
腹筋トレーニング、1日何回がもっとも効果的?「毎日100回」は意味ナシ!
お腹を引き締めたいときにまず行う「腹筋運動」。しかし「毎日やるのが効果的なのか」「1日に何回やればいいのか」といった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
この記事では、プロのトレーナーの意見を交えながら、腹筋トレーニングの回数の考え方についてまとめています。「毎日50回」「100回」は残念ながら逆効果のようです。
腹筋トレーニングの回数、多ければ多いほうがいい?
プロスポーツトレーナー歴16年の和田拓巳さんは、次のように語ります。
和田さん:腹筋トレーニングを含む筋トレは、たくさんやればいいというわけではありません。目的によって回数は異なります。
腹筋の筋力や筋肥大を求める人は、10回程度で限界になるよう負荷を調整しましょう。大事なのは「10回」ではなく「10回程度で限界になるキツさ」です。
筋トレの回数の目安
■筋肥大、ダイエットが目的
8〜12回程度で限界を迎える負荷設定で行いましょう。
■筋力向上が目的
3〜7回程度で限界を迎える負荷設定で行いましょう。トレーニングチューブやダンベル、バーベルなどで負荷を高めて強度調整するのもよいでしょう。
■筋持久力をつけたい
13~20回程度で限界を迎える負荷設定で行いましょう。
和田さん:腹筋運動は、なぜか「高レップ(回数)」で行っている人が多いエクササイズです。
高レップでは筋持久力が強化され、筋力や筋肥大は起こりにくいとわかっている人でも、何百回も腹筋運動を行ってしまうので不思議です。
繰り返し行われる腹筋運動は、腰を傷める原因にもなります。
腹筋も筋力向上や筋肥大のためであれば、ほかの筋肉同様、負荷を高めて行う必要があります。
回数ではなく、ダンベルなどで負荷を高めるのが正解!
和田さん:腹筋の筋力や筋肥大を求める人は、10回程度で限界になるよう、負荷を調整する必要があります。その際に効果的なのが、マシンやダンベル、トレーニングチューブを使ったやり方です。
チンニング(懸垂)バーを使った「ハンキングレッグレイズ」などは強度が高く、かつ腰部への負担も少ないメニューです。
腰が痛みやすい人におすすめのトレーニングメニューは?
和田さん:シットアップやクランチを行うと、腹筋に効く前に腰が痛くなるという人も多いようです。
それらのエクササイズが腰に負担をかけるだけでなく、無理に起き上がろうとして背部の筋肉を緊張させてしまうことで、疲労によって痛みを引き起こしている場合があります。
そのような人は、「プランク」や「サイドブリッジ(サイドプランク)」のようなエクササイズを中心に行うとよいでしょう。
監修者プロフィール
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師のほか、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、さまざまなメディアで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会(JATI-ATI)の認定トレーニング指導者
公式サイト/公式Facebook
腹筋が割れない原因は筋トレ以外にある
毎日腹筋トレーニングを頑張っているのに、なぜか腹筋が割れない。100回もやったのに! ……な~んて、よく耳にします。
実は、腹筋が割れない原因は筋トレ不足ではなく、体脂肪率や食事、そしてトレーニングの仕方に“落とし穴”があることが多いのです。
パーソナルトレーニングジム STUDIO KOMPAS(スタジオコンパス)のトレーナー・山岸慎さんに、腹筋トレーニングを続けてもお腹が割れない“当たり前の理由”を聞きました。
腹筋トレーニングを続けても割れないおもな原因
山岸さん:腹筋を割るには大きく2つの要素が必要になります。
1. 脂肪量
2. 筋肉のボリューム
脂肪量多い × 筋肉ボリューム少ない = 割れない
脂肪量少ない × 筋肉ボリューム少ない= 割れる
脂肪量少ない × 筋肉ボリューム多い = 割れる
脂肪量多い × 筋肉ボリューム多い = 割れない
腹筋はもともと解剖学的に「割れた構造」をしており、もし割れて見えないとしたら、ほとんどの場合は脂肪がその割れめを覆っているからです。
つまり、腹筋が割れない要因の大半は「脂肪量が多い」ことに依存しています。
確実に腹筋を割るために、どんな運動を優先すればいい?
山岸さん:脂肪量を減らす手段としては、まず有酸素運動が効果的です。
おすすめは、軽く息が上がるけれども運動を続けられる程度のペースで行うこと。ジョギングやウォーキング、バイクエクササイズ、水中ウォーキングなど、選択肢は多彩です。
慣れていない人は短時間から始め、徐々に時間・強度を上げていくと継続しやすいでしょう。
呼吸が乱れるほどのハードな運動よりも、息が少し上がるくらいの負荷で長く動き続けるほうが、脂肪燃焼効果を高めやすくなります。
監修者プロフィール
トレーナー山岸 慎
2011年からトレーナーとして、モデル・アーティスト・俳優のサポートを行う。現在はJリーガーなどトップアスリートをはじめ、運動初心者まで様々な身体レベルの方のトレーニング指導を行なっている。所有資格NSCA-CSCS。
・パーソナルトレーニングジム STUDIO KOMPAS渋谷南平台
・ストレッチリラクゼーションサロン ESL(エッセンシャル ストレッチ ラボ)
<Edit:編集部>