
スクワットでお尻に効かせるコツ|トレーナーが教える太ももに頼らない『正解』フォーム (1/2)
スクワットをしても、お尻に効いているのかよくわからない…そんな時は、フォームや動かし方をよーくチェックしてみてください。
お尻の筋肉である大殿筋をしっかり働かせるには、股関節の動きと重心の位置がポイント。わずかなフォームの違いで、効き方が驚くほど変わります。
人体構造に詳しいパーソナルトレーナー・三原 大和さんが、「理想のヒップを育てる」スクワットの極意を教えてくれました。
スクワットで意識したい『お尻の筋肉』
ヒップアップを狙うなら、まずはどの筋肉を動かしているのかを理解することが大切です。お尻の形をつくる「大殿筋」を中心に、支える筋肉もバランスよく働かせることで、美しいヒップラインが育ちます。
大殿筋(だいでんきん)
お尻の大部分を占めるメインの筋肉。股関節を伸ばす動きで最も強く働き、ヒップアップに直結します。スクワットでは「立ち上がる瞬間」にこの筋肉が収縮するため、かかとで床を押す意識を持つと効果的です。
中殿筋(ちゅうでんきん)
骨盤の横に位置し、ヒップラインの丸みを支える筋肉です。歩くときや片脚で立つときの安定にも関係します。フォームが崩れて膝が内側に入ると使われにくくなるため、膝とつま先を同じ方向に向けて動かしましょう。
ハムストリングス
太ももの裏側にある筋肉群。大殿筋と連動して股関節を伸ばすため、ヒップアップと同時に脚の後ろを引き締めます。しゃがむときにしっかりお尻を後ろへ引くと、ハムストリングスが自然に伸びて、お尻との境目をきれいに整えます。
お尻に効かせるスクワットフォームの基本
お尻に効かせるには「股関節主導」「かかと重心」「深くしゃがむ」の3点が鍵です。動作を理解してフォームを整えることで、太ももではなく大殿筋を正しく使えます。
股関節からしゃがむ
お尻の筋肉を使うには、膝ではなく股関節から動かすことが欠かせません。椅子に腰をかけるように、お尻を後ろに引きながら上体をやや前傾させます。
背中はまっすぐを保ち、お尻をプリッと出すイメージで、骨盤を後ろに傾けないよう注意します。太ももと床が平行になる深さまでしゃがむと、大殿筋の伸びを最大限に感じられます。
かかと重心で床を押す
スクワットの動作中は、体重の約7割をかかとにかけます。つま先側に重心が移ると太ももの前側が優位になりやすく、お尻に刺激が入りません。
立ち上がるときは「かかとで床を押し上げる」意識を持つと、大殿筋がしっかり働きます。特にトップでお尻を締めるように意識すると、ヒップアップ効果が高まります。
背中をまっすぐ保つ
背中が丸まると骨盤が後傾し、筋肉が十分に収縮できません。お尻を引くと同時に胸を張り、頭から腰まで一直線をキープします。
腰を反らせすぎると腰痛の原因にもなるため、あくまで自然な背骨のカーブを維持することが大切です。
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