ウェルネスフード
2025年4月28日

「コーン茶(とうもろこし茶)」の発がん性物質が心配…本当のところはどうなの?

コーン茶に「発がん性が懸念される」という噂がありますが、本当でしょうか。

考えられる懸念点について、総合診療を得意とする浅草橋西口クリニックMoの頴川 博芸先生監修の以下記事より、一部抜粋してお届けします。

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コーン茶が発がん性物質を含んでいるって本当?

コーン茶が直接発がん性物質を含むという証拠はありません。ただし、焙煎する際にアクリルアミドという物質が微量発生することがあります。

これは高温調理された炭水化物食品に含まれる成分ですが、通常の摂取量で健康被害が出るとは考えにくいでしょう (※1)。

厚生労働省の食品安全委員会は「食品中に含まれるアクリルアミドを摂取した際の影響については、発がん性の有無を含め、解明されていません」としたうえで、「動物実験の結果、極めて高用量のアクリルアミドを投与した場合に発がん性が報告されていることから、人に対しても発がん性を有する可能性が考えられています」と述べています。

過程で焙煎する際に出るような極めて微量のアクリルアミドが、人に対して発がん性を示すかどうかについては、調査研究が進められています。

とはいえ、各国の公的機関では、とくに今までの食生活を変えるように指導しているところはなく、油で揚げるなど、従来から行われてきた高温加熱の料理方法でもアクリルアミドを食品とともに摂ってきたと考えられますので、これまでの食生活をただちに見直す必要はないとしています(※2)。

高温で焙煎されたコーヒー豆やほうじ茶など、さまざまな食品に含まれるため、コーン茶のアクリルアミドを気にするより、炭水化物を長時間、高温で加熱しないことや、バランスのとれた食事や運動ができているかという点を意識するとよいでしょう。

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参考資料
(※1)農林水産省 食品中のアクリルアミドに関する情報
(※2)厚生労働省 食品安全委員会 加工食品中のアクリルアミドについて

監修者プロフィール

浅草橋西口クリニックMo院長
頴川 博芸(えがわ・ひろき)先生

外科医、訪問診療医、産業医。浅草橋西口クリニックMoにて内科、外科、皮膚科など、全身を診る総合診療を実践。

保有資格・所属学会
日本専門医機構認定外科専門医
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
日本旅行医学会認定医
日本温泉気候物理医学会温泉療法医
東京都認知症サポート医
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本腹部救急医学会
日本大腸肛門病学会
日本在宅医療連合学会
順天堂大学医学部附属順天堂医院 食道・胃外科 非常勤助手
難病指定医
小児慢性特定疾病指定医

<Edit:編集部>