
Q.記憶力をアップさせる食べ物ってあるのでしょうか?管理栄養士さん! (1/3)
「歳のせいか記憶力が低下したと感じる」そんな方に聞いてほしい、記憶力に関わる食べ物や飲み物のお話。管理栄養士・食育栄養インストラクターである神原李奈さんに伺いました。
記憶力をアップさせる食べ物ってあるの?
神原先生:記憶力に関係する栄養素には、糖質・ビタミンB1・ビタミンB12・DHA・カルシウム・フラノバールが挙げられます。これらの栄養素を継続的に摂取することで、記憶力の向上に繋がると考えられます。
それぞれの栄養素と記憶力の関係について、解説しましょう。
<糖質>
脳の主なエネルギー源の糖質は、脳を働かせるために大切な栄養素です。
<ビタミンB1>
脳の主なエネルギー源である糖質の代謝に必要なビタミンです。また、ビタミンB1欠乏症のウェルニッケ脳症の後遺症であるコルサコフ症候群の症状に、記憶力の低下があります。
このことから、ビタミンB1は記憶力と関係があると言えます。
<ビタミンB12>
神経機能を正常に保つために必要な栄養素であり、不足すると記憶障害が起こることがあります。
<DHA(ドコサヘキサエン酸)>
脳を含む神経組織にDHAが多く存在し、神経伝達物質の受け取り感度を高めることで、情報をスムーズに伝える働きがあると言われています。
ネズミを使った記憶力に関する実験では、DHAを与えたネズミの方が迷路でエサにたどり着く正解率が高かったと報告されています(※)。
※jn.The Journal of Nutrition
Intakes of Dietary Docosahexaenoic Acid Ethyl Ester and Egg Phosphatidylcholine Improve Maze-Learning Ability in Young and Old Mice
<カルシウム>
神経伝達に関わる物質であり、不足すると認知障害を引き起こす可能性があります。
<フラバノール>
カカオ豆に含まれるポリフェノールの一つであるフラバノールの継続的な摂取により、高齢者の認知機能の改善に繋がったというイタリアの研究結果があります。
これは、フラバノールの脳の歯状回という部位への血流量を増やす働きが関係していると考えられています。
記憶力の向上に繋がるおすすめの食べ物・飲み物
神原先生:先述した栄養素を多く含む食べ物や飲み物は、次のようなものが挙げられます。