2020年の舞台に立つために。3人制バスケ・根岸夢が見据える東京五輪(後編) (1/2)
2020年に開催される東京オリンピックから正式種目となる3人制バスケットボール「3×3(スリー・バイ・スリー)」で、今年4月に全国大会優勝を果たした根岸夢選手。前回は競技を通じて感じている魅力や、5人制バスケットボールとの違いについて語りました。今回は目指す東京オリンピックへの出場に向け、現在の取り組みや課題、意気込みなどを伺います。
チーム全体で練習できる機会はとても少ない
バスケットボールのようなチームスポーツでは、やはりメンバー間の連携がとても大きなポイントとなります。各個人がスキルを磨くことはもちろん、試合形式などメンバー全員での合同練習も重要となるでしょう。しかし実際のところ、日々の練習でチームメンバーが揃うことは、とても少ないそうです。
「練習は基本的に各自で行っています。大学に行ったり、実業団の練習に参加したり、あるいはジムへ行ったり。全員が集まる機会は、あまり多くありません。スケジュール調整はもちろん、体育館で練習しようとしても、なかなか空いていないんです。私も、よく他チームなどに混ぜてもらって練習しています」
「3×3」は屋外でプレイするため、暑さに負けないよう取り組んでいるとのこと。長袖長ズボンで走ることもあるそうです。さらに、根岸選手は自分なりのトレーニングをいくつか行っています。
「感覚が鈍らないよう、とにかくシュートは打つ機会を多く持っています。また、5人制バスケットボールより相手とぶつかることが多いため、フィジカルの強さも欠かせません。他チームとゲームなどの実践トレーニングを行うことも大切な機会です。チームメンバーと練習できる機会が少ないからこそ、その際に高いパフォーマンスが発揮できるよう、日々取り組んでいます」
ちなみに根岸選手は2018年9月から1年間、ニュージーランドへ留学とのこと。もともとは語学留学での予定でしたが、留学先でも「3×3」の練習に取り組みたいと仰っていました。しかもニュージーランドは、なんとアジア大会の優勝国。夏場は「3×3」、冬場はバスケットボールに取り組み、語学だけでなく競技スキルも身につけてきたいと意欲的です。
オリンピック代表を目指すには、とにかく結果を残すだけ
現在の目標は、やはり2年後に開催される東京オリンピックという舞台。「3×3」は、現時点でまだ代表選手が決定していません。「どうすれば東京オリンピックに出られるのか」について、根岸選手自身も分からないそうです。
「大きな試合としては、7月末からプレミアリーグが開催されます。しかしこの試合で優勝したからといって、代表に選ばれるとは限りません。3×3はまだ国内で新しく、しかも初めてオリンピックの正式種目になる競技。そのため、代表選考について明確な基準がないんです。もしかしたら現在3×3でプレイしていなくとも、5人制バスケットボールの選手から代表が選ばれるかもしれない。私自身、何をすればいいのか、どの大会でどんな結果を残せばいいのか分かっていないんですよ。だから今やるべきことは、とにかくプレミアリーグで結果を残すこと。そして、できる限りの努力を重ねていくしかありません」