもの。カラダを動かすためのエネルギーとなるのですが、エンジンとして使われずに余った分は中性脂肪として体内に蓄積されるため、肥満や病気になりやすくなってしまいます。

つまり、糖質の摂り過ぎはNGなのです。

アルコールによる食欲増進に注意

しかも、アルコールを摂取している時は食欲も高まるもの。アルコールだけをとっていればそれほど心配はないかもしれませんが、お酒に合う料理の多くは糖質や脂質が多く、また塩分なども多く含まれているものがほとんどです。

料理を一切食べずに飲み続けるという人は良いかもしれませんが、そうではない人は体脂肪が蓄積されてしまいます。

1 2