フィットネス
2026年5月25日

筋トレと有酸素運動、どっちがダイエットに効果的?トレーナーの見解は

運動が健康にいいことは、今さら言うまでもありません。しかし、どのような運動をどれくらい行うべきかとなると、さまざまな意見があるのも事実。

ジョギングやウォーキング、水泳といった「有酸素運動」は、体内に酸素を取り入れ、糖質や脂肪を燃焼させる効果が期待でき、多くの人にとって関心が深いダイエットとして知られています。

一方で筋トレに代表される「無酸素運動」は、体にメリハリを作ると同時に筋肉量が増えることで基礎代謝が高まるため、痩せやすい体質に変えてくれます。

そのため、ダイエットには有酸素運動と筋トレ(無酸素運動)の両方を行うことが推奨されるのです。

トレーニングやダイエットと切っても切り離せない、この「有酸素運動と無酸素運動(筋トレ)」に関する研究結果をもとに、筋トレと有酸素運動、どちらをダイエットで優先すべきか考えてみます。

有酸素運動と筋トレ、2つを組み合わせるのがベスト

健康面に対する効果に目を向けると、有酸素運動は、心臓や血管などの循環器を健康に保つことが以前から数多くの研究によって証明されています。

近年では筋トレによって筋肉量を維持あるいは向上させることにより、サルコペニア(sarcopenia)と呼ばれる加齢による筋肉の衰えを予防する効果も知られてきました。

さらに最近は、有酸素運動と筋トレのどちらかだけを選ぶのではなく、2つを組み合わせることによって、それぞれがもともと持っている健康効果をさらに高めるという相乗効果が、研究で明らかになってきています。

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筋トレと有酸素運動を両方行うと、死亡率が低くなるという研究

論文(1):メタ解析

2019年5月19日付けでヨーロッパ予防循環器学ジャーナルに発表された論文によると、筋トレを行う人は行わない人に比べると死亡率が低くなり、筋トレと有酸素運動を組み合わせることによってその効果はさらに高まるとされています。

この論文では多数の研究結果を統合して、総合的な分析を行うメタ解析という統計的手法が使用されました。1430もの研究の中から11が解析対象として選ばれ、合計では370万人以上の被験者と8年以上の追跡調査期間に及んだそうです。

その結果、まったく運動をしていない人と比較すると筋トレを行う人の死亡率は21%低くなり、さらに筋トレと有酸素運動の両方を行う人の死亡率は40%低くなるとされています。

論文(2):ランダム化比較試験

さらに調査の対象を狭めた実験研究もご紹介しましょう。イリノイ大学のシュローダー氏らが中心になって、2019年1月に発表した論文です。

そこでは、あまり運動歴のない45~74歳の一般男女を4グループに分け、8週間の調査期間をかけて観察が行われました。

✓  運動を行わないグループ
✓  有酸素運動のみを行うグループ
✓  筋トレのみを行うグループ
✓  有酸素運動と筋トレの両方を行うグループ

8週間の調査期間で運動を行うグループ(B~D) は、週に3回、60分の運動を行いました(Dは有酸素運動を30分、筋トレを30分と均等に分割)。

その結果、たった8週間という短い期間であったにもかかわらず、有酸素運動と筋トレを週3回行ったグループには他のグループに見られないほどの効果「拡張期血圧の改善、体脂肪率の減少、筋力の増強、心肺能力の向上」が報告されたのです。

有酸素運動と筋トレをバランスよく行うのがよい

生涯スポーツの観点から考えると、有酸素運動も筋トレも共通した利点を持っています。

それは、どちらもチームに参加する必要がなく、初心者から競技者までが自分のレベルに応じて楽しめるスポーツだということです。

始めるにあたって遅すぎる年齢はなく、続けるにあたって基本的に必要なのは自分のモチベーションだけです。

有酸素運動と筋トレを両方行うことは、どちらかに集中することで引き起こされる蓄積疲労や怪我の危険性を下げる効果もあります。さらには精神的な飽きを防ぎ、モチベーションを維持しやすくなるでしょう。

マラソンランナーやボディビルダーのように専門的な競技者であれば、もちろん話はまったく別になります。しかし健康やダイエットが運動の目的なら、有酸素運動と筋トレをバランスよく生活の中に組み込んでいってください。

《参考文献》
・The association of resistance training with mortality: A systematic review and meta-analysis.(詳しくはこちら
・Comparative effectiveness of aerobic, resistance, and combined training on cardiovascular disease risk factors: A randomized controlled trial(詳しくはこちら

筆者プロフィール

角谷剛(かくたに・ごう)

アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani

<Text:角谷剛>