ウェルネスフード
2025年11月14日

毎日豆乳を飲むと体に悪い?管理栄養士が解説する、大豆イソフラボンと女性の健康の意外な関係 (1/3)

美容や健康のために豆乳を飲む習慣を付けている方も多いのではないでしょうか。その一方で、「摂りすぎると体に悪い」というウワサを耳にしたことはありませんか?

とくに、大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンに似た働きを持つため、その摂取量には注意が必要だと考えられています。大豆イソフラボンが女性の健康に与える真の影響とは?その効果を最大限に引き出すために、大豆製品とどのように付き合っていくべきなのか?

大豆イソフラボンの摂取と女性の健康の関係性について、腸内フローラ検査「Mykinso(マイキンソー)」を提供する、株式会社サイキンソー管理栄養士の小川 静香さんに伺いました。

目次
第1章:大豆イソフラボンにまつわるウワサの真偽 —「摂りすぎると体に悪い」ってホント?
第2章:鍵は「腸」にあった!大豆イソフラボンの力を活かせる人とそうでない人
第3章:今日から始める、自分に合った「大豆製品の摂り方」

第1章:大豆イソフラボンにまつわるウワサの真偽 —「摂りすぎると体に悪い」ってホント?

豆乳や豆腐はヘルシーの象徴…のはずが、なぜ「リスク」が囁かれるのか?

豆乳や豆腐といった大豆製品は、健康や美容に良い食品として広く知られています。

その一方で、「摂りすぎると体に悪い」「女性ホルモンのバランスが崩れる」といったウワサがあるのも事実です。

というのも、こうした大豆製品には「大豆イソフラボン」という成分が含まれており、この成分にウワサの真相が隠されているのです。

大豆イソフラボン摂取のメリットと過剰摂取が招くリスク

大豆イソフラボンには、体内で女性ホルモンと似た働きをする「女性ホルモン様作用※1」があるとされています。

この作用は、女性ホルモンが低減することで起こる更年期症状やPMS(月経前症候群)を緩和したり、骨密度を維持してくれたり、しみ・しわ予防に役立つなど、女性の健康と美容に嬉しい効果をもたらしてくれます。

なぜ大豆イソフラボンの摂取により、女性ホルモン様作用が発生するのか、そのメカニズムについては第2章でさらに詳しくご説明します。

サプリメントなどで大豆イソフラボンを過剰に摂取すると、ホルモンバランスの乱れを誘発してしまう恐れもあり、女性特有疾患への影響が懸念されます。

これが、「摂りすぎると体に悪い」というウワサの真相です。どんな食品でも、食べ過ぎたら悪影響ですよね。とはいえ、通常の食生活で、大豆食品から大豆イソフラボンを摂る分には問題ないことがほとんどです。

一方で、特定保健用食品(サプリメントなど)による過剰摂取には注意が必要とされています。内閣府食品安全委員会の安全性評価結果に基づき、大豆イソフラボンの摂取目安量の上限はアグリコン換算値で70~75 mg/日とされ、また、特定保健用食品として摂取する場合の上乗せ摂取量の上限値は30mg/日とされています。

サプリメント等で摂取する際には、用量を守って摂取してください。

おすすめしたい大豆食品「豆乳」

大豆食品は、大豆イソフラボンだけが含まれているわけではありません。それ以外の栄養素としては、大豆たんぱく質や、鉄や銅・亜鉛などのミネラルや、食物繊維、大豆オリゴ糖など優秀な栄養素ばかりです。

おすすめしたい大豆食品のひとつに、手軽に摂取できる豆乳が挙げられます。

商品によって異なりますが、1日200ml位(大豆イソフラボン量約50mg)を目安に豆乳を飲むことをおすすめしたいです。

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※1:体内で女性ホルモンと似た働きをする作用のこと。女性ホルモンと化学構造が似ている大豆イソフラボンなど植物由来の成分が、体内でエストロゲンの受容体と結びついて作用することで起こる。

第2章:鍵は「腸」にあった!大豆イソフラボンの力を活かせる人とそうでない人

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